2013年2月25日月曜日

熊本市中央区・ろくとん軒・ぶたぁ麺

ろくとん軒・ぶたぁ麺 = ろくとん軒 =

 「ぶたぁ麺」 580円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 何度か足を運びましたが、昼間は営業しておらず訪れる機会がなかったお店です。30年以上も前、現在このお店がある場所から徒歩2分ほどのところにあったアパートに住んでいたことがあり、このエリアはとても懐かしく、いつか近くを通りかかった時に訪れたいと思っていましたが、たまたま夕方6時前に近くを通りかかる機会ができたので、予定外でしたがせっかくのチャンスと思い、立ち寄りました。

 お店の周囲はほぼ住宅街で、小さな事務所や幼稚園、自動車学校もありますが、半世紀以上前のこととはいえ近くを流れる坪井川が氾濫して水没したことがあるこのエリアの北側には、後の防災対策で設置された広大な遊水地が広がっています。そんなエリアに夕方忽然と出現するのが『ろくとん軒』。実はお店は二枚看板で『六丁目』という串焼き居酒屋のいわばラーメン事業部が『ろくとん軒』。

ろくとん軒・外観 『ろくとん軒』と染め抜かれた白い日除け暖簾がかかる戸口らしき場所に近づくと入口はなく、少し奥の間口に下がる串焼き屋『六丁目』の黒っぽい暖簾がある戸口に『ラーメン』と書かれた赤提灯が下がっていたので、迷いながらもそちらへ。入口はそちらでした。お店のサイトによれば建物は元農機具小屋だったそうで、板張りの壁や木組みはいい雰囲気を感じさせてくれます。そういえば私がこの町内に住んでいた当時、現在の遊水地やその一角にある必由館高校のグラウンドあたりは一面の田畑でしたから、近所にまだあった兼業農業の農機具小屋だったのかもしれません。

ろくとん軒・店内 店内の座卓には、ファミリーで串焼きを食べに来ていた先客が既に一組。すっかり居酒屋の雰囲気になりきっていたので、念のため「ラーメンやってますか?」と尋ねてみます。当然のことながらお返事は「やってますよ!」の一言で、安心してカウンター席につきました。カウンター席は2人がけの長椅子で、お一人様にとっては少々扱いにくかったのですが、斜めに引いて横から着席しました。

 カウンター席上の壁には居酒屋メニューが板書されて並び、眼前の冷蔵ショウケースには寿司屋さながらに鮮魚が見え、おいしそうです。厨房では大きな串焼きが炭火に淡い煙を上げながら、ジュジュジュと音を立てています。刺激された五感と時間帯ゆえ飲みたくなる誘惑は膨れ上がるばかり・・・・。しかしここはひたすら耐えてラーメン!

ろくとん軒・メニュー 麺は“小屋炊き豚骨らーめん”カテゴリに『ぶたぁ麺』、“熊本鶏塩らーめん”に『鶏塩麺』の二種類が基本で、それぞれの大盛りとして『ぶたぁ麺』には『メタボキング』、『鶏塩麺』には『メタボクィーン』があります。ネーミングからしていかにも高カロリー(^^;。例えば『ぶたぁ麺』には「麺二倍、チャーシュー四枚、背脂多量、にんにく多量、胸焼け注意」と小さく添え書きされています。チャーシュー四枚は一向に構わないのですが、背脂多量はさすがに引いちゃいました。注文は『ぶたぁ麺』。

 開店直後の準備がこの時間帯にはまだ続いているらしく、店員さんたちはテーブル席やカウンター席に何かを並べたり、厨房からフロアや屋外へと頻繁に出入りして慌しく、どこか落ち着かない雰囲気の中、串焼きに振り塩パラパラの後、炭火上で炙っている様子は確認できるのですが、いつまでたってもラーメンの調理にかかる気配が見えません。どうなっとるんじゃ?と思い始めた頃、ようやく目の前の店員さんが一束の麺を冷蔵庫から取り出して調理を始めました。営業時間入り直後でまだいろいろな段取りができていなかったのでしょうか、先客1ファミリーと私以外には誰もお客さんがいなかったにもかかわらず、『ぶたぁ麺』が登場するまで10分ほどが過ぎてしまっていました。

 さてさて『ぶたぁ麺』。スープがやや少なめで丼の内側一面やトッピングの表面に黒っぽい粉が見えています。『やられた、振りコショウかぃ!』と身構えて口に運ぶと、チープな粉末コショウ臭さや刺激は感じなかったので、ひとまずホッとしてスープを味わうと、やっぱりどうも塩分きつめ。豚骨ベースでダシはよく出ているようですが、まろやかさがあと少し欲しいかも。食後には口の中に僅かな甘ったるさが残り、スッキリとしたキレが欲しく、水も欲しくなりました。★3つ。

 麺は、熊本ラーメン標準のストレート系中細麺。硬めの茹で上がりでコシもあり、いい感じです。欲を言えば量が少なめ?これなら麺二倍の『メタボキング』でもいけるかも、と感じました。ちなみに替え玉はなく大盛りなら200円upなので、そうとわかっていれば大盛りでよかったのかも。もしや量少なめ感は『飲みたい!』を我慢して迎えた夕方の空腹がなせるワザだったのかもしれませんし、粘りがもうひとつと思いつつシコシコの食感は茹で加減ドンピシャで好ましく、麺は★4つです。

ろくとん軒・元は農機具小屋の板張り トッピングは、厚手ながらも小さめの自家製らしいチャーシュー1片と刻みキクラゲ、刻み青ネギ、1/8サイズの焼き海苔1枚。チャーシューはトロッとした食感も味もスープや麺と馴染みがよく、完成度が高いです。無理して薄めのスライスで2枚載せ仕立てにするよりは、この厚みの方がチャーシューの持ち味は活かせるでしょうが、せめてもう一枚チャーシューが欲しいよぉ~!焼き海苔は、色も厚みも薄めなので黒々としたいい海苔を使って欲しいところですが、チャーシューの味と完成度に免じてトッピングの★は3つ。

 価格比の食べ応えはもう少し欲しいかもと思いつつ、グレードが高い麺とチャーシューに対して600円を割る価格設定には意気込みも感じます。コストパフォーマンスは標準的なところで★3つ、総合も★3つでした。スープのやや荒削りな感じが丸くなり塩味が気持ち抑えられれば、いい感じの一杯になると思います。食べ終えて夕刻の住宅街に出ると、季節はもうすぐ春のこの季節、まだ夕暮れの明るさが残っていたので、いつものように坪井川沿いのウォーキングコースを歩いて家路に着きました。

所在地住所:熊本市中央区坪井6丁目15-10
電話 番号:096-335-7855
営業 時間:17:30~24:00
店 休 日:不定休
サ イ ト:http://www.mamiree.net/cn30/index.html

2013年2月21日木曜日

熊本市中央区・てしお(本店)・塩らーめん

てしお・塩らーめん= てしお(本店) =

 「塩らーめん」 650円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★☆☆

 2012年夏の九州北部豪雨で氾濫し、熊本市内の一部に大きな被害を出した白川にかかる大甲橋を南岸に渡って、電車通りの南西側が九品寺。熊本大学病院との間に、シティリゾートでもビジネスでもない例のホテル群(^^;が立ち並んでいますが、元来は静かな住宅街と商業地域だったはず。そんなエリアの一角で静かに営業しているのが『てしお』です。

てしお・外観 事前リサーチで、熊本ラーメンとは全く異なったタイプとの情報を得ていたので、訪問を先送りしていましたが、今回は近くを歩いて通りかかったので立ち寄ってみることにし、電車通りから水路沿いの路地を曲がると、100メートルも歩かないうち『てしお』という看板が見えてきました。アパート風3階建てビルの1階にある店舗は、外壁の一部に赤レンガが見える落ち着いた色調で、洋食屋か喫茶店が入っていても何の違和感もなさそうな外観です。

てしお・店内 店内にはカウンター5席と、4人がけ、2人がけのテーブルが1卓ずつがあるだけで、静かに落ち着いた雰囲気はやはりどこかラーメン店離れしています。ともかくカウンター席に座ってメニューを確認。基本メニューは『塩らーめん』と『正油らーめん』らしく、それぞれにトッピング4種類から選ぶバリエーション・メニューがあるほか、つけ麺もありました。また入口の看板には『今月限定らーめん 野菜をたっぷり練り込んだ 和風カレーらーめん』と書かれ、店内壁にも同じメニューが貼り出されています。この品はお品書きに載っていないので、どうやら毎月限定の新作ラーメン?を出しているのかもしれません。

てしお・お品書き ところで、お品書きの『正油らーめん』には“こっさり”という修飾語が書き添えてあり、察するにこれは(こってり+あっさり)÷2という意味の造語なのでしょうか(って、結局何なんだい(^^;?)。こってり感がありつつ、あっさり切れもいい、という意味??どっちつかずではないことを祈りつつ、注文は基本の『塩らーめん』。

 5分ほど後、トレイがわりの陶製皿に載った『塩らーめん』が、店員さんからカウンター越しに手渡されました。その際にトッピングの説明が小声であったようですが、男性の低い声ということも手伝ってか聞き取れませんでしたが。スープは豚骨ではない塩味なので澄んだコンソメのような感じ。そのスープの中にはっきり見える麺は縮れが入った細麺。そしてお品書きに『チャーシュー』と書かれていた一片は、何と皮がついた鶏肉。「う~ん?チャーシューって豚肉でなくてはならないんじゃ・・・?」と思いつつ食べ始めました。

 透明なそのスープは鶏ベースなのでしょう。澄んだ感じの塩味ですが、コンソメ系苦手の私の味覚には深みやコク不足と感じるうえに、インスタントラーメン原体験を思い出して、ついチープに感じてしまいます。鶏ベースのスープなら寄せ鍋のように野菜ダシとのコラボ感がある方が好みです。味づくりの努力に敬意は表しつつ、申し訳なくも私の好みではスープ★2つ。

てしお・営業時間変更案内 そうは言いながらも、トッピングも鶏の“チャーシュー”と鶏のつくねなので、スープとのなじみはいい感じです。特につくねは軟骨のコリコリした食感が心地よく、素晴らしい出来だと思いますし、鶏“チャーシュー”も味わいある肉質で、とてもおいしいです。つくねはラーメンより鍋料理で、鶏チャーシューは酒のアテで食べたいなぁ・・・。トッピングその他はメンマに半熟卵半分、刻みネギにシシトウガラシ輪切り1片。価格比では量も妥当なところですが、鶏系アイテムの味わい深さに★4つ。

 麺は縮れ細麺の外観に、このスープで一歩間違うとまるで某チキンラーメン的なインスタント感が出てしまうのではと危惧したのですが、しっかりした歯ざわりを食べ終えるまでシコシコ残す粘りコシ。すぐにのびてコシがヘタることはなく、麺の水準は高そうですが、嗚呼細麺を如何せん、どうしても好きになりきれず★3つ。

 好みがはっきり分かれるラーメンだと思います。私にとっては頑張って総合★3つですが、非豚骨系の新風を吹き込む斬新な味、という評価もありうるでしょう。あっさり鶏ベース塩味のスープと細麺さえ好きになれれば、ハマる方も出てくるラーメンかもしれません。

てしお・壁の貼紙 壁の貼紙を眺めていると、姉妹店がオープンするとの案内が。『詳細はFB、Web上にて公表』との由なので帰宅後調べてみると、2013年3月1日に姉妹店が開店するところまではわかったものの場所は不明でした。平日の午後1時を過ぎた時間帯にもかかわらず、待つ間にも次々とお客さんが来店し、どうやら人気店らしいので、姉妹店もきっと繁盛することでしょう。
(2013/3/10追記:姉妹店は『てしお尚絅校前店』:中央区九品寺2丁目7-11 と判明)

 お店のサイトには営業情報が日々掲載されており、時には『てしおの日』というサービスデーのお知らせが載っているようなので、事前にチェックするとお得かも。但し『ブログ』ではなく『ニュース』の方に掲載されています。

所在地住所:熊本市中央区九品寺1丁目5-41 キャナルハウス101
電話 番号:096-363-0071
営業 時間:11:30~15:00、17:00~22:00(金・土は18:00~24:00)
店 休 日:第2・第4月曜
サ イ ト:http://tesio-japan.jp/ , https://twitter.com/kuhonji_tesio

2013年2月20日水曜日

【業態変更】 熊本市中央区・天神堂・らーめん

2016/6/12追記:屋号は変えず、居酒屋に業態変更しているようです。

天神堂・らーめん = 天神堂 =

 「らーめん」 500円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 熊本市電の味噌天神電停に面している間口の狭いお店ですが、外観はとてもお洒落。前回訪問した『心生 麺商人』ともどこか共通するデザインのようです。お店の間口の五分の一幅くらいもありそうな幟2本が店頭に並んで、そのお洒落感をいささか艶消しにしているのは残念ですが。

天神堂・座卓席 透明なガラスの内側に和紙を貼って外から内部が見えないように工夫されたドアを開くと、店内にはお昼休みにグループで食事に来たらしき男性8名が2つのテーブルでお食事中。それとは別に小上がり風のスペースがドア横にあって、そちらには6名ほど座れそうな座卓。入って左側の壁に沿ってカウンター席が5席あったので、カウンター席に陣取ろうとすると、お茶を運んで来た店員さんが「先に食券をお願いします。」

天神堂・券売機 ありゃ、券売機があったとは。入ってすぐ左の壁際に据えられていたのですが、あまり近すぎて全く眼に入らず見落としていました。ボタンは少なく基本メニューの『らーめん』『醤油らーめん』に『坦々麺』、夜だけ販売の『晩酌セット』の4つと、下の方に『替え玉』とそれぞれの麺に『卵ご飯』をプラスしたセット、さらに下に『トッピングチャーシュー』『卵ご飯』(単品)と瓶ビール、焼酎(夜間だけ)。オプションメニューのボタンはどこに何があってどれを押せばいいのか少々わかりにくい感じでしたが、ここはシンプルに『らーめん』だけと決めてボタンを押し、待っていた店員さんに渡しました。

天神堂・カウンター席 店内は、調度やインテリアだけでなく湯のみや箸立も透明塗装の木の質感を生かしたもので統一されていて、なかなかいい感じです。お店の一番奥にある厨房からは、大きな開口部を通して店内の状況が確認できるようになっています。3分ほどで『らーめん』が運ばれて来ましたが、店員さんは、席を立った先客8名には「お待たせして、すみませんでした。」と声をかけていました。グループで一度に注文したせいなのでしょう。

 まずスープ。券売機のボタンに『無化調』と明記されているので、どんな味か期待していたところ、ベースは豚骨と魚介の合わせダシでしょうか、それにしても塩分が少々きつめ。口に含むとどこか鋭利な角が残っている感じで、もう少し丸みが欲しいと感じます。また『無化調』ながら何か残る感じがしてスッキリせず、デキは悪くないと思うもののスープにはまだ改良の余地がありそうな?★3つで平均的なところ。

天神堂・外観 麺は熊本のラーメンとしては珍しい縮れが入った中太麺で、熊本ラーメンの白っぽい麺とは少々タイプが違います。生地自体に強靭な粘りとコシがある麺らしく、そう簡単には軟化しない引き締まった感じで、茹で加減を『硬め』にしただけの麺と一味違う歯ごたえは、完成度が実に高い感じ。好みのタイプとは少し違う方向なのですが、この麺なら大満足の★5つ満点です。

 トッピングは薄めのチャーシュー1枚と半熟卵が半分、1/8サイズの焼き海苔1枚に茹でモヤシと刻みキクラゲ、刻みネギ。見劣りするものではないのですが、チャーシューのトッピングがオプションになっている分だけ、やや物足りません。そのチャーシューは薄い分スープとの馴染みはいいものの、食べたという満足感?はいまひとつ。とはいえ500円のお値段相応ということで★3つ。

天神堂・定休日のお知らせ いつもながら、載っていたチャーシュー付近には少量ながらもコショウを振りかけた形跡ありで、コショウ臭さと刺激がスープの味と香りを損ねたのは残念。粉末コショウをラーメンに振り掛けて出すのは、お店の考え方やスタイルだとしても、香辛料の使用は客の判断に委ねて欲しいもの。とはいえ、完成度が非常に高い麺の食感とお値段に敬意を表して、総合は★4つ。

 ところで最近、カタカナの『ラーメン』ではなくひらがなの『らーめん』と表記するお店が増えている気がしますが、これまでのラーメンとは一味違うぞ、というイメージのためか、ただ流行なのか?『天神堂』もそうですが、どういうわけか『晩酌セット』の券売機押しボタンに『ラーメン+おつまみ2品+ビール』と書かれた説明だけはカタカナの『ラーメン』表記だったのが謎です??

所在地住所:熊本市中央区大江5丁目10-22
電話 番号:096-373-8051
営業 時間:11:30~14:00、18:00~22:00(日曜:11:30~14:00のみ)
店 休 日:月曜
サ イ ト:なし

2013年2月8日金曜日

熊本市中央区・心生 麺商人・麺商人らーめん

心生 麺商人・麺商人らーめん = 心生 麺商人 =

 「麺商人らーめん」 600円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★★

 『王ちゃん亭』を後にして、本来の目的地『麺商人』へ向かいます。2009年11月末オープンのこのお店、地図検索でヒットしてリサーチするほどに気になりはじめたので、県庁に私用があったついでに歩いて遠征することにし、競輪場近くの道を水前寺公園を目指して歩きはじめます。

 熊本を初めて訪れた半世紀近く前に足を運んだ記憶がまだ鮮明に残る、水前寺公園入口前の土産物店街を横目に見ながら南下して電車通りを横切り、江津湖への道を300メートルほど進むと、交差点に面したビル1階に焼き鳥居酒屋があり、『ラーメン』と染め抜かれた幟も見えてきました。

心生 麺商人・外観 ありゃ?もしかして、焼き鳥屋がやってるラーメン??しかも屋号が違ってる?と思ったものの、『葦善』のごとく居酒屋風ラーメン店もあったりするのでそのまま幟目指して歩くと、焼き鳥屋が入るビル1階のそのあたりだけ、たたきのコンクリートの色がまだ新しく別のお店らしいのでそのまま行くと、一見して洋食系のようなお洒落な外装のお店がありました。屋号が書かれた看板が見当たらない(実は、とても小さな看板があったことが写真から判明)ものの、ラーメンの写真が表に1枚貼り出され、「ガンガン商い中」と書かれた木製の看板も表の壁に立てかけられていたので、目的地に間違いなさそうです。

心生 麺商人・店内『心生』の文字 入った店内も実にクールでお洒落。厨房に向き合うカウンター席の一番奥に先客一人でしたが、私もカウンターの反対端に陣取ることにして、店内をあちこち観察。奥の壁には大きな書が掲げられています。『ん生』とか『人生』とか読めるような毛筆の崩し文字ですが、お店のブログによるとその文字は『心生』(^^;。そういえば屋号通称は『麺商人(めんしょうにん)』ながら、正式には『心生 麺商人』。この『心生』には由来があるそうで、お店のブログ『熊本ラーメン~麺商人~のヨメ日記♪』から引用します。

《以下2013年1月7日の記事から引用:改行位置は変更》 『心』という字を、デザイナーの方が“昇り龍”に見立てて飾り文字にしてくださいました(中略)店長がまだ独身の頃に、とある方から頂いた御言葉でいつも店長の念頭においている言葉だそうです。“一杯のラーメンに、心で生きる『魂』を込めて…”この言葉は、そんな一杯のラーメンに対する店長の想いが込められたものなんですね~ と同時に、自分の手で造るラーメンを食べてくださる全てのお客様への想い、“お客様との約束”であると考えているそうなんです~《引用終わり》

心生 麺商人・麺メニュー 閑話休題。麺メニューはシンプルに4種類だけ。基本メニューの『麺商人らーめん』のほか、『赤にんにくらーめん』『和風とんこつらーめん』昨年11月末からの新作『ネギちゃーしゅーめん』です。メニューには『(2012年)10月をもって終了致しました』と上貼りされた『こがし黒マー油らーめん』が残っていましたので、メニュー変更があるようです。他に餃子のメニューも置かれていました。

心生 麺商人・イラストつき貼紙 換気扇の音で声が聞き取りにくい旨、かわいいイラストつきの貼紙があったので、大きめの声で『麺商人らーめん』をオーダーすると、厨房の若い男性オーナーが元気にお返事してくれました。注文したのに返事がないとか聞き返されて言葉を繰り返すとか、ちょっとしたことでお客さんに不快な思いをさせないよう、あらかじめ注意を促してくれる配慮がとてもいいと思います。

 3分ほどで『麺商人らーめん』がやってきました。まずスープ。滑らかでコクがあり、コラーゲン感たっぷりでありつつ、後にベタつかないスッキリとした感じ、変な甘みの後引きもなくてこれはいいです!若いオーナーの店にありがちな強めの塩分で欠点を隠すようなことも全くなく、麺の風味を引き立てる完成度の高いスープは、文句なし★5つ。

 続いて麺。熊本のラーメンとは少しタイプが違って、かん水が多めなのか卵つなぎなのか黄色がかって少し縮れも入った中太麺は、硬めでしっかりとしたコシと食感も感じられて、おお~っ!一番好みのタイプではないですか(^O^)。やはりコシがヘタッた麺は苦手で、こういう麺を食したいと私は思っています。ちなみに、メニューに書かれた何かの文字には上貼りがされ『申し訳ございません。麺の茹で加減は受けておりません。』としっかり目立つように手書き文字が書き加えられていて、この硬めの麺はオーナーのポリシーなのでしょう。断固支持の★5つ。

心生 麺商人・店内カウンター席 トッピングは自家製らしいチャーシュー2片と1/8サイズ焼き海苔1枚、焦がしニンニクチップに、後は定番の刻みキクラゲに刻みネギで、ゆで卵はありません。チャーシューはバラ肉のようで脂身が多い部位ですが、そのトロトロ感が麺やスープとよく馴染んでいい感じです。量対価格比でやや物足りない感じがあるものの、チャーシューの質でカバーして標準の★3つです。

 全体としては、完成度が高い要素をバランスよくまとめ、個性を感じる麺もいい感じであること、細部まで行き届いたオーナーの目配りが醸し出すラーメン店離れした雰囲気や洗練されたセンスは抜群で、トータル★5つの満点です。『大将軍』といい、市内中心部から少し離れたところに、いい味があるものです。

 外壁に貼られている駐車場案内図によると、お店前の交差点を対角線に渡った角にある学習塾の東隣に5台停められるスペースがあるそうですが、徒歩での訪問ですから場所は確認していませんし、ストリートビューはまだ開店前の2008年の画像なので(2013年2月現在)、こちらでも確認できませんでした。

所在地住所:熊本市中央区出水3丁目4-18
電話 番号:096-364-6377
営業 時間:11:30~14:30、18:00~20:30
店 休 日:不定休(休む場合は日・祝が基本)
サ イ ト:http://ameblo.jp/miyuco-house/ (オーナー奥様のブログ『熊本ラーメン~麺商人~のヨメ日記♪』:営業案内を頻繁に掲載)オーナーもブログをお持ちですが、お店の情報はあまり掲載されずプライベート仕様のようです。

熊本市中央区・王ちゃん亭・ラーメン

王ちゃん亭・ラーメン = 王ちゃん亭 =

 「ラーメン」 530円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★☆☆

 私用があって昼ごろ県庁まで足を運んだあと、県庁敷地西側の門から県道へ出て水前寺公園方面へ向かおうとすると、角に中華料理のお店がありました。その店先に『味自慢 ラーメン』と染め抜かれた幟が立っているので、中華そば系のラーメンと思ったものの気になって店内を覗くと県庁職員の皆さんの昼食タイムなのでしょう、満席状態。スルーして南へ向けて歩き始めましたが、滅多に足を運ぶ機会がないこのあたり、せっかくだから相席でもいいから入ってみようと50mほど行ったところで引き返して店内へ。

王ちゃん亭・外観 店内は作業服の皆さんで奥の座卓席までビッシリ、料理待ち状態のお客さんも多くかなり待つことになりそうなので、あきらめようと入り口の方に引き返すと、壁際の小さな2人掛けテーブルの一方が空いていて、女将さんは「そちらへどうぞ~」と案内してくれました。

王ちゃん亭・店内 せっかく案内していただいて、対面の先客さんはもうすぐ食べ終わりそうな状況だったので、そちらへ着席。厨房ではオーナーが猛烈な勢いで調理中、女将さんも小走りで配膳や片付け、盛り付けなどをこなし、どうやら平日お昼時の一番忙しい時間帯に訪れたようです。引き返したあたりには熊本市の水道局があったので、作業服の皆さんはどうやらそちらの職員の皆さんなのでしょう。常連さんも多いようで、女将さんと親しそうに言葉を交わしています。

王ちゃん亭・日替わりメニューが書かれた黒板 ともかく『ラーメン』を注文して待ちますが、皆さんオトクな日替わりメニューを注文しているようで、本日の『カラアゲ定食』が次々に運ばれてゆきます。昼休み時間のうちに食事を済ませなくてはならないお客さんがほとんどでしょうから、とにかくスピーディ。こちらは時間に余裕があるので、後回しでもいいやと思いながら待っていると、意外に早くラーメンが登場し、しかも中華そばではなく豚骨ラーメンらしき白濁したスープにちゃんとマー油も浮いていました。

 最初に麺を掬い上げてみると、やや細めでゆで方は少し柔らかめですが、熊本ラーメンのそれでした。スープとの相性もまずまずで、ラーメンを中心メニューに据えている食堂系のお店のものと比べても遜色ありません。麺は標準的なところでしょうか、★3つ。スープはまろやかでおとなしい感じがします。塩加減はほどよいところ。少し甘い感じがまとわりつく感じがあるのですが、いつまでも消えないというものではないので、まろやかさの方を評価して★3つ。

王ちゃん亭・店内壁のメニュー トッピングはゆで卵半分に、やや小ぶりのチャーシューが1枚に刻みキクラゲと刻みネギ。このラーメン、お値段は530円と比較的安いので、価格相応といえるのかもしれませんが、トッピングの量は少々物足りず寂しい気がします。チャーシューもごく普通の味と食感でした。全体として、お手ごろ感はあるものの、少々こじんまりとして物足りなさが残る一杯ですが、中華料理中心のお店でも熊本ラーメン系の豚骨ベース味にお目にかかれるのはありがたく、バランスもとれているので総合は★3つです。

 『王ちゃん亭』は、働く皆さん御用達のアットホームで活気のあるお店の雰囲気がとてもよく、初めて足を運んだ私にも実に愛想よくお話をしていただけただけでなく、お店を出る際にも気持ちのいい「ありがとうございました」の声を何度もかけてくれました。常連さんが多いのも頷けます。屋号はオーナーのお名前に由来するそうで、もちろん徳王のTKU入り口にある『王ちゃんラーメン』とは無関係です。

王ちゃん亭・くまモン型のカード 営業時間と定休日を尋ねたところ、くまモン型のカードを手渡してくれたので、そこに書いてあるのだろうと思って安心し、うかつにも裏面を確認せずに帰宅したところ、屋号と住所は書いてあるものの、定休日と営業時間は書かれていませんでした。ランチタイムは、黒板の日替わりメニューに書き添えてあった11時から14時かもしれませんが、夜の営業時間は不明です。また、主なお客さんは県庁と水道局ということで、日曜と祝日はお休みかな??と思うものの、不明です。

所在地住所:熊本市中央区水前寺6丁目2-19
電話 番号:096-381-2489
営業 時間:不明
店 休 日:不明
サ イ ト:なし