2014年9月27日土曜日

【閉店】 熊本市中央区・段平・らーめん

2016/10/30追記の追記:お店は別の屋号になり、ラーメン店ではなくなっていますので、「閉店」扱いとしました。

2016/6/12追記:最近、お店の前を通ってもいつも営業していないので閉店したのかもしれません。あるいは熊本地震の影響で休業中なのかも。

段平・らーめん = 段平 =

 「らーめん」
  750円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 毎日の通勤は、黒髪から薬園町・子飼本町の裏通りを歩き、子飼橋へ抜けるのですが、悪天候の日はバスに乗ることにしています。ずっと天候不順だった今年8月のある日、雨にぬれたバスの窓から『薬園町・黒髪小学校入口』バス停のすぐ近くに、新しいラーメン店が開店しているのを発見。機会を見つけて訪問しなくては・・・と思いながらなかなか訪問がかなわず、9月も押し迫った土曜の昼下がり、近所の歯医者へ行った帰りにようやく立ち寄ることができました。

段平・お店の外観 訪れてみると、以前ここには別の飲食店があったような気がするスポット。清水バイパスが開通するまではメインストリートだった旧い道沿いには、古くからの和菓子屋、肉屋、畳屋、骨董品屋に、板ガラス&お茶が商品という異色のお店などが並ぶ一方で、ドラッグストアやコンビニエンスストア、ファミリーレストランも並んでいます。

 お店の軒先には「ニンニク入れますか?」と、変わったフレーズの看板が下がり、その下には日よけ暖簾が広がっていました。土曜で人も車も少ないバス通りは静かで、「やってます」と大書された木の看板が掛かったドアも、どこかひっそりとした雰囲気ですが、ドアを押すと若い店員さんかオーナーか、元気な声が「いらっしゃい!」と出迎えてくれました。

 中は、窓際から壁際そして厨房に面してコの字型に並ぶカウンター席のみ約10席という、小さなお店ですが、お昼時の先客が3人。厨房に面したカウンター席に座ろうと荷物を降ろすと、「食券、買っていただくようになってます。」と厨房から声がかかりました。振り向くとドアのすぐ右側に券売機が鎮座。うっかり見落としていました。

段平・食券の券売機 券売機ボタンは最上段に『らーめん』『つけ麺』『油そば』『味噌らーめん』の4種類。その下にはオプションのトッピングが並んでいるのですが、無料トッピングとして「にんにく」「野菜」「ねぎ」「アブラ」。それから「カラメ」というのがあって、トッピングの野菜に醤油タレをかけることもできるそうな。ちなみに野菜とは『もやしベースのキャベツ入り』だそうで、もともとトッピングされているところ、無料トッピングを依頼すると倍量になるのだそうです。野菜高騰の折にこれはありがたいので、注文は『らーめん』に野菜とニンニクのトッピングで。

 しばらくすると、厨房にいる二人と知り合いらしい若い男性が来店し、厨房側のカウンター正面に座って店員さんといろいろな話が始まりました。地獄耳(というほどでなくとも、1メートル横で話す会話が静かな店内に響けば、間違いなく耳に入る)をそばだてるともなく聞こえたお話では、ここは以前、焼きそばとお好み焼きのお店だったらしく、「かなり手を入れた」とはオーナーらしい男性の自負の声。一週間ほど前にあった熊本の秋の風物詩、藤崎八旙宮の例大祭で馬追いのグループ(主に高校同窓会組織が中心)にも参加したらしく、しばしその話題で盛り上がっていました。

段平・無料トッピングの説明 その時ふと目を向けた厨房の壁には、三川屋製麺という製麺所に注文するための電話番号が貼られていたのですが、市外局番が“042”。『えっ?』これって東京都内(23区外)じゃないですか??そんなところから麺を仕入れているのか・・・と驚きつつも、まあこの時代だからそんなものかと思いつつ、新たな熊本ラーメンとの遭遇ではないことに、いささか落胆したのでした。つけ麺流行りの昨今なので、『魚雷』とか『おんのじ』と似て現代風のラーメンが登場しそうかな・・・と気持ちを切り替えました。

 そのうち厨房では、スープを網で漉すのはいいとして、なにやらその網で裏ごしするように、何かをグイグイとおたまで押し付けているではありませんか。細かくなって網目を通過できる柔らかいもの・・・といえば、豚の脂かな??隠し味的何かがここでスープと調合されているようでした。

 そして大量のモヤシが茹でられ、トッピングされた『らーめん』はステンレスの盆に載って運ばれてきました。まずは倍量になった「もやしベースのキャベツ入り」の野菜の山盛りは圧巻。麺が全く見えません。キャベツ入りといっても夏の天候不順で価格が高騰し、1玉300円近いキャベツは、さすがに“散見”程度。もう少し入ってるのを期待したので、実質、もやしラーメンです。

段平・窓際のカウンター席 チャーシューは普通のお店の3倍厚くらいに切られたものが1片。チャーシューと呼ぶよりも煮豚という感じでしょうか。箸で簡単に崩れるところまでしっかり煮込まれているのは、ロース肉でしょうか。沖縄そばの定番トッピング、Bロースをどこか連想させてくれます。

 さて、スープをまず一口。お知り合いのお客さんとの会話では「トンコツに、醤油を効かせてる」と話していたオーナーの言どおり、トンコツに醤油ベースの味付けは少々塩分濃いめの傾向でしたが、茹でモヤシに絡んで適度な味になりました。スープそのものはなかなかのまろやかさも感じられますが、もう少し味に深みが欲しい、すなわち塩分薄めでも満足できるカラーが欲しいと思いました。★4つ。背脂らしき粒子が浮かんでいたので、裏ごしは、これだったのかもしれません。

 ところで麺はどこに・・・(^^;・・モヤシの山をかき分けて発掘しても、その下にもモヤシの層があり、なかなか麺の層には到達できません。しょうがない、まずモヤシだけ1/3ほど食べてから、やっと箸を深く入れた下から麺が登場しました。で、この麺です。ストレート系でやや褐色ががったと言ってもいいほど濃い色をした超太麺は、チャンポンの麺を凌駕するほど。

段平・厨房側カウンター席 ようやく口に数本を運ぶとモチモチとした食感はたまりません。極上。強靭なコシの強さがあって粉っぽさもモソモソ感もなく、普通の熊本ラーメンの麺とも『桂花』の太い麺とも異なるもの。パスタ的な感じすらしました。ラーメンの麺としてはどうよ?感はあるのかもしれませんが、このタイプが大好きな私としては満点★5つ。

 課題はトッピング。キャベツ少なめなのは、現時点の野菜価格状況ではやむを得ないと思いますが、もう少し色気があってもいいような気がします。チャーシューというか煮豚は、見た目のボリューム感があるもののロース的パサパサ感がつきまとい、強烈な麺の存在感ゆえ一緒に口に投じると実に影が薄く、ただの添え物になっている気がしました。トッピングは★3つ。

 トッピング増量をしないままで750円という価格は、やや高め感があるものの、麺のハイレベルな一撃には参りました。麺に免じてトータルは★4つ。

所在地住所:熊本市中央区黒髪1丁目8-47 エクセレント・クロカミ1F
電話 番号:096-344-3801
営業 時間:11:30~15:00、18:00~22:00
店 休 日:無休?
サ イ ト:なし