「大盛ラーメン」
730円
価格の満足度:★★★☆☆
麺の満足度 :★★★★★
スープ満足度:★★★★★
具の満足度 :★★★★★
総合 :★★★★★
熊本駅は、かつて『九州一の大都会 人口五万四千あり』と明治期の鉄道唱歌にうたわれた熊本市の表玄関口だったこともあり、周辺の二本木には古い商店や旅館などが立ち並び、かつては遊郭もあった風情が残る地区でしたが、再開発でかなりのエリアの景観が変わってしまい、いずこも同じ新幹線駅前の街並みになりつつあります。
カウンター席の上には、これまた年季が入って色が変わった色紙が並んでいます。「星の王子さま」「ヘレン・ケラー」など、かなり場違い感のある文字が書かれた色紙が並んでいたので、何だろうと思えば、東京の劇団の方々が何度かの熊本公演の折に、いつもこのお店を訪問しているらしく、その演題が「星の王子さま」と「ヘレン・ケラー」だったようです。その隣には「アッと驚くタメゴロー」と書かれた、故・ハナ肇氏の色紙。1989年10月17日の日付になっていました。もう25年と少し前のものです。
いよいよ登場の『大盛ラーメン』。見るからに正統派の熊本ラーメンを、どうぞと出したオーナーは、「昔のままのラーメンで」と再び謙遜。昨今の味付けが濃いラーメン、コッテリを主張しすぎるラーメンには辟易としているので、この感じはうれしい!と、久しぶりに熊本のラーメンに遭遇した喜びは、スープを口に運ぶとさらに確信に変わりました。しっかり豚骨のダシを取り、まろやかさとほのかな甘味があり塩味もほどよく、背脂やコッテリは一顧だにしない、王道をゆくぜ!というスープは、極上の出来栄えで大満点の★5つでも足りないくらい。
麺は煮えたぎる茹で鍋の木蓋の上に一度ほぐしながら並べ、蓋から滑らせるように鍋に投入するスタイルも、いかにも正統派。「気持ち硬めに」とお願いしていたので、中太ストレート系の標準的な麺は歯ごたえがあって茹で加減もほどよく、これも満足です。スープが5つ★でも足りない分も含め、麺も★5つ。
機会を作って、次回はどうしても『王様ラーメン』を食べてみようと心に誓いながら、「また必ず来ますから」と厨房のお二人に声をかけ、ホッコリと幸せな気持ちでお店をあとにしました。派手さも個性もないけれど絶品のラーメン。つけ麺やまぜ麺、コッテリにこだわる現代ラーメン界の主流とは全く違う、何世代も前のスタイルのラーメンかもしれませんが、変わらない、否、変えてはいけない味を大切にすることの大切さを、『埼陽軒』のオーナーは40年以上実践し続けているのかもしれません。
熊本一のラーメンと言いたくなるほど、素晴らしいお店でした。
所在地住所:熊本市西区二本木2丁目1-19
電話 番号:096-353-5609
営業 時間:11:00~23:00頃
店 休 日:月曜(ネット情報)
サ イ ト:なし
0 件のコメント:
コメントを投稿