2014年10月15日水曜日

【閉店】 熊本市中央区・麺屋新屋敷・とんこつ麺

= 2014/10/15 注記 =

麺屋新屋敷・閉店の貼紙 今朝、店の前を一週間ぶりに通ると、平成26年10月10日の日付で「諸般の事情により、閉店・・」という張り紙が、ガラスに貼り出されていました。
移転ではなく、閉店した模様です。

= 2014/10/7 注記 =

麺屋新屋敷・閉店後の様子 平成26年9月29日付で、「お客様各位 都合により本日から一週間位お休みさせていただきます・・」と貼紙が出されていましたが、10月6日に店先を通りかかったところ、この貼紙だけを残し、すべてポスターと貼紙がなくなり、店内の券売機は開けられまま。お店の入口ドアには、電気・水道の新入居者向け手続き書類が入った袋が下げられていました。


訪店レポート:2013年8月27日 12:53

麺屋新屋敷・とんこつ麺 = 麺屋新屋敷 =

 とんこつ麺 590円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★☆☆☆☆(減点★1)

 最近、朝は毎日のように歩くことが多くなった、子飼橋から大江渡鹿への道沿いに『麺屋新屋敷』という看板を発見したのは8月の下旬に入ってから。ラーメン店が開店するに違いないので訪問の機会をうかがっていましたが、猛暑が和らいだ火曜日に市街地の中心部から新屋敷まで歩いて訪問すると、なんとまあ開店当日のオープニング直後。

麺屋新屋敷・外観 ドアを開けると、真新しい内装の店内は、カウンター6席と大人数用のテーブル1卓に普通のテーブルが2卓で、何となくスペースが多い感じながらも、すでに“わさもん”好きな熊本県民が多数来店中でした。入口を入ってすぐの券売機メニューを確認すると、どうやら最近はやりのつけ麺・まぜ麺をウリにして、豚骨ラーメンも一応あります、という感じのお店のようです。

 似たようなコンセプトの『魚雷』では、お昼時の早い時間帯にもかかわらず普通系のラーメンは軒並み「売り切れ」で、やむなく『まぜ麺』を食べたのですが、さすがに開店当日から品切れはないようで(^^;、『とんこつ麺』を購入。『替玉』の押しボタンもあったので購入しました。

麺屋新屋敷・店内カウンター テーブルは満席だったので、空いていたカウンターに座って店員さんに食券を渡すと、「とんこつ麺と、替え玉です。」と厨房に伝えたので(替玉の食券を先に渡したワタシが悪いのですが(^^;)、慌てて「替玉はあとでいいですから」と伝えると、店員さんは何だか戸惑った表情でしたが、厨房から「タイミングを見て、お出ししますから」との返事があって、一安心。

 さてさて、開店当日の混雑に加えてオーナーらしき男性を含む4人のスタッフがまだ不慣れということもあり、何となく厨房はバタバタとした感じで作業が進まない(^^;。まあ開店当日ですから、これから改善されてゆくのだろうと思いつつも、年配のオジさんスタッフが額に玉のような汗をかき、その汗がアゴからポタポタ滴り落ちているのが見えてしまうと、内心穏やかではいられません。しかもその汗をふき取ろうともせず、チャーシューを切ったり丼のスープを調味したり・・・あ、汗が丼の中に落ちたのでは?と思うようなシーンも。

麺屋新屋敷・メニュー たまらず、もう一人の男性スタッフに声をかけ、「オーナーはどなたですか」と尋ねると自分だと答えたので、「汗を拭くように言ってください、たれた汗が丼に入りそうで気になってしょうがない。」と伝えました。オーナーは何やら一言注意したものの、だからといって、汗タラタラの人物が並べた丼を点検するわけでもなくオーナーが「すみません」の一言だけで、本人は知らん顔。

 開店日の目が回るような忙しさの中で、とてもそこまで気が回らないのかもしれませんが、飲食業の従業員たるもの衛生管理には細心の注意を払ってほしいもの。客の目の前で調理しているわけで、些細なことでもお店のイメージに直ちにかかわるのですから。

麺屋新屋敷・壁の写真入りメニュー 不慣れゆえの手際と段取りの悪さに加えて、大テーブルの団体客が次から次に追加注文をするので、注文からとんこつ麺ができあがるまで15分ほど経過。その『とんこつ麺』のスープには、最初から紅ショウガが散らばってます。トッピングの見栄えも大切な要素のはずですが、刻みネギの散らし方といい、不慣れゆえに素人そのもの。汗の件も含めて総合★1つ減点。

 ともあれ食べるしかないので、汗が入ってるかもしれない(-_-)と思いながらスープを一口。かなり濃厚な感じで塩分はほどほど。後に残る感じが少しあるものの、そこそこの出来栄えで標準的なレベルにはあるようです。熊本の豚骨麺に多いマー油を使わず、紅ショウガのトッピングに替玉ありなら、この『とんこつ麺』は博多ラーメン系なのでしょうか。麺も博多ラーメン的な細めのストレートにもかかわらず茹で加減は柔らかめで、★2つ。

麺屋新屋敷・壁の写真入りメニュー チャーシューはトロトロ感も少し出ていい出来栄えだと思いますが、お値段ゆえか大きめながらも1枚だけ。少々物足りなさを感じたうえに、見栄えの問題と紅ショウガのデフォルト・トッピングはいけません。チャーシューに限ってはトッピング★4つレベルでもいいと思いますが、全体としては★3つ。

 開店当日で評価するのはどうかな・・と思いつつ、まだまだ改善の余地がある印象の『麺屋新屋敷』の未完成ラーメン、スタッフ教育も含め、今回は機械でいう「初期故障」だったと思いますので、安定した状態になった頃に再度訪店して、もう一度味わってみようかと思いました。

所在地住所:熊本市中央区新屋敷2丁目25-11
電話 番号:096-371-6618
営業 時間:11:00~15:00、17:00~スープ終了次第
店 休 日:開店直後のため不明
サ イ ト:なし

2014年9月27日土曜日

【閉店】 熊本市中央区・段平・らーめん

2016/10/30追記の追記:お店は別の屋号になり、ラーメン店ではなくなっていますので、「閉店」扱いとしました。

2016/6/12追記:最近、お店の前を通ってもいつも営業していないので閉店したのかもしれません。あるいは熊本地震の影響で休業中なのかも。

段平・らーめん = 段平 =

 「らーめん」
  750円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 毎日の通勤は、黒髪から薬園町・子飼本町の裏通りを歩き、子飼橋へ抜けるのですが、悪天候の日はバスに乗ることにしています。ずっと天候不順だった今年8月のある日、雨にぬれたバスの窓から『薬園町・黒髪小学校入口』バス停のすぐ近くに、新しいラーメン店が開店しているのを発見。機会を見つけて訪問しなくては・・・と思いながらなかなか訪問がかなわず、9月も押し迫った土曜の昼下がり、近所の歯医者へ行った帰りにようやく立ち寄ることができました。

段平・お店の外観 訪れてみると、以前ここには別の飲食店があったような気がするスポット。清水バイパスが開通するまではメインストリートだった旧い道沿いには、古くからの和菓子屋、肉屋、畳屋、骨董品屋に、板ガラス&お茶が商品という異色のお店などが並ぶ一方で、ドラッグストアやコンビニエンスストア、ファミリーレストランも並んでいます。

 お店の軒先には「ニンニク入れますか?」と、変わったフレーズの看板が下がり、その下には日よけ暖簾が広がっていました。土曜で人も車も少ないバス通りは静かで、「やってます」と大書された木の看板が掛かったドアも、どこかひっそりとした雰囲気ですが、ドアを押すと若い店員さんかオーナーか、元気な声が「いらっしゃい!」と出迎えてくれました。

 中は、窓際から壁際そして厨房に面してコの字型に並ぶカウンター席のみ約10席という、小さなお店ですが、お昼時の先客が3人。厨房に面したカウンター席に座ろうと荷物を降ろすと、「食券、買っていただくようになってます。」と厨房から声がかかりました。振り向くとドアのすぐ右側に券売機が鎮座。うっかり見落としていました。

段平・食券の券売機 券売機ボタンは最上段に『らーめん』『つけ麺』『油そば』『味噌らーめん』の4種類。その下にはオプションのトッピングが並んでいるのですが、無料トッピングとして「にんにく」「野菜」「ねぎ」「アブラ」。それから「カラメ」というのがあって、トッピングの野菜に醤油タレをかけることもできるそうな。ちなみに野菜とは『もやしベースのキャベツ入り』だそうで、もともとトッピングされているところ、無料トッピングを依頼すると倍量になるのだそうです。野菜高騰の折にこれはありがたいので、注文は『らーめん』に野菜とニンニクのトッピングで。

 しばらくすると、厨房にいる二人と知り合いらしい若い男性が来店し、厨房側のカウンター正面に座って店員さんといろいろな話が始まりました。地獄耳(というほどでなくとも、1メートル横で話す会話が静かな店内に響けば、間違いなく耳に入る)をそばだてるともなく聞こえたお話では、ここは以前、焼きそばとお好み焼きのお店だったらしく、「かなり手を入れた」とはオーナーらしい男性の自負の声。一週間ほど前にあった熊本の秋の風物詩、藤崎八旙宮の例大祭で馬追いのグループ(主に高校同窓会組織が中心)にも参加したらしく、しばしその話題で盛り上がっていました。

段平・無料トッピングの説明 その時ふと目を向けた厨房の壁には、三川屋製麺という製麺所に注文するための電話番号が貼られていたのですが、市外局番が“042”。『えっ?』これって東京都内(23区外)じゃないですか??そんなところから麺を仕入れているのか・・・と驚きつつも、まあこの時代だからそんなものかと思いつつ、新たな熊本ラーメンとの遭遇ではないことに、いささか落胆したのでした。つけ麺流行りの昨今なので、『魚雷』とか『おんのじ』と似て現代風のラーメンが登場しそうかな・・・と気持ちを切り替えました。

 そのうち厨房では、スープを網で漉すのはいいとして、なにやらその網で裏ごしするように、何かをグイグイとおたまで押し付けているではありませんか。細かくなって網目を通過できる柔らかいもの・・・といえば、豚の脂かな??隠し味的何かがここでスープと調合されているようでした。

 そして大量のモヤシが茹でられ、トッピングされた『らーめん』はステンレスの盆に載って運ばれてきました。まずは倍量になった「もやしベースのキャベツ入り」の野菜の山盛りは圧巻。麺が全く見えません。キャベツ入りといっても夏の天候不順で価格が高騰し、1玉300円近いキャベツは、さすがに“散見”程度。もう少し入ってるのを期待したので、実質、もやしラーメンです。

段平・窓際のカウンター席 チャーシューは普通のお店の3倍厚くらいに切られたものが1片。チャーシューと呼ぶよりも煮豚という感じでしょうか。箸で簡単に崩れるところまでしっかり煮込まれているのは、ロース肉でしょうか。沖縄そばの定番トッピング、Bロースをどこか連想させてくれます。

 さて、スープをまず一口。お知り合いのお客さんとの会話では「トンコツに、醤油を効かせてる」と話していたオーナーの言どおり、トンコツに醤油ベースの味付けは少々塩分濃いめの傾向でしたが、茹でモヤシに絡んで適度な味になりました。スープそのものはなかなかのまろやかさも感じられますが、もう少し味に深みが欲しい、すなわち塩分薄めでも満足できるカラーが欲しいと思いました。★4つ。背脂らしき粒子が浮かんでいたので、裏ごしは、これだったのかもしれません。

 ところで麺はどこに・・・(^^;・・モヤシの山をかき分けて発掘しても、その下にもモヤシの層があり、なかなか麺の層には到達できません。しょうがない、まずモヤシだけ1/3ほど食べてから、やっと箸を深く入れた下から麺が登場しました。で、この麺です。ストレート系でやや褐色ががったと言ってもいいほど濃い色をした超太麺は、チャンポンの麺を凌駕するほど。

段平・厨房側カウンター席 ようやく口に数本を運ぶとモチモチとした食感はたまりません。極上。強靭なコシの強さがあって粉っぽさもモソモソ感もなく、普通の熊本ラーメンの麺とも『桂花』の太い麺とも異なるもの。パスタ的な感じすらしました。ラーメンの麺としてはどうよ?感はあるのかもしれませんが、このタイプが大好きな私としては満点★5つ。

 課題はトッピング。キャベツ少なめなのは、現時点の野菜価格状況ではやむを得ないと思いますが、もう少し色気があってもいいような気がします。チャーシューというか煮豚は、見た目のボリューム感があるもののロース的パサパサ感がつきまとい、強烈な麺の存在感ゆえ一緒に口に投じると実に影が薄く、ただの添え物になっている気がしました。トッピングは★3つ。

 トッピング増量をしないままで750円という価格は、やや高め感があるものの、麺のハイレベルな一撃には参りました。麺に免じてトータルは★4つ。

所在地住所:熊本市中央区黒髪1丁目8-47 エクセレント・クロカミ1F
電話 番号:096-344-3801
営業 時間:11:30~15:00、18:00~22:00
店 休 日:無休?
サ イ ト:なし

2014年6月7日土曜日

熊本市中央区・黒味拉麺・黒味ラーメン

 = 黒味拉麺 =

 「黒味ラーメン」
  680円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 夜の繁華街銀座通りの一角に、ラーメン店らしき看板があるのを発見したのは比較的最近のこと。見かけたのは、北区徳王にある『王ちゃんラーメン』と同名の看板・・と思っていたら、ごく短期間に『黒味拉麺』に変わっていました。

 徳王のご本家からクレームがついたのか、お客さんから「屋号カブッてるけど大丈夫?」と指摘があったのか、お店の扉のガラスに貼られた『豚骨』のステッカーにはまだ「OHCHAN」の文字が入っていたので、屋号を急遽変えたのでしょう。いずれにしても新しいラーメン店であることに変わりなく、しかも昼営業もやっているので訪問してみたくなって足を運びました。

 下通りの西側、居酒屋やスナックばかりが並ぶ歓楽街周辺には、新旧のラーメン店がひしめいていますが、南東側は“特殊浴場”街になっているせいか、『龍の家』『一蘭』『肥後 大勝軒』『大金豚』などが、周縁部にかろうじて点在するエリアです。その場所を選んであえて出店した『黒味拉麺』は、雑居ビル1階エントランスホールの一部を囲って店舗にした感じで、ガラス引き戸で仕切られてはいますが、入店は銀座通り歩道側の入口と表示された引き戸から。

 戸を開けると先客は一人だけ。カウンター内側の店員さんと目が合い、元気な声のお出迎えを耳にしながら、すぐ左の壁際にある券売機に気づいてメニュー選び。歩道には「豚骨ラーメン480円」と書かれた看板が立ち、これは安くていいなと思っていたところで、券売機一番左上(視線が行きやすい!)のボタンには『黒味ラーメン 680円』がセットされ、屋号と同名の看板メニューらしき雰囲気だったので、つい、釣られてしまいました(^^;

 膨らんだ小銭入れに680円があるか確かめると、なんと678円。一枚あった5円玉が10円玉なら足りたんだけどなぁ。消費税upのトバッチリで増えた1円・5円玉を恨んでも仕方なし。千円札投入のお釣りで小銭がさらに増えて・・・・と、チケット購入に手間取っていたら、カウンター内で店員さんがチケットを待ち構えていました(^^;

 さて、釣られた後で写真入りメニューポスターを見ると、『黒味ラーメン』は豚骨スープにイカ墨がブレンドされているらしく、変わりメニューに手を出したか(><)・・・と思ったものの、イカ墨パスタを思い出して気を取り直し。注文直後に先客は立ち去ったので店内に客は一人だけになりました。それにしても調理は速い!!那覇市新都心の『けんぱーのすば家』(沖縄そば店)を髣髴させる約1分半の早業で「はい、どうぞ。」

 『呑龍』さん、ここまで速くとは言わないけど、やっぱり麺類はスピード感が大事ですよぉ。

 「黒味ラーメン」のスープはさすがに黒っぽい・・と思ったら、表面に浮かぶマー油の黒褐色で、赤だし味噌汁のよう。しかしトッピングとマー油の下から麺に絡まって姿を現すスープは、黒灰色と言った方がいいのかもしれません。一口すすってみると心配したイカ臭さはなくむしろ上品でまろやかな味わい。塩分は濃い目に走るのではなくむしろ控えめな感じで、これはいい!人工的な感じや食後に口に粘りつく感じもしない、とてもいいスープには大満足の★5つ。

 これなら!と麺を口に運んでみると、ストレートでやや細めの熊本麺はほどよいコシがあって生っぽさはなく、とてもいい感じ。もう少し太めならベストなのですが、★5つに近い4つ。トッピングはチャーシュー2枚に半熟卵1/2、1/8サイズの焼き海苔1枚、刻みキクラゲに刻み細ネギ。チャーシューはスープや麺とよく調和する味付けで、このお値段としてはトッピングの充実感があり★5つの満点にしました。変わりメニューですが、総合も満点の★5つ。

 新しいお店ながら、熊本ラーメンの王道をゆきつつ特徴を出そうという意気込みを感じることができるお店です。

 調理が済んでカウンター向こうにいた店員さんに声をかけて尋ねてみました。「ここのラーメンは、熊本の麺より少し細いけど、長浜や久留米系なんですか?」すると、麺は熊本のもので、熊本の製麺所でも最近は細めにも作ってくれる、との話が返ってきてから話が弾みました。そして店員さんと思った男性、実は店長さんだったのでした。

 お客さんと話すのが大好きとのことですっかり意気投合してから、店のロケーションについて尋ねると、正直なところ厳しいとのこと。歩く人の通りが少ないエリアで、お店の存在がなかなか知られないのが悩みの種だとか。熊本ラーメンを食べ歩いていることを伝えると、「どこの店が一番おいしかったですか」と逆質問。『大将軍』のチャーシューは絶品だと答えると、店長さんの表情には確かに同意のサインが。

 さらに、熊本ラーメンとしてはトラディショナルな『こむらさき』も好みだと伝えると、店長俄然張り切って「上通りじゃなくて、並木坂の方ですね?」と畳み掛けるので、そうだと返答すると明かしてくれたのは、ラーメン店で仕事がしたくて『こむらさき』本店(並木坂の店)で長く働いたものの、事情あって一度はラーメン界(?)から離れたという話でした。

 しかし夢捨てがたくラーメン界に戻り、仕事を探してここの店長に起用されたそうな。現在は、別にいるオーナーから「この店を譲ってもいい」と言われながらも、安直な道は選ばす、数年後に自力で自分の店を出すことを目標にしているのだそうです。他にもいろいろな話で思いがけず20分ほど話が続き、店長の意気込みと夢でさらにおいしさは倍加。何だか気持ちまで暖かくなってお店を後にしました。

 店長の夢が実現するといいなぁ。

所在地住所:熊本市中央区下通1丁目10-37 ギンザプラザ5ビル1F
電話 番号:080-4695-9580
営業 時間:月~木・日・祝11:00~翌 5:00、金・土・祝前日:11:00~翌 6:00
店 休 日:無休
サ イ ト:なし

2014年4月29日火曜日

熊本市中央区・伝・伝

伝・伝 = 伝 =

 「伝」 700円

 価格の満足度:★★★☆☆
 (キャンペーン大盛は除く)
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 以前『味千拉麺・銀座通店』があった場所に、“熊本伝統豚骨”を掲げて2014年3月28日にオープンしたお店です。最近の熊本のラーメン界には、県外大手や非豚骨系の出店が増えただけでなく、つけ麺・まぜ麺など濃い味の店に勢いがあり、伝統的な熊本ラーメンでの新規店舗の発見は『白川』以来ということもあり、非常に気になる存在のお店だったので、さっそく訪れることにしました。

伝・外観 斜め向かいの『黄金ラーメン』をはじめ、近隣には何軒ものラーメン店があるのでサバイバルには大変な苦労がありそうなロケーション、さすがの味千も撤退した跡に新規開店とは、かなり自信があるのだろうと思いながら、黒が基調の外装だった『味千拉麺』とは対照的な白くスッキリした外観に変わったお店に入りました。

伝・店内 “居抜き”と呼ばれるらしい、前業者が残した内装や設備をそのまま再利用した店舗ではなく、味千当時とはレイアウトを全く変えた店内は、4人がけテーブル2卓とカウンター8席という小さめのお店でした。お昼時でカウンターには空きが2席しかなかったのですが、テーブル1卓が丸ごと空席だったので、混雑した時に迷惑だろうなと思いつつ「こちらでもいいですか?」とスタッフに尋ねると「どうぞ」との返事だったので、テーブル席に着きました。

 さてメニュー・・・と探そうとしたところに「チケットを、先にそちらでお願いします。」の声。スタッフが手で示した先の入口横には、券売機が鎮座しているではありませんか。ドアを開けて入るとすぐ右にあったはずなのですが、全く目に入らずにいたのでした。改めて席を立ち店内の掲示を見ると、なかなか変わったネーミングのメニューが4つ並んでいます。それらは、「熊本ラーメン伝統の味『伝』」「熊本とんこつエビ風味『進』」「熊本完熟こってり『完』」「熊本マー油の進化系『薫』」というもの。

伝・メニュー どれにしようかな・・・・ラーメンにエビ・カニ・イカ系の生臭さはちょい勘弁ね・・・なので、まず『進』が予選落ち。続いて、『黄金ラーメン』のキャッチフレーズを意識した?マンゴーでもあるまいにの“完熟”『完』も外したところで、『伝』に決めました(・・・って、結局のところ一番安いやつです(^^;)。『伝』700円のボタンを押してチケットを購入したところでテーフルに戻りスタッフに渡すと、開店直後キャンペーンで大盛り無料とのことだったので、大盛りにしてもらいました。

 ほどなく『伝』が登場。オーダーから3~4分という速さはうれしいです。まず、スープは確かに伝統的な白濁タイプにマー油。トッピングも丸く整形されたチャーシュー2片と刻みキクラゲ、刻み青ネギ。卵はありません。チャーシューの外観はどこか『大将軍』のものを連想させ、完成度も高いものでしたが、キャンペーンで大盛りになっていなければ、700円メニューのトッピングとしては量的に物足りない感じなので、具の満足度は標準★3つ。

伝・壁面のメニュー説明 スープは伝統と銘打つだけのことがあり、まろやかで味は濃すぎずドギツさもなく、まさに熊本ラーメンの王道をゆく素晴らしい深みのある味で、後に残る感じもほとんどありません。変わり味・濃い味・作為調味料の味とは縁が薄く、久々にホッとさせてくれるスープでした。これならスープは満点★5つで。

 続いて麺は中太麺ストレート系。注文時には茹で加減を尋ねてくれるので、もちろん「硬め」をお願いしました。シコシコ感のある食感は粘るモッチリ系とは違いますが、硬めといっても粉っぽさはなく芯があるのでもない、熊本麺としては標準以上のいい感じで★4つとしましたが、普通の茹で加減だったら★3つかも・・という感じでした。

 ここしばらく、新規訪問のお店ではおいしい熊本ラーメンに遭遇できなかっただけに、久しぶりに食べ終えた満足感がある一杯は、総合★4つです。お値段が少し高めの設定なのが惜しいと思います。

 ところで、訪問後に意外な事実が判明。撮影した画像を確認していると、屋号の『伝』というロゴの下に小さな文字で by AJISEN と書かれているではないですか!どうやら、味千ラーメンの新店舗ブランドらしいので、以前の『味千拉麺』は撤退したわけではなくリニューアルしたという方が適切なようです。確認してみると、電話番号は味千拉麺の時と変わっていませんでした。

所在地住所:熊本市中央区花畑町13-4
電話 番号:096-354-9822
営業 時間:11:30~翌 2:30、日曜:11:30~翌 0:30
店 休 日:無休
サ イ ト:なし(味千ラーメンのサイトに『伝』の情報なし)

2014年1月27日月曜日

熊本市南区・いっぷくラーメン・ラーメン

いっぷくラーメン・ラーメン = いっぷくラーメン =

 「ラーメン」 550円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★☆☆

 熊本市南部にもラーメン家が多いのですが、東パイパス沿いにあるこのお店、看板の「ラーメン」の文字が逆さまになっているので(お店のサイトに画像あり)、以前から気になっていたのですが、ちょうど熊本市南部まで出かける必要があったので、お昼時にあわせて立ち寄りました。

いっぷくラーメン・店内 店内に入ると壁に貼られているポスターに『天草大王塩ラーメン』・・って、あれ?最近どこかで見かけたような・・?思い出せないまま、メニューに並ぶ多種多様なメニューからシンプルイズベスト、と「ラーメン」を選びました。凝ったメニューや奇をてらったメニューはベースのスープの味がよくわからないことがあるので、お店の力量や味を知るには普通のラーメンが一番です。ただしメニューには副題?として『進化系!濃厚熊本ラーメン!』と記されているので、果たしてどんなスープをまとって登場するのでしょうか。

いっぷくラーメン・壁面のサイン入り色紙 厨房との境にあるカウンター上の壁には夥しい数のサイン入り色紙が貼り出され、地元民放のTV番組で取材に訪れた人々が残していったものが多いようですが、日付を見ると9年前に取材日が集中していました。当時はきっと行列ができていたことでしょう。古いものは1993年の日付になっていたので、根強いファンに支えられ続けているお店のようです。

いっぷくラーメン・こだわりシート テーブル上には「いっぷくラーメンのこだわり」と銘打たれたリーフレットが載っていました。スープ、麺、サイドメニューの餃子と焼き飯は、餃子の皮に至るまですべて自家製だそうで、これは期待できそうです。スープは豚骨100%の豚骨ベースと、熊本県のブランド鶏『天草大王』の鶏ガラ100%のスープがあるそうな。どうやら、進化系濃厚のスープとは豚の大腿骨と頭骨だけを使い、最近トレンドの背油は使わない独自の製法ということのようです。

 注文から5分ほどで進化系濃厚スープの「ラーメン」が運ばれてきました。まず麺は中太のストレート系。スープは淡褐色でギラギラ脂が浮くような感じではなく、むしろあっさりとした外観です。トッピングは大きめのチャーシュー1枚に、半熟卵1/2と刻みネギ、メンマと1/8サイズの焼き海苔1枚に、黒いマー油。

いっぷくラーメン・メニュー 恒例により一口めはスープから。外観から連想したようにコクがありつつコテコテした感じではなく、むしろあっさりした感じにさえ感じられますが、何か物足りなさを感じてしまったのでした。そういえば、熊本交通センター近くの『酔虎』でオーナーから聞いた話では、開店直後はどうしてもスープがあっさりしていて、こってり系が好みなら夜遅くに食べた方がいいということでしたっけ。こだわりのスープながらも個性を発揮しきれていない感じで、スープは標準レベルの★3つです。

いっぷくラーメン・外観 麺はどうやら中太麺。固めでオーダーしたので食感は悪くありません。リーフレットには、中太麺、縮れ麺、太麺の3種類の麺があると書かれていますが、注文時は茹で加減を聞かれただけで麺の選択は何も尋ねられず、メニューの「お客様のお好みをお選びください」欄にも、麺の選択ができるとは書かれていません。つまり、注文したメニューによって麺が決まるようです。選べるものなら絶対に太麺で食るのですが、中太麺の宿命か少々パサつく感じがありもう少し粘り感が欲しいところです。麺も★3つ。

 うれしかったのは、お値段が550円と手ごろであること、そしてそのお値段としてはトッピングが充実していることでしょう。チャーシューは柔らかくスープとの味のなじみもよく、なかなかいいできばえです。全体としては標準的な水準ながらもこのお値段でトッピングの充実ぶりは★4つでした。

 ところで、お店では思い出せなかった『天草大王塩ラーメン』の既視感ですが、帰宅して前のレポートを確認していたら、なんと3週間前に訪問したばかりの『マルイチ食堂』で、同じ名の一杯を食しているではないですか。サイトで確認すると、実に同じ系列のお店だったことが判明しました。

所在地住所:熊本市南区田井島221-1
電話 番号:096-378-7934
営業 時間:平日 11:00~16:00・18:00~21:30、土日祝 11:00~21:30
店 休 日:不定休
サ イ ト:http://www.ippuku-ramen.net

2014年1月6日月曜日

熊本市中央区・マルイチ食堂・天草大王塩ラーメン

マルイチ食堂・天草大王塩ラーメン = マルイチ食堂 =

 「天草大王塩ラーメン」 650円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度
   (太麺):★★★★★
  (中太麺):★★★★☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 熊本の中心繁華街で昼間営業しているラーメン店は、チェーン店を除けば食べ尽くしたと思っていたところ、え?こんなところにラーメン屋さんあったっけ??という場所に暖簾がかかっていました。ずいぶん以前に訪問した『にぼらや』から、たった20メートルほど西、同じ酒場通りには天草大王塩ラーメンという、何かこだわりを感じさせるネーミングのラーメンの看板が出ていました。

マルイチ食堂・外観 黄色い暖簾には『マルイチ食堂 塩ラーメン専門店』の文字。好みの豚骨系ラーメン店ではありません。コンソメ的な感じがつきまとう鶏臭さに引いてしまった、同じ鶏・塩味の『てしお』の記憶がよみがえって、暖簾をくぐるのは逡巡したものの、天草大王といえば熊本を代表するようになったブランド地鶏ですから“わさもん”の血が勝って意を決し、店内へ。

 周囲は夜の歓楽街、しかも平日のお昼少し前ということもあり、店内にまだお客さんの姿はありません。お店自体はこじんまりとしていて、カウンター7席と壁際の2人掛けテーブル2卓のみ。平日だけランチタイム営業をしているのは、歓楽街とはいえ少し歩けば市役所をはじめオフィス街もあるからでしょうか。

 カウンター席に座り、さてメニューは・・と探しはじめたところでメニューらしきものはなく、壁にもお品書きは見当たりません。唯一『社長室』と小さな札が掲げられたドアに、割引クーポン券の説明書きが貼り出されているだけ。もう一度カウンター上に目をやると、喫茶店のテーブルに置いてありそうな、透明プラスチック製の逆さT字型でお品書きを挟み込む、小さなメニュースタンドがありました。

マルイチ食堂・卓上のメニュー "LUNCH MENU" と書かれたそのメニューに、「天草大王塩ラーメン」と「替玉」としか書かれていないことに気づいたのとほぼ同タイミングで、厨房の若い女性店員さんが「麺は、太麺と中太麺のどちらにされますか?」と尋ねてきます。『ははあ、昼は一品だけでやっているってことね。』と納得して、細麺苦手にはうれしい太麺をオーダー。メニューには太麺180gと中太麺120gから選べると書かれています。すると続けて「ご飯はお付けしますか?」

 ああ、いまちょうどメニューの“そこ”読んでるところだぃ!と思ったのは「ラーメンをご注文の方はご飯サービス!!」という文字をまさに読んでいたから。二重の炭水化物はお断りしつつも、替玉があるなら太麺食後の替玉に中太麺も味わってみようかとモクロんだのでした。

 厨房のステンレス製什器に、マグネットで貼り付いている茹で時間タイマーが鳴りましたがオーナー静観。しばらく後にもう一度鳴ったところで、麺は湯から上げられました。なるほど、太麺。待ち時間の間に正午を過ぎて昼休みタイムに入ると、次々にお客さんがやってきて、数分の間にカウンター席は4名に。私もそうでしたが、来たお客さんすべてに「クーポン券お持ちですか?」と尋ねるところをみると、街頭で割引クーポン配っているか、タウン誌などに割引クーポンをつけているようです。

 私は持ち合わせていなかったので、尋ねられた際に「残念ながら・・」と切り出すと、店員さんキョトンとした表情。まあ、フツーに「ある」とか「ない」とか答えりゃいいものを・・・(^^;

マルイチ食堂・店内 “大王”様は、ほどなくカウンター越しに「熱いので、縁の方をお持ちください」とのご親切なアドバイスとともに、手渡されました。塩ラーメンらしい透明感のあるスープです。トッピングには薄めにスライスされたチャーシューが1片と半熟卵1/2、メンマと1/8サイズの焼き海苔1枚、刻みネギに、てっぺんには何やら橙色をした糸状のものが?サフランの雄しべを乾燥させた食材を思い出しました。

 一番の課題だった香りに鶏臭さはなく、焼き海苔のいい香りが最初に鼻をくすぐります。スッキリとした味わいで、イヤらしさは全くなく、杞憂でした。さすがは天草大王というべきか・・?贅沢いえば、スッキリさに加えてコクや力強さも感じられたらというところで★4つ。完成度からすればスープは★5つでもいいのかも。

 そして麺!たまご麺のようで黄色が濃くとても強いコシと粘りに弾力もあって、縮れが入って茹で加減はやや硬め寄りときたら、私の好みとしてはベストコンディション。文句なしの★5つ満点・・じゃ足りないくらい。

 この太麺は、最高にいいです。

 トッピングはチャーシューの薄さが気になります。麺を持ち上げるだけで形が崩れて断片になるので、せめて厚さ3ミリは欲しいです。トッピング全体では標準的な★3つですが。

 さて、それでもどうしようかと迷いつつ、替玉は中太麺で。皿に盛られて手渡されたものをスープに投入し、ほぐしてスープになじませてから味わいました。この中太麺が熊本のラーメンとしては標準的な太さになります。こちらはストレート系なのですが、太麺と同じくコシと弾力が感じられました。ただ、太麺を味わった後だけにどうしても粘り強さを比較してしまい、中太麺は★4つ。

 全体には、新ジャンルの熊本ラーメンとしてみれば大健闘。特にこの麺は素晴らしいものです。じゃあこれが豚骨に合うのかといえば、この塩の鶏ダシのスープだからこそ持ち味を発揮できる、といえるかもしれません。でも、食後にまだ豚骨系が食べたいなぁ・・・と思えてしまうので、総合で★4つ。恐るべし熊本豚骨。

所在地住所:熊本市中央区下通1丁目5-21 有楽丁ビル1F
電話 番号:096-355-1109
営業 時間:18:00~翌 3:00、平日のみ 11:30~15:00 もランチタイム営業
店 休 日:不定休
サ イ ト:なし