2016年2月2日火曜日

合志市・でんすけ・豚骨ラーメン

こうしし でんすけ とんこつラーメン= でんすけ =

 「豚骨ラーメン」
  600円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★☆☆

 合志市の須屋で国道387号線から分岐して旧・七城町(現・菊池市)方面へ続く県道、通称「七城線」沿いに、昨夏に四角い箱のような建物が建ち、何かの店ができるんだろうと思っていたところ、秋になってもそろそろ冬を迎える頃になっても、一向に看板が出ないのでどうなっているんだろうと思っていたところ、昨年12月、ついに『ラーメン でんすけ』という看板と、1月2日オープンの予告が出ました。

でんすけ おみせのがいかん 正月2日に開店とは、また大胆な・・と思っていたところ、いつの間にやら1月17日オープンと予告看板が衣替えをしていたのですが、ラーメン屋の新規開店と知ったからには、どうしても一度は足を運ばねば・・ということで、いよいよ訪問を果たしました。平日12時を少し過ぎた時間帯なので、混雑しているのか気にしながらの訪問でしたが、案の定、駐車場にはかなりの台数の車。

 しかし、このお店の隣にはハンバーグ系のレストランが昨年春にオープンし、こちらはいつも繁盛しているため、共同利用らしき駐車場が混雑していただけで、隣のお店は玄関のベンチで待つ人の姿が見えたのに対して、広めの『でんすけ』の店内に客の姿はまばらでした。お店の内部は玄関を入った正面にガラス張りの厨房があり、厨房と向かい合わせで玄関に背を向ける感じのカウンター席が並び、左右のウィングにテーブル席がある構造になっています。

でんすけ てんないの ちゅうぼうがわ カウンター席横の厨房との出入り口付近にいたスタッフと目が合ったのですが、特にどこの席へと案内する風ではないので、「どこでもいいんですか」と訪ねると、「どうぞ」とのこと。開店からまだ半月、どこかまだ不慣れな感じがしました。テーブル席には、真ん中の衝立で対面した客が見えない構造のものがあり、知らずにファミリーで利用すると少々戸惑うかもしれません。

 さて、テーブルについても、一向に注文を取りにも来ない水も出てこない、もしやスタッフに見落とされてしまってたか・・と、厨房の方に様子を窺いに行っても、厨房のスタッフは全く気づかず。で、よく見れば、居酒屋チェーンにあるような店員呼び出しボタンが、それぞれのテーブルにあるのでした。だったら「ご注文がお決まりの方は、このボタンを押すとスタッフが伺います」くらいの表示はしておいて欲しいもの。でも、普通はすぐ、人数分の水くらい運んで来るでしょ??

 ボタンを押しました。凄まじい呼び出し音が店内の響いてギョッとしましたが、これくらい大きな音なら聞き漏らす心配はないのでしょう。スタッフに注文を伝えて待ちますが、相変わらず水は出てきません。他の客に目をやるとグラスは置いてあるし、テーブル上に水差しも置かれているので、いつまでも「水なし」のはずはないのですが、注文を聞きに来たスタッフは、グラスなし状態にあることが全く把握できなかった、ということなのでしょう。

でんすけ てんないの まどがわ 注文はオーソドックスな『豚骨ラーメン』で、運ばれてくるまでの時間は短めでしたが、案の定、グラスはなかったので「グラス、ないんですけど」と伝えると、「あ」と言いながら厨房の方に戻り、タイミングよくその時隣のテーブルにグループが来店したので、私の分も含めて一度に5つのグラスをトレイに乗せたスタッフ一人が戻ってきました。『ほら、やっぱり忘れてた!』

 さて、『豚骨ラーメン』の盛り付けは、かなり深めの丼の半ばから少し上あたりのところまで。盛り付け方の見た目の印象って美味しさの重要な要素だと思いますが、ラーメンがこの大きさの器にこの量だと少々貧相な印象を与えそうです。スープの量をあと少し減らして麺がもう少し表面に露出した方が、おいしそうに見えそうな気がしました。

 トッピングは、載せかたが不規則な薄めのチャーシュー3枚に、まばらなキクラゲ。縁に立っているはずの焼き海苔は丼の中の、しかも手前側にあって倒れてよく見えず、これではせっかくの海苔が泣くというものです。海苔を立てる位置すら、まだスタッフで標準化・共有化できておらず、トッピングの仕方だけで、おいしくなさそうに見えてしまいます。

でんすけ えいぎょうの りねんをかいた がく 麺は熊本のラーメンとしては細めで、むしろ博多ラーメンに近いもの。さりとて替玉はできず(メニューには載っていませんでした)、玄関には、熊本ラーメンを称えた営業理念のような情緒的な言葉が並ぶ大きな額が掲げられていたので、熊本ラーメンに属するのでしょう。それなりにコシはしっかりとしているようなので、茹で方の指定ができれば、さらにありがたいなと思います。麺はなかなかのデキで★4つとしました。

 変わった趣向は、二種類の味変アイテムがスプーン付きで、小皿に載ってついてくることでしょう。一つは辛味噌、もう一つは焦がしニンニクのマー油味噌。もともとのスープもやや味噌っぽい色があるので、よく合います。最初運ばれた際のスープは、どこかインスタントラーメン的な麦臭さが伴っていたのですが、マー油系味噌を溶いたところ定番・熊本ラーメンの香りになりました。

 スープは最近の傾向からすれば、むしろあっさり豚骨系のようで、それほどクセがなくまろやかな感じがします。反面、どこか一押しが足りないようにも感じました。調味料系の味はかなり少なめで、豚骨スープで正面から勝負しようという意気込みは感じられました。全体としてはまだ荒削りな未完成の一品で、これからスタッフも厨房も手馴れて、味も印象もどこまで変わってゆけるのか、楽しみなラーメンなのかもしれません。

でんすけ かべにはりだされたメニュー すいせんしゃ やくしょくめいいり 余計なお世話で一言付け加えると、屋号もお店の外観もいかにも居酒屋っぽい感じで、何だか間違えられそうな気がします。屋号は、別の感覚で選べなかったのかなぁ・・。ちなみに隣のハンバーグ系のお店は、親会社名そのままの読み方の『華乃屋』(かのや)ですが、こちらのラーメン店も同じ『かのや』という肉屋さんが経営しているお店のようで、壁に貼り出された写真入りメニューには、実名?と役職名付きで、オーナー会社の人物らしい方のお薦めの品であることが書かれていました(シャレだとは思いますが)。

 なお、所在地の番地がいろいろなネット情報に「5620-5」と掲載されているのですが、メニューの末尾に下記の住所番地が印字されていたので、こちらの「5620-3」が正解と思っています。お尋ねしたところ、定休日はまだ決まっていない、2016年2月中は休まず営業する予定、とのことでした。

所在地住所:合志市野々島5620-3
電話 番号:096-242-2400
営業 時間:11:00~24:00
店 休 日:未定
サ イ ト:なし