2015年12月29日火曜日

熊本市中央区・味千ラーメン(水前寺観光センター店)・味千ラーメン

味千ラーメン水前寺観光センター店・味千ラーメン大盛 = 味千ラーメン・水前寺観光センター店 =

 「味千ラーメン」
  600円
  写真は大盛り

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★★☆

 最近、毎月22日の味千ラーメン感謝デーにはよく足を運んでいるお店です。12月22日は都合がつかずに訪店できなかったので、年末最後の出勤になった29日に足を運びました。多数のお店を国内外に展開するチェーンなので、店舗ごとに味の違いがないようコントロールされているはずながら、やはり調理するのは人なので多少の違いは生ずることでしょう。味千系のお店3軒めのレポートになります。

味千ラーメン水前寺観光センター店・二階はレトロなボウリング場 通称「水前寺公園」こと水前寺成趣園の入口がある出水神社参道に面して、入口のすぐ脇に「水前寺観光センター」の大きな建物があり、二階は水前寺スターレーンというボウリング場で、一階が大型バスの観光客向けの土産物店とレストランになっています。味千ラーメンの公式サイトによれば、数年前ここにテナントとして入居してオープンしたようです。

 その水前寺観光センター、いかにも昭和の観光センター然として、正直なところ、神社や日本庭園の雰囲気には全く似合わない印象があります。全国の観光地にこういう施設が建設されたのは1960~70年代頃だろうと思いますが、その時代感覚のまま、場違いで老朽化した施設をそのまま放置した観光地は、いずれ飽きられてゆくだろうなぁと、個人的には思います。ついでにいえば、参道の土産物店にも、ゴチャゴチャと派手な色彩の看板やPOP、「著名人監修」であることが大書されたブランド頼みの商品が並んで雰囲気を著しく損ね、急速に国際化する観光客の肥えた目には、とても耐えうるものではない気がします。

味千ラーメン水前寺観光センター店・店内 とはいえラーメンが目的の訪店ですから、雰囲気には目をつぶることにしましょう。ドアを押して味千ラーメンの店舗に入ると、改装されたそのスペースだけは新しさがまだ残っているようでした。年末押し迫った日ということもあり、お昼時ながら客は少なめで、厨房に向き合うカウンターに一人、あとは大小のテーブル席に数名のみです。店舗スペースには20数席ありますが、団体などで混雑する時は、店舗スペースの外にある観光センターのホールに誘導することがあります。

味千ラーメン水前寺観光センター店・メニューと感謝デー案内 注文はオーソドックスに『味千ラーメン』。前回訪店した時にもらったサービスクーポン1枚で、大盛が無料になるというので、大盛りにしてもらいました。また麺の茹で加減もリクエストできるので、「硬め」で注文です。客数が少なく茹で時間が短めなこともあり、注文からラーメンが運ばれるまでは3分もかかりませんでした。

 トッピングは大きめのチャーシュー2片、半分に切った味玉子が2つ(=1個分)に、定番の刻みキクラゲ、刻みネギで、さすが大盛りのボリューム感が感じられます。テーブルには、好みで入れられる焦がしニンニクも置かれています。スープはもちろん豚骨ベースですが、味千ラーメン系(経営統合した、桂花ラーメンも同様)は全般に塩分が強めだと感じることがあり、今回もそうでした。あと少し延ばすトンコツダシの量を増やすか、調味液の量を減らす方がいいのではないかと思います。もちろん調味液には調味料系の味が混じります。スープは★3つ。

味千拉麺水前寺観光センター店・外観 麺はしっかり硬めに茹であげられ、中細でストレートな熊本ラーメンならではの食感を味わうことができました。価格は普通盛りが600円で頑張っていて、無料大盛りサービスのクーポンを考慮外としても★4つ。トータルでは、スープの減点を麺と価格でカバーして★4つです。

 ちなみに、2015年11月にBSジャパンで放映された番組が取材でこのお店を訪れ、松山千春の曲が得意という店長が登場して「私が水前寺千春です」と名乗っておられましたが、支払時にその店長と視線が合ったので「見ましたよ」と話しかけたところ、ニコッと笑って同じように「水前寺千春です」と答えてくれました。面白そうな方です。

所在地住所:熊本市中央区水前寺公園6-8 水前寺観光センター内
電話 番号:096-381-3741
営業 時間:11:00~19:00
店 休 日:無休
サ イ ト:http://www.aji1000.co.jp/

2015年12月15日火曜日

熊本市東区・あづまラーメン・あづまラーメン

あづまラーメン・「あづまラーメン」 = あづまラーメン =

 「あづまラーメン」
  450円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 国道57号線東パイパスの熊本インターチェンジ出入口近くにある、ドライブイン的な雰囲気があるお店です。『太一商店』を後にして、せっかくこのエリアまで来たついでにもう一軒、トラッドな豚骨ラーメンを看板に掲げているこのお店にも足を運んでみました。

 トラックが出入りする倉庫風の建物前の敷地にあるという、ロケーションのせいかもしれませんが、玄関を入ると、作業服姿の皆さんが食事をしている姿がチラホチ見えます。厨房に面したカウンター席と、ビニールクロス張りの向かい合った長椅子の間にテーブル、さらには畳敷きの小上りというレイアウトも、壁に張り出された色紙や照明器具も、昭和の時代を感じさせてくれるレトロな雰囲気。

あづまラーメン・メニュー メニューも負けじと、ラーメン類とチャンポンに、カレーと中華丼、焼き飯、ホルモン、餃子と並らび、大衆食堂の雰囲気は申し分ありません。しかも屋号を冠した『あづまラーメン』は450円という安さ。350円の『半ラーメン』もあり、極太麺200グラム+野菜増量の太一商店の後、まだ胃袋が消化中のところだったので半ラーメンかな?とは思いつつも、『あづまラーメン』にしました。

あづまラーメン・壁に貼られた色紙 壁の色紙をよく見ると、かのマラソンランナー増田明美選手のものもあり、インター近くということもあって立ち寄る客層は幅広いのかもしれませんが、普段はトラック運転手やタクシードライバーが好んで立ち寄りそうな感じがします。テーブルごとにティッシュボックスが備え付けられ、ドリンク・バーもあり、サービス精神はなかなかの様子です。

 数分後に『あづまラーメン』が登場。マー油が黒々と浮いたスープは、イカスミか、はたまは富山ブラックか・・・と思わせてくれますが、ここはれっきとした豚骨ラーメン。味玉子半分に刻みキクラゲ、チャーシューに刻みネギ、焼き海苔1/8サイズというトッピング構成は熊本ラーメンの王道をゆきます。

あづまラーメン・店内 さて、スープは調味料系の平板・無難な味がして、いささか期待はずれ。よく言えばあっさりとした感じですが、まろやかというのではなく、物足りなさが先に来ました。麺はしっかりコシもある、色白でストレート系中細の熊本ラーメン。茹で加減が柔らか過ぎることはなくいい感じなので、スープがますます残念です。チャーシューには若干パサつき感がありますが、お値段を考えれば贅沢は申しません(^^;。やや小さめの一切れですが、存在感はありました。

 全体として、何といってもお値段の安さはうれしいラーメン。『赤組』の390円には及びないものの、700円超えが当たり前になりつつある昨今の“こだわり”系ラーメン店の価格設定に比べると、大衆食堂の面目躍如といったところでしょうか。スープの残念さを価格でカバーして、総合は平均的なところで★3つですが、気持ちは★3つ半くらいです。

所在地住所:熊本市東区御領8丁目10-97
電話 番号:096-380-2828
営業 時間:10:30~21:30(材料なくなり次第閉店)
店 休 日:不定休(年末年始休み)
サ イ ト:http://www.adumara-men.com/

熊本市東区・太一商店・味玉子ラーメン

太一商店・「味玉子ラーメン」(野菜多め) = 太一商店 =

 「味玉子ラーメン」
  780円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本市内に居住していても東区に行くことはほとんどないのですが、珍しく用事ができて出かけることになったので、このエリアのラーメン店を訪問することにしました。熊本市は、東区・南区には新しいオシャレなお店や元気なお店がどんどんできるので県外から進出してきたラーメン店が多いのです。訪問した『太一商店』は、大分県が本拠地の企業が運営しているそうですが、ミニコミ紙で何度か広告を目にしたことがあり、なかなか面白そうなお店らしいのでターゲットにしました。

太一商店・外観 運動公園と市内を結ぶ県道沿いにあるお店は、市街中心部からかなり離れているにもかかわらず、平日昼のピーク時間帯は過ぎたはずの13時過ぎ、小雨の中を到着してドアをあけてびっくり!何ですかぃ?この行列??玄関から右側の券売機前にかけて7~8名が順番を待っていました。しかも、数分過ぎても一向に列は動きません。退却しようかと思ったものの、よく見ると、店員が少ないため、空いたテーブルの片付けと整備が追いつかず案内ができないだけだと気づいたので、少々気長に待つことにしました。

 案の定、店員の片付け作業が追いついてくると行列は動き始め、いよいよ券売機の前まで進んだところで、ズラリと並んだメニューボタンをあれこれさまよった末に、「味玉子ラーメン」780円を購入しました。順番待ちのベンチに座ったところで待ち時間は約10分。と、座ったところで目の高さにある表示に初めて気づきました。なんでも、食券裏側に印刷された、スープの濃さ・トッピング野菜の量・ニンニクの量・背脂の量を、多め・普通・少なめの選択肢のいずれかに備え付けの赤ペンで丸をつけることで、あらかじめ好みを店員に知らせてくださいとのこと。初見参ゆえ「普通」とはどの程度かわからないので、野菜の量を多めにした以外は、すべて普通にしてみました。

太一商店・厨房カウンター上の看板 さて、ようやく順番が来て案内されたのは、フロア中央にあるカウンター風のテーブル。横に並んだ座席がテーブルを挟んで向き合っていますが、中央に仕切板が立ちはだかり、向かい席の客とは視線を合わせずに済む構造になっています。視線を上に向けると、厨房カウンター上に「厚盛太麺 創業平成貮拾年」の看板が掲げられていました。太麺好きにとっては、たまらなく期待を膨らませてくれるじゃありませんか!

 待つこと約10分、ついに登場した野菜多めの「味玉子ラーメン」、なるほど、かの『波布食堂・野菜そば』の盛りには及ばないとしても、結構なボリューム感の山盛りで、野菜の山の脇に押し込んだ感じで、味付けされた卵と厚切りチャーシューが載っています。そのチャーシューは厚揚げと見紛うばかりの大きさで、厚さ15ミリはあるでしょうか。チャーシューというより、皮なしのラフテーに近い感じすらします。

 いよいよいただきます・・ところが、トッピング野菜の山がここで災い。下から麺を掘り出そうとすると野菜の山が崩れてこぼれそうになるので、野菜から先に食することになりますが、これが茹で上げて湯切りしてありますが、もともと水分が多いモヤシとキャベツなので、スープに浸さないと味がつかず、しかも浸したスープが普通の濃さでは、野菜と茹でた湯の水分に薄められて水っぽい味になってしまいます。野菜の量を多めにするなら、スープの濃さも濃くしておくべきでした。

 何とか野菜を減らしてから取り掛かることができた麺は、素晴らしい出来栄えでコシが強く粘りのある、文句なしの満点麺です。これがたっぷり200g食べられるとはうれしい限り。チャーシューも看板どおりトロトロ感が出て、厚切りであることをあまり意識させません。味玉子は二つ切りにせず丸ごと1個なのですが、野菜と太麺を口に運ぶと、どこか付け足し的存在になってしまう感じはありましたが、味付けはスープとよく調和しています。

 スープは野菜の水分で少し薄めに感じてしまいます。スープの濃さを補うためのタレがテーブルに置かれていましたが、調味料で味を濃くするのは気が向かずに使わずじまい。もともと調味料系の味が付加されている感じもあり★1つ減。麺好きが太麺の味をしっかり味わおうとするなら、野菜は普通盛りで止めておく方がいいと思いました。トッピングはチャーシューに免じて満点、これで780円なら安いというべきかもしれませんが、野菜量を普通とした価格比では★4つです。

所在地住所:熊本市東区小山3丁目4-18
電話 番号:096-388-4155
営業 時間:11:00~23:00
店 休 日:不定
サ イ ト:https://www.facebook.com/taichi.syouten

2015年10月21日水曜日

熊本市中央区・たんたんの郷・太肉八角麺

たんたんの郷・太肉八角麺 = たんたんの郷 =

 「太肉八角麺」
  1000円

 価格の満足度:★★☆☆☆
 麺の満足度 :★☆☆☆☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★☆☆

 新しいラーメンのお店が九品寺の『てしお』の近くで開店1年を迎えたと、地元版のタウン紙に割引クーポン付きで紹介されていたので、熊本ラーメンではなさそうですが、足を運んでみることに。割引クーポンの記事に定休日不定と書かれていたので、平日で仕事が休みの火曜日を狙い往復3時間の遠足つきで挑みました。

 10月下旬というのに、強烈な日差しに加えてこの日の最高気温は28.4度。まるで夏のような気候で、市街地に入る頃には汗びっしょりで、熱々のラーメンを食べるどころではなくなってしまったので、白川沿いの遊歩道の木陰に石のベンチを見つけてクールダウンすること20分。客が多いはずの昼休み時間帯の終わり近い頃、ちょうど汗がひいたところで川沿いの遊歩道を進み、通称『電車通り』の大甲橋下をくぐって岸を上がると、そこは九品寺ラブホテル街の一角。電車通りに面したエリアはNTT関連会社の大きなビルですが、一歩路地を入るとどこか妖しい雰囲気のビルが並びます。

たんたんの郷・お店の外観 その一角にある電柱には『たんたんの郷』への案内広告看板があちこちに出されていたので、「三回食べたら癖になる」などと染め抜かれた日除け暖簾が出ているアパート1階のお店には、迷わず到着できました。ちょうど目の前を三人組が店に入るところで、店内テーブル席にも人影が見えていて、どうやら流行っている雰囲気です。

 ドアを開けた店内は、まだ開店1年余りなので真新しい感じが残っています。券売機はなさそうなので、7席とも空いていたカウンター席へ。テーブルは12席あるようで、先客三人組と二人組に、目の前でお店に入った三人組がそれぞれグループに分かれても空席がありました。そのうち、先客の2グループは食べ終えたばかりだったようで、間もなくお店を出て行きました。

たんたんの郷・お店のこだわり さて、カウンター上のメニューを拡げてみると、薬膳的な材料に辛さがついたスープが売りのようで、熊本ラーメンではなく豚骨でもない四川料理の坦坦麺とのこと。それで屋号が『たんたんの郷』で、ベルギー生まれのTintin君が登場するわけではありませんでした。メニューの基本パターンは「八角麺」「酸紅麺」「しょうゆ麺」三種類のスープと、「太肉」「拝骨」「口水鶏」「榨菜」のトッピング四種類の組み合わせ。『当店の一押』と書かれていた八角麺に『採算度外視』らしい太肉を組み合わせた「太肉八角麺」を注文しました。

たんたんの郷・八角麺系のメニュー お値段は全体にかなり高いです。「全部乗せ」など特別なメニューではない通常品が900円~1000円、最も安い「榨菜しょうゆ麺」でも800円というのは、気軽にお昼に食べるには少々抵抗がありそう。ちなみに今回は、タウン紙についていた200円割引クーポン券を切り取って持参したので、注文時にクーポンを使う旨伝えたので、定価1000円の『太肉八角麺』を800円で食することになりました。

 注文の時に辛さを指定します。マイルドから大辛まで4段階あって、普段は辛めの方をお願いするところですが、スープの味をしっかり確かめたいので、マイルドにしました。それに、この暑い日に必要以上に汗をかきたくありません。

たんたんの郷・カウンター席 カウンター越しに見える厨房には、三人の男性スタッフ。手際よく分担して調理や片付けをしていましたが、一人に声をかけて撮影していいかを尋ねると、麺茹での男性に聞きに行きました。この方が店長なのでしょう、ずいぶん若い感じです。調理台には、ランチタイム11:30から14:30は食べ放題のライスもセットされた角盆が三枚並び、まずはタッチの差で先客になった三人分からの調理のようです・・・というわけで、待ち時間10分弱で『太肉八角麺』が運ばれてきました。

 赤褐色のスープはどこか赤味味噌的な色合いですが、やはり八角の独特の香りが漂ってきます。まず一口。ほほう、なかなかいい味わい。エキス系の濃縮ダシ調味料を使っている感じはせず、魚介系のあっさり感に近いような気がしました。辛さは確かに少ないのでじっくりスープを味わうと八角の香りがほのかに残ります。豚骨系とは違ったタイプなので、少々物足りない感じはありますが完成度は高く、★4つ(5つでもいいかな・・)

たんたんの郷・テーブル席 麺は・・・箸で赤褐色のスープから麺を持ち上げると・・・キターッ・・・極細ふにゃふにゃ食感の麺。細い麺類は、キリッと冷えた素麺(もちろん固ゆでの)を唯一の例外とする以外、全部苦手。だってもともと食感が良くないのに、食べているうちふやけてコシがなくなってくるので、急いで食べろと急かされる感じになり、落ち着いて食べることが到底無理だからです。そういうわけで、長浜・博多・久留米系の細いラーメンはどうにも苦手なんですが、ここの麺はさらに細い感じで冷麦レベル。これとわかっていれば「麺、バリカタ」と注文したのにと思ったものの、後の祭。坦坦麺とはこういうものと言われれば「すんません」としか言えないのですが、好みと正反対の麺には★1つ。

 一枚が30~35gあるとメニューに書かれた太肉は三枚・・というより三片。なるほど、厚みが1センチ以上ありますが、箸で簡単にほぐれるまで調理されています。こちらは絶品レベル。ランチタイム食べ放題のライスは、これだけでお代わりができそうです。うまい!!満点★5つ。

 要素ごとに大きく点数がばらつきましたが、お値段は絶対値として高め(1000円として評価)、スープとトッピングは美味しく麺は外した感じで、結局、総合は平均レベルで★3つくらいになってしまいます。麺が柔らかくても細くても大丈夫という方なら、とても美味しく味わえることでしょう。お値段がネックかなぁ、やっぱり。

所在地住所:熊本市中央区九品寺1丁目7-6 エンゼルハイム1F
電話 番号:096-363-8000
営業 時間:11:30~14:30、17:30~22:30(オーダーストップ)
店 休 日:不定
サ イ ト:なし

2015年2月6日金曜日

熊本市西区・埼陽軒・大盛ラーメン

埼陽軒・大盛ラーメン = 埼陽軒 =

 「大盛ラーメン」
  730円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本駅は、かつて『九州一の大都会 人口五万四千あり』と明治期の鉄道唱歌にうたわれた熊本市の表玄関口だったこともあり、周辺の二本木には古い商店や旅館などが立ち並び、かつては遊郭もあった風情が残る地区でしたが、再開発でかなりのエリアの景観が変わってしまい、いずこも同じ新幹線駅前の街並みになりつつあります。

埼陽軒・外観 けれども坪井川を東に渡ればかつての雰囲気はまだ残り、この『埼陽軒』のように昭和の時代を感じさせてくれる懐かしいお店がそこここに。午前11時半近く、市電「二本木口」電停近くの橋を渡って東進すると、平日にもかかわらず数名が店外で行列しているのは、熊本ラーメン界に君臨する繁盛店の『黒亭』。横目に見ながら角を南へ曲がれば、目の前に『埼陽軒』の大きな赤いテント看板が見えていました。

埼陽軒・店内 見るからに大衆食堂然とした古びた平屋の佇まいは、繁盛の結果改装した『黒亭』とは対照的ながら、お店に入ると懐かしい温かさのオーラを放つような雰囲気が漂っています。カウンターでTVを見ていたらしい年配のオーナー男性と厨房の女性が、にこやかに「いらっしゃい!」と声をかけてくれました。行列をなす『黒亭』とは対照的に先客が誰もいません。

埼陽軒・店内と壁のメニュー 入口の正面がカウンターになっているほか、左側とその奥には小上りと座敷のテーブル席もあるようでしたが、厨房に対面したカウンター席の真ん中に陣取りました。左手の壁に貼られた“おしながき”と書かれたメニューを眺めると、麺類が中心でバリエーションはなかなか豊富なようです。『王様ラーメン』という一品は気になったものの、まずは基本メニューのラーメンを大盛で注文することにしました。それにしても手作り餃子が一皿10個で450円とは、ガッツリ食べたい系の方にはうれしいですし、「其の他トッピングは御申付下さい」とのことですから、モヤシ増量とか、チャーシュー増量とか、ゆで玉子乗せとか・・可能なのでしょうか?

 カウンター席の上には、これまた年季が入って色が変わった色紙が並んでいます。「星の王子さま」「ヘレン・ケラー」など、かなり場違い感のある文字が書かれた色紙が並んでいたので、何だろうと思えば、東京の劇団の方々が何度かの熊本公演の折に、いつもこのお店を訪問しているらしく、その演題が「星の王子さま」と「ヘレン・ケラー」だったようです。その隣には「アッと驚くタメゴロー」と書かれた、故・ハナ肇氏の色紙。1989年10月17日の日付になっていました。もう25年と少し前のものです。

埼陽軒・ハナ肇さんの色紙 “へーっ!”と感心しながら、厨房のオーナーにいつからお店をやっているのか尋ねると、昭和40年代からなので、もう40年くらいになるかなとの由。「昭和の雰囲気のままで・・」と謙遜されていましたが、こういう雰囲気は大好き。期待感も高まります。もうお一人の女性は年齢的にオーナーよりもずいぶん下で、私と同年代からもう少しお若いような感じもしました。お話好きなようで、待ち時間の間はよもやま話。

 いよいよ登場の『大盛ラーメン』。見るからに正統派の熊本ラーメンを、どうぞと出したオーナーは、「昔のままのラーメンで」と再び謙遜。昨今の味付けが濃いラーメン、コッテリを主張しすぎるラーメンには辟易としているので、この感じはうれしい!と、久しぶりに熊本のラーメンに遭遇した喜びは、スープを口に運ぶとさらに確信に変わりました。しっかり豚骨のダシを取り、まろやかさとほのかな甘味があり塩味もほどよく、背脂やコッテリは一顧だにしない、王道をゆくぜ!というスープは、極上の出来栄えで大満点の★5つでも足りないくらい。

 麺は煮えたぎる茹で鍋の木蓋の上に一度ほぐしながら並べ、蓋から滑らせるように鍋に投入するスタイルも、いかにも正統派。「気持ち硬めに」とお願いしていたので、中太ストレート系の標準的な麺は歯ごたえがあって茹で加減もほどよく、これも満足です。スープが5つ★でも足りない分も含め、麺も★5つ。

埼陽軒・カウンター上方に並ぶ色紙 トッピングのチャーシューは大きめの二枚。見た目には普通のチャーシューながら深い味わいと香りがあって、『秀ちゃんラーメン』や『大将軍』のチャーシューにもひけを取らないグレードです。その他、茹でモヤシが中央に盛られ、刻みキクラゲが施されたうえ、マー油か焦がしニンニクのいい香りもします。行列繁盛店のすぐ近くに、これほど素晴らしいラーメンがひっそり隠れていたとは!キラ星のような、熊本ラーメンの名店を一つ発見できたうれしさと満足感で、総合も文句なし★5つの満点です。

 機会を作って、次回はどうしても『王様ラーメン』を食べてみようと心に誓いながら、「また必ず来ますから」と厨房のお二人に声をかけ、ホッコリと幸せな気持ちでお店をあとにしました。派手さも個性もないけれど絶品のラーメン。つけ麺やまぜ麺、コッテリにこだわる現代ラーメン界の主流とは全く違う、何世代も前のスタイルのラーメンかもしれませんが、変わらない、否、変えてはいけない味を大切にすることの大切さを、『埼陽軒』のオーナーは40年以上実践し続けているのかもしれません。

 熊本一のラーメンと言いたくなるほど、素晴らしいお店でした。

所在地住所:熊本市西区二本木2丁目1-19
電話 番号:096-353-5609
営業 時間:11:00~23:00頃
店 休 日:月曜(ネット情報)
サ イ ト:なし

2015年1月8日木曜日

熊本市東区・九龍・ラーメン

九龍・「ラーメン」 = 九龍 =

 「ラーメン」
  640円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★☆☆☆

 新年最初の週は、いつもと違う場所で仕事をすることになったので、ふだんはなかなか通えないエリアのラーメンを狙うことにしました。熊本市東区から南区にはあちこち未訪問店がありながら、5年近く前にしばらく東町方面に通勤していた当時を最後に、このエリアで平日のお昼時にラーメン店に足を運べなくなっていたので。

九龍・お店の外観 事前リサーチでは、県庁前から第二空港線へ向かう県道沿いの東パイパス近くにラーメン店が二軒。一方は京都白川発祥の超有名全国チェーン店なのでパスして、もう一軒の方が今回訪問した『九龍』です。昼休みの時間帯ですが晴天ながら寒風が吹きすさび、寒くてたまりません。それでも仕事場から歩いて10分ほどで到着。お昼時で混雑しているか心配だったのですが、ちょうどお店の前まで到着した頃、店内から6名のグループが出てきたのでどうやら席の心配はなさそうです。

九龍・券売機 お店は黒と白の外壁を基調にアクセントとして赤を配した、結構目立つ外観です。最近開店するラーメン店って、こういう色使いがわりと多い気がしますが、気のせいでしょうか。外壁には「濃厚豚骨」「こってりは好きですか?」と看板が出されていて、興味をそそられす。さて、と・・・入店。店内には、テーブル3卓8席と厨房側カウンター3席+窓側カウンター5席、それほど収容人員は多くありません。先客は6人。陣取る席を探していると、「そちらでチケットをどうぞ」と、店員さんが声をかけてくれました。振り向けば入口横に券売機。

 押しボタンにセットされた品名をスキャニングすると、ここのお店も最近の定番『つけ麺』もウリにしているらしいのですが、正攻法でシンプルな『ラーメン』のボタンを押しました。ラーメンには、プラス180円の『肉増しラーメン』とプラス160円の『野菜増しラーメン』が別メニューになってます。その他に『つけ麺』4種と『油そば』。トッピングのオプションでチャーシュー、煮卵、ネギをそれぞれ別料金で追加できるようですが、追加しませんでした。ご飯か炒飯と餃子を組み合わせてセットにもできるようですが炭水化物多過ぎ(^^;なのでパス。・・とか言いつつ、しっかり替玉(100円)しましたが・・。

九龍・店内 窓際カウンター端の席に陣取ってチケットを店員さんに渡すと、「こってりとあっさり、どちらにされますか?」と問われたので、ここは絶対にウリの濃厚豚骨を試すというものでしょう。「こってりで。」とお願いしました。店内を見回すと、壁には夥しい数の色紙が貼られています。よく見るとその大半は、『激辛つけ麺』を完食したチャレンジャーたちのもの。地元民放TV局情報番組のレポーターたちの色紙とは別の区画に貼り出され、その数42枚(2015年1月8日12時20分現在)。

九龍・ 激辛つけ麺挑戦者求む! 『激辛つけ麺』は(辛さ)熊本No1を謳い、完食者には次回の来店時に一品サービスだそうですが、その旨を知らせるポスターと並んで「体に異常が出ても当店では一切責任を負いかねます」と注意書きが・・。これは心して自己責任で食べねばならない・・のでしょう。カウンター席の並びにいる男性3人連れがどうやら『つけ麺』を食べている様子ですが、辛さに耐えながら    “なじり食い”の様相、かなり汗も流している様子なので、辛さは不明ながらも実に辛そうです。メニューを見ると、辛くない『つけ麺』から始まり『ちょい辛つけ麺』『大辛つけ麺』『激辛つけ麺』まで、辛さが4段階でエスカレートしてゆく(?)ようでした。

 少し待ち時間があってラーメンが運ばれてきました。これまた最近のお約束のようにステンレスの盆に載っています。まず驚いたのは、スープの粘り気。葛湯か何かのようなトロッとした外観です。レンゲで一掬いして口へ運ぶと、「うわっ・・」。濃厚を自負するだけあってコラーゲン感たっぷり。これだけで濃厚感は十分過ぎるくらいです。塩分はそれほど濃くありません。麺はかなり細麺ながらもコシはシャキッとして、なかなかの出来栄え。ただ、この濃厚すぎるスープは、3口ほど食べたところでクドさを感じ始め、替玉をする頃には“もたれ”感発生。

九龍・窓に貼られたメニュー それでも、皿で供された替玉の茹で湯がスープを少し薄めてくれただけでなく、ラーメンらしい麺の香り(これが大好き!)も“味変”効果の救いの手を差し伸べてくれました。毎度ながら、細麺ではなく隣席で苦戦中の『つけ麺』のまるでうどんのように見える太麺を味わいたいなぁ・・と思いつつ、麺はやや苦手の細麺としてはいい感じの★4つです。一方で、ストライクゾーンがあっさり系にシフトしたオジさんの味覚には、このスープはエイリアン・・★2つ。ノーマル系熊本豚骨ラーメンの白いスープが懐かしか~・・。ただ、通常の倍量の豚骨を3日間煮込んだというスープには、必ずやハマる若者たちが多数いると思います。これぞ好み!という方がいてもおかしくない、手間のかかったスープであることは確か。

 トッピングのチャーシューは、ハッキリ言って物足りません。市販の薄切りベーコンくらいのボリュームが1枚だけ。厚み2ミリくらいでしょうか。炙りが入って香ばしいのはいいですが、替玉投入まで食べずに温存するとは、なんだか寂しい(;_;)です。その他、刻みキクラゲと刻みネギ。煮卵はデフォルトでは入ってません。トッピングも★2つ。麺の良さはいいと思いますが、濃厚が過ぎるスープは好みがはっきり分かれそうで、私の胃袋は久々に悲鳴を上げてしまい、総合は★2つになりました。

所在地住所:熊本市東区健軍1丁目28-1
電話 番号:096-285-4030
営業 時間:平日11:30~14:45、18:00~22:30 日・祝日11:30~22:30
店 休 日:火曜
サ イ ト:なし