2013年12月23日月曜日

菊池郡菊陽町・モヒカンらーめん味壱家・モヒカンらーめん

モヒカンらーめん味壱家・モヒカンらーめん = モヒカンらーめん 味壱家 =

 「モヒカンらーめん」 600円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★☆☆

 初めての熊本市外の店の訪問です。・・・・といっても、ほとんどそんな認識はないまま、気がつけば熊本市を出てしまっている武蔵ヶ丘エリア、休日はいつも道路が大渋滞です。その原因は『光の森』。広島発祥の『ゆめタウン』が中核商業施設になっている光の森地区は、郊外に突如出現した新しい街ですが、その一角に11月22日にオープンしたのが、久留米からやってきた『モヒカンらーめん 味壱家』。お店のカードには「モヒカンらーめん」と記載されているので、屋号はその表記に従うことにします。

味壱家(モヒカン) 外観 お店は、「武蔵中央通り」を挟んで熊本北郵便局の向かいにありますが、実はこの場所には、少なくとも今年の春先までは『桂花ラーメン』が営業していました。閉店してしばらく時間が過ぎた先日、なにやら派手な看板のラーメン屋が開業していたのに気づき、訪問とあいなったわけです。

 訪れてみると、お店の構造も雰囲気もガラリと変わっていました。巨大で赤い看板にはなぜか「久留米試験場駅前」の文字。久留米ラーメン系のお店のようです。ちなみに、久留米試験場駅は西鉄大牟田線に実在する駅で、iPhoneのパチンコガンダム駅みたいな間違いではなさそうです(^^;

 店内入口に置かれた券売機はセットメニューが一番上の列に並び、押しボタンの大きさも変わらないので、つい押してしまいそうですが、じっくり選んで看板メニューらしき「モヒカンらーめん」にしました。それにしても、看板の派手さとネーミングには、オジさんはかなり引いてしまうのですが、そんな雰囲気にはお構いなく、元気一杯の店員さんたちの声が響き、券売機でチケット購入ボタンを押した瞬間、「麺の硬さはどうされますか?」ってフライング寸前。もろろん硬めでお願いしましたが。

 さらに「辛い薬味は載せますか」とたたみかけてくるので、「いらない。」 初めてのラーメンで本来の味がわからなくなってしまうので、お断りしました。(薬味が載せられて完結してこそ本来の味、という考え方もあるでしょうけど・・)

味壱家(モヒカン) 店内 店内には、カウンターに先客3名と、死角で見通せない奥のテーブル席に何名かいたようですが、すでにグラスが置かれていたカウンター席への先導・ご案内でした。眼前の厨房にはまさしく“モヒカン・カット”姿のおにいさんが一人。笑顔で「こんにちは!」と元気な挨拶です。『モヒカン』の従業員の皆さん、笑顔と元気さがとてもいい感じです。

 厨房では別の店員さんが、少し深さがある径20センチほどの鉄鍋?を並べ、次々に油を注入していましたが、カウンター上に置かれたメニューを改めて眺めると、餃子のほかに、焼きおにぎりのような円形に整形されて鉄鍋で焼かれた『とんこつ飯』というサイドメニューがありました。炭水化物取り過ぎないように、こちらはパス・・・とか言いつつ、替玉を食べたんですが。その替玉には『焼き替玉』という変わった一品もありました。

味壱家(モヒカン) メニュー 5分ほどの待ち時間で、いよいよ『モヒカンラーメン』が眼前に。ソーキそばのように存在感のある肉塊が載っているわけではないラーメンとはいえ、多めのスープに刻み青ネギと刻みキクラゲが浮かんだだけに見えたので、『あれ?チャーシューとか、なしですか?』と思ったら、極薄切りのチャーシュー2枚は、同じような色彩の豚骨スープの白褐色が保護色になり、老眼進行中の眼では判別しにくくなっていたのでした。そんなわけで、いささか寂しい感じの外観に仕上がった具の満足度は★2つ。

 麺はかなりの細めのストレート系。長浜ラーメンと似た感じがします。硬めに仕上げてもらったので食感はいいのですが、麺の茹で方と湯切りの仕方のどこかに?課題がありそうで、細めの麺同士が絡み合い箸でつまみあげると塊のまま持ち上がって来るので、何度も丼に戻してほぐそうとしましたが、そう簡単には適量になってくれず、仕方なく大きめの麺塊を口に入れて噛み切りました。何となく口にフィットしなかった細めの麺は、★3つ。

味壱家(モヒカン) メニュー 久留米ラーメンは熊本ラーメンのルーツにあたるようで、かの桂花ラーメンや味千ラーメン(近年、経営不振に陥った桂花は味千の支援を受けてますが)の創業者たちも久留米ラーメンに学んだとのこと。しかし今や、熊本ラーメンは独自の世界を構築しています。白濁した豚骨スープは共通項なので、焦がしニンニク味のマー油が加われば、熊本ラーメン的になるスープかもしれません。そのスープはあっさり系ながら、甘味のような雑味の混じりは感じられず、塩分が強すぎることもなくいい味わいで★4つ。

 屋号や派手な看板が連想させる個性派ラーメンではなく、むしろおとなしく目立たない素朴なラーメンという感じがして、モヒカンと呼ぶにはパンチ不足・・・と感じたのは、薬味を省いてしまったせいかも。価格は内容相応で★3つ、個性を醸し出す決め手だったはずの辛い薬味抜きで食しての評価は、お店と『モヒカンらーめん』に礼を失するとは思いつつ、結果的には「フツー」の域を抜けない感じがして、総合では★3つでした。

所在地住所:菊池郡菊陽町光の森2丁目7-6
電話 番号:096-234-7089
営業 時間:11:30~ 0:00
店 休 日:月曜(月曜が祝日の場合は翌火曜)
サ イ ト:http://mohikan-ramen.com

2013年11月1日金曜日

熊本市中央区・肥後ラーメン・肥後ラーメン

肥後ラーメン・肥後ラーメン(大盛) = 肥後ラーメン =

 肥後ラーメン(大盛) 550円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★☆☆

 南区になった旧・城南町合併前の感覚でいえば、出水は熊本市内でも南の方という感じがするエリアですが、現在は中央区。地図で見るとその中央区が南に大きく突き出した部分に、コストパフォーマンスのいいラーメン店があると聞いたので、足を伸ばすことにしました。

肥後ラーメン 外観 少し汗ばむくらいの秋晴れの一日、お昼時に訪問したお店は、湧心館高校の正門向かいにある4階建てアパートの1階部分に、テナントとして入っています。コストパフォーマンスがいいというのは、高校生でも入りやすいお値段で頑張っているということなのでしょうか。さすがにお昼時には高校生の姿はないものの、車やバイクが次々に出入りしていて、どうやら繁盛店のようです。

 店内は少々薄暗い感じがしますが、カウンター6席に2人がけテーブル2卓ほどの席はほぼ満席状態で、厨房を切り回しているのはご夫婦2人だけのようです。出前もやっているらしく、旦那さんが岡持ちをバイクに下げて配達に出かけると、調理をするのが女将さん一人だけになります。そんなわけで、店内には注文したあと待っているらしいお客さんの姿が目立ちました。お昼時など混雑時の待ち時間は、少々長めになることがありそうです。

肥後ラーメン・カウンターのメニュー カウンター上のメニュー札を見ると、確かに値段は安い!ラーメンが400円で、他メニューも基本的には500円以下で統一され、チャーシュー麺が600円になるだけです。ここはシンプルにと思ったものの、メニューには『ラーメン』と『肥後ラーメン』が並んでいて違いがわからなかったので、忙しそうにしていた厨房の女将さんに尋ねると、肥後ラーメンにはモヤシやメンマが乗るとのことで、トッピングの違いのようでした。各メニューには大盛りがあり、追加料金は150円。大盛りオプション料金としては標準的ですが、それでもラーメン大盛り550円は、安い!

 屋号を冠した『肥後ラーメン』が看板メニューかも・・と思い、『肥後ラーメン』の大盛を注文したところで、後から来店したお客さんたちが『パリパリ焼きそば』を立て続けに注文することに気づきました。ひょっとするとこのパリパリ焼そばの方が人気メニューなのかもしれません。

 すでに食事中の皆さんの丼を横目に見ると、お値段の割に盛りも良さそうです。お値段満足度は食べる前から満点の予感でしたが、女将さん一人で切り回す厨房はやはりはかどらず、女将さんはほんとに申し訳なさそうに「お待たせして、すみませんでした」と、顔なじみらしいお客さんとは会話もしながら、注文の品をテーブルまで運んでは厨房に戻って、次の品の調理にかかります。しかもその合間には、食べ終えたお客さんの支払も。

 そうしているうち、出前から旦那さんが戻ってきたので、「手が空いてたら、肥後ラーメン大盛り2つやって!私は焼きそばいくから・・」など、テキパキと指示も出しているところを見ると、このお店の人気の秘密は格安のお値段と、競合店どころか飲食店も周囲にほとんどない立地だけでなく、どうやらこの女将さんのお人柄によるところも大きいのかもしれません。

肥後ラーメン・店内 待つこと約20分弱で、カウンター越しに『肥後ラーメン大盛り』が「お待たせして、すみませんでしたね~」と手渡されたあと、サラダの小鉢もついてきました。いや~、ラーメンだけでも安いと思ったら、サラダまでつくとは。そして『肥後ラーメン』。盛りもトッピングも結構ありそうですが、驚いたのは紅ショウガがトッピングされていること。これじゃ博多ラーメン??沖縄そば??スープや麺に混ざり込む前に、急いで全部取り除いて口に運び“処分”(>_<)。さらに追い打ちをかけてくれたのは、スープを一口と思って顔を丼に近づけた時に襲い掛かってきた例の臭い。コショウですっ!

 私の感覚では麺類の大敵に、一度に二つもお目にかかってしまうとは・・・。せっかくのスープの味も麺から香る、独特のラーメン香も、それだけで台無しにしてしまうのに・・と思いながら、まずスープを味わいました。豚骨のダシはしっかり出ている感じはありますが、どこかあっさり系でやや物足りない感じに、コショウ&ショウガによる減点で、★2つは残念。本来的はもっといいスープのはず、とは思います。

肥後ラーメン・入口 トッピングは結構大きなチャーシュー2枚が光ります。大盛りではない標準だと1枚なのかもしれませんが、このお値段でこのチャーシューはいい感じ。800円のチャーシュー麺でありながら同程度ボリュームのチャーシャー3枚だった『黒龍紅』を訪問したばかりだったので、よけいお得感を感じたとしても、うれしいトッピングの量。そのほか煮卵1/2と茹でモヤシ、刻みキクラゲ、刻みネギに1/8サイズの焼き海苔1枚、そしてメンマですから、表面がトッピングに覆い尽くされて、麺が見えません。トッピングは満点といきたいところ、これまたショウガとコショウで★1つ減点の★4つ。

 さて麺。旦那さんの調理中の様子を見ていて危惧はしたのですが、すでに柔らかめ。麺自体はストレート系丸麺で熊本麺としては標準タイプでしたが、茹で上がったあと、もっと手際よくさばいてくれたらな・・と感じていたのでした。固め寄りに仕上がっていれば、少なくとも標準かそれ以上の麺なのですが。★2つ。

 しかし全体としては、このお値段でこの内容はハイレベルなラーメンですし、コショウや紅ショウガが気にならない/好きという方には、結構支持される味のラーメンだと思いました。価格満足度と常連さんになって足を運びたくなる女将さんのお人柄に敬意を表して、総合は★3つですが、★4つに近いかも。

所在地住所:熊本市中央区出水4丁目34-3
電話 番号:096-366-6831
営業 時間:11:00~20:30
店 休 日:水曜
サ イ ト:なし

2013年10月29日火曜日

熊本市中央区・黒龍紅(新市街店)・チャーシュー麺

黒龍紅(新市街店)・チャーシュー麺 = 黒龍紅(新市街店) =

 チャーシュー麺 800円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 お店の名前がいかにも中華風なので、熊本ラーメンとは思いもよらなかった『黒龍紅』。お店は熊本駅近くにある有名店『黒亭』の至近距離にある店舗しか知らなかったのですが、しばらく前に新市街にもオープンしたのを確認していました。そしてある日店の前を歩くと、熊本ラーメンのお店ではないですか!これはなんとしてでも足を運ばねば・・・というわけで訪店することに。確認してみると、2012年3月撮影のストリートビューにはちゃん写っていました。気づくのがずいぶん遅かったわけです。この界隈は、最近ほとんど足を踏み入れてないからなぁ・・。

黒龍紅(新市街店)・外観 夜賑わう街の一角にあるお店の店先には、写真入りのメニューやいろいろな看板類が賑やかに並らび、お店の意気込みを感じさせてくれます。近くの電車通り(と地元では呼ぶ)には銀行などオフィスビルも並らんでいるので、昼間はまだ眠る夜の街にありながらもランチタイム営業も頑張っています。平日12時過ぎのお昼時に訪問したこの日は、カウンター6席と座卓2台に先客の姿はありませんでしたが。

黒龍紅(新市街店)・店内座卓席 お店に入ると、店員さんの元気な声が出迎えてくれました。色とりどりの張り紙やメニューが貼られた壁際には焼酎の瓶が並らび、さすがは夜の街のラーメン店。夜は居酒屋モードになるようです。メニューはもちろんラーメン中心ですが、それぞれのメニューに辛味を加えると『龍ラーメン』シリーズになるそうで、例えば『チャーシュー麺』の辛めが好みなら、『龍チャーシュー麺』と注文すればよいのだとか。変わったところでは『とまとラーメン』という一品もあります。そういえば最近、トマトをあしらったラーメンをメニューに加えるラーメン店が増えている気がします。

黒龍紅(新市街店)・お店のこだわり 注文は『チャーシュー麺』にして待つこと数分、カウンター上に置かれた『黒龍紅のこだわり』と題されたシートに目を通すと、水や塩、食材に調味料へのお店のこだわりが書かれていました。人間は先入観の塊みたいなイキモノですから(^^;、こういうシートを読むだけでその後の味わいが増すというもの。「な~に、テキトーなこと書いて・・」みたいにひねくれて斜め読みする見方もありましょうが、それはそれとして読んだ方の感じ方次第・・・ということで。

黒龍紅(新市街店)・メニュー さて、登場した『チャーシュー麺』。第一印象は『チャーシュー麺にしては、チャーシューが少ないんでないの?』ですが、例によってスープ一口から始めると、とてもバランスがよく、塩辛すぎず薄すぎず、こってりもあっさりも行き過ぎない、まさに中庸の美。粘りつく甘さのような後を引く感じもなく、サラリと切れていい感じです。久しぶりに熊本トンコツの好みのタイプに遭遇したうれしさに、スープは満点★5つ。麺は熊本の標準的なストレート系丸麺ですが、特にオーダーしなくともやや固めに仕上げられ、もうちょっとだけ粘りが欲しい感じはあるもののコシがしっかりした好みの食感は★4つ。スープとの相性もいいです。

黒龍紅(新市街店)・店内カウンター席 トッピングはチャーシューがやや厚めの3片と、半熟味付け卵が1/2、刻みネギ、刻みキクラゲに、1/8サイズの焼き海苔一枚。主役のチャーシューはトロトロ感が出るまでしっかり調理され、香ばしさもあるとても完成度が高いもの。『大将軍』のチャーシューに近い水準かもしれません。惜しむらくは、チャーシューの量。『チャーシュー麺』を名乗る以上、あと2切れは載せてほしいな~というのが正直なところでした。というわけで、トッピングの質には大満足の★5つですが、価格満足度では“もっとチャーシュー食べたいよ~”の★3つ。

 いずれにしても、私個人時には好みのツボにハマッた感じの味わいは、総合★5つの満点です。『黒龍紅のこだわり』を読んで期待値が高まったところに、期待どおりの品がきたという先入観効果抜きでも、とてもおいしいと思います。

所在地住所:熊本市中央区新市街5-3
電話 番号:096-356-1450
営業 時間:11:00~15:00、17:00~翌 4:00(金・土は~翌 6:00)
店 休 日:無休
サ イ ト:http://kokuryukou.com/

2013年7月30日火曜日

熊本市中央区・白川・ちゃーしゅう麺

白川・ちゃーしゅう麺 = 白川 =

 ちゃーしゅう麺 680円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本市内の白川にかかる銀座橋から産業道路へ抜ける道は、ラーメン探訪でも何度も歩いた道ですが、これまで通りかかった時にはなかった新しいラーメン店が営業しているのを先日発見したので、訪問することにしました。比較時近いところに『てしお』『呑龍』がある九品寺エリアは、ラブホ街に隣接して熊本大学付属病院があったりするので、ランチタイムも夜も狙える立地条件なのかもしれませんが、この場所に新規出店するのは、大きなチャレンジだと思います。

白川・外観 定休日がわからないまま用事のついでに足を延ばした火曜日で、暖簾が出ているか心配でしたが、産業道路側から銀座橋へ向かってゆくと、風に揺れる白い暖簾が下がっているので一安心。火曜日が定休日という飲食店は案外多いのです。暖簾をくぐって玄関を入ると、さすがに真新しい店内は清潔感があって、まだ木の香りがしてきそうな雰囲気です。11時半を少し過ぎたところなので誰も先客はなく、店員さんたちは思い思いの姿勢で待機していましたが、客が姿を現して本日のランチタイムが始まります。

 カウンターが7~8席と4人がけテーブル2卓のお店は狭苦しい感じがせず、壁に貼られるポスター類などもなくて、スッキリとした印象がとてもいい感じです。カウンター席に置かれたメニューも至ってシンプル。麺は『らーめん』『ちゃーしゅう麺』だけで、他も炒飯と餃子があるだけです。お値段も『らーめん』480円に『ちゃーしゅう麺』680円と、安めなのもうれしいところです。

白川・カウンター上のメニュー  注文は『ちゃーしゅう麺』。カウンター越しに厨房が見渡せましたが、大きな豚バラ肉の塊が見えていたので、何だか期待できそうな気がして『ちゃーしゅう麺』です。本日最初の客?だったせいもあってか、注文して3分ほどで、早くも『ちゃーしゅう麺』が運ばれてきました。まずその外観は、熊本ラーメンのトラッドな豚骨スープだったのがうれしかったです。

 まず一口。『ああ~、やっぱり豚骨!うまい!』しっかりとした豚骨ダシは、コッテリ感を演出せんがための作為は全く感じられず、正統派そのもの。王道に真正面から挑む心意気を感じられます。惜しむらくはやはり塩分がやや強め。汗をかく季節に塩分補給という意味で、少し濃くしてくれているのでしょうか?それとも近頃は、これくらいの塩分がないと『物足りない』というクレームがあるのでしょうか。しかし、食べながら水を飲みたくなるというほどでもなく、とても丁寧に作られているので、スープは★4つ。

白川・店内 麺もオーソドックスな熊本ラーメンの中細ストレート。やや硬めに茹で上げられてしっかりとした食感は、好みです。モソモソ感はなく、粉っぽさを感じることもありません。スープともよく馴染んでいます。麺も★4つです。その麺を箸で持ち上げるとチャーシューが絡んで一緒についてきましたが、それだけチャーシューが柔らかいのでしょう。口に運んでびっくり!厚みが4ミリほどあってボリューム感たっぷりにもかかわらず、箸で簡単に崩れるほどしっかり調理されていて、口当たりはソフト。トロトロ感がある『大将軍』のようなタイプとは少し違うのですが、このチャーシューは確かにハイレベル。

 トッピングは、この中サイズのチャーシュー4片と、ゆで卵1/2、刻みキクラゲ、刻みネギですが、チャーシューの厚みを考慮すれば、薄手のチャーシューを丼からはみ出させるビジュアル系に匹敵するボリュームではないでしょうか。価格比でもトッピングは大満足で★5つの満点です。

白川・外観拡大 チャーシュー麺としてこの価格なら大健闘で、価格満足度も★5つ。お店の清潔感や、豚骨スープの王道に正面から挑む姿勢にも感じ入って、総合も★5つです。厨房のオーナーらしい男性に尋ねると、開店してまだ二ヶ月ほどだそうですが、置いてあるチラシの営業時間が11:00~22:00なのに対して、店内の壁に控えめに掲示された営業時間案内は、AM11:00~PM 2:00。ランチタイムの営業だけに早くも変更しているようです。また、チラシの『各種セットメニューも有ります』の文字は黒マジックで消されているので、いろいろな試行錯誤を重ねているのでしょうが、この味と意気込みは、ぜひ続けて欲しいものです。

 とても素晴らしい熊本ラーメンのお店を、ひとつ見つけることができました。

所在地住所:熊本市中央区九品寺1丁目14-11
電話 番号:096-373-6188
営業 時間:11:00~14:00
店 休 日:月曜
サ イ ト:なし

2013年7月23日火曜日

熊本市東区・北熊 長嶺店・北熊支那そば

北熊 長嶺店・北熊支那そば = 北熊 長嶺店 =

 北熊支那そば 690円

 価格の満足度:★★☆☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 熊本市内のあちこちで見かけるだけでなく福岡空港の近くでも見かける『北熊』は、『支那そば』を名乗っているので、未訪問にしていましたが、用事で出かけて昼を過ぎ、空腹を抱えながら駐車場があるラーメン店を探し回っていたところで、黄色いテントに赤い文字とロゴが見えてきたのが『北熊・長嶺店』。広い駐車場があるのを見つけたので、『ま、いいか。』と入ることにしました。

北熊 長嶺店・外観 ラーメン店が集中している熊本市北区山室交差点近くの『元帥』の隣に、かつて『北熊』の店があり(その後閉店)、10年以上前に一度食べたことはあったのですが、野菜炒めが山盛り状態にされたラーメン(那覇・通堂町『波布食堂』の『肉そば』には負けるが!)は、明らかに熊本ラーメンと一線を画すものだったので、その後の『北熊』にいささか関心もあります。

 平日のお昼時を少し過ぎた店内には誰も先客がいないので、広々とした感じでしたが、店内はカウンター12席だけで、テーブルは置かれていません。背後の壁際には、長椅子のようでもあり物置台のようでもある、細長い木製ベンチがあって扇風機が載っていたので、荷物はそちらに置いてカウンターに向かいます。厨房には比較的若くみえる男性が一人。冷水用のグラスは冷蔵庫から取り出してくれて、炎天下の熱いラーメンに向かう前に、生ビールのジョッキ並みの配慮は、とてもうれしかったです。

北熊 長嶺店・壁のメニュー 壁メニューの価格表には、看板文字を消して手書き文字を書き加えた値上げの跡が見えましたが、はたして物価上昇率を2%へ誘導するアベノミクスの弊害が原因なのか・・?ともあれ基本メニューの『北熊支那そば』を注文しました。トッピングを追加した『支那竹入り』『焼豚入り』『木耳入り』のほか、『札幌支那そば』や『東京風支那そば』に、流行のつけ麺も。

 メニューには「札幌の味」を謳うカテゴリーがあって、『札幌支那そば』はもちろんですが『ヘルシー支那そば』がこのカテゴリーにあるのは、なぜなのでしょう。ネットで検索すると、札幌市内に『らーめん北熊』という店が存在しますが、北熊とは全く無関係。それにしても北の熊とは北海道を意識しているのでしょうか?熊本県の北という意味の北熊ではなさそうです。

 『北熊支那そば』を注文した後、カウンター越しに厨房の作業を見ていると、グラグラと煮えたぎる湯に投入された麺は、そんなに茹でないで!!と言いたくなるほど長時間茹でられています。しかし、いまさら「麺は固めで!」と言えるような状況にはなかったので、出された麺で味わうしかないと腹を決めて観察続行。

北熊 長嶺店・店内 厨房の男性、ラーメン店によくある粉末コショウの容器の蓋を開けると、小さじ1杯ほど白い粉を丼にササッと投入して、さらに濃縮調味液を1杯注いだ後、スープを網で漉しながら柄杓で投入しているじゃぁありませんか(-.-)。頼むから、その化学調味料やめてくれないかな~・・・と思っても、こればっかりはお店の味作りのポリシーですから、止めようもありません。

 「お待たせしました」と出てきた『北熊支那そば』は、薄い黄褐色のポタージュのような不透明なスープに、トッピングはゆで卵半分と大きめのチャーシュー1枚、メンマは数本より少し多めに刻みネギ。まず、ポタージュ的外観のスープを一口。見た目のとおり、濃厚な味でコクと粘っこい感じもあって、白濁した外観は豚骨的ながらそれとは違っていますし、『支那そば』のネーミングから連想される醤油ベースでもありません。

 調べてみると、どうやら鶏ガラをベースに豚の背脂を合わせているらしいのですが、長嶺店の1杯には、検索情報の画像のような背脂は浮かんでいませんでした。ともかく豚骨ベースの熊本ラーメンではない、工夫された独特のスープらしいです。しかし遺憾ながら、“白い粉”投入シーンを見た先入観?ゆえか、甘くベタつくような感覚が強く残って気になります。水を口に含み、漱いだくらいでは落ちないのがこの甘ったるいベタつき。本来は★4つレベルのスープだと思いつつも、これだけ残ってしまうと★2つ。

 麺は、なるほど札幌ラーメン的です。中太で縮れが入り黄色が強い麺は、かなりの時間茹でられたにもかかわらず、コシがまだしっかりしていてふやけた感じはありません。ツルツルとした感じはスープとよく合っていい感じです。麺は★4つ。お値段は690円としては少々トッピングが物足りない感じがします。価格満足度はやや割高感があって★2つ。

北熊 長嶺店・食べ放題のキムチ桶 全体としては麺もスープも工夫されているのですが、多店化(直営かFCかは不明ですが)に伴うマニュアル化か標準化のために、味づくりの要所の何かを交換条件にせざるを得なかったのでは・・・という気がしてなりません。もっと高いレベルのラーメンになりうる可能性は秘めつつも、総合はごく普通のレベルで★3つにしました。なお、桶に入ったキムチがカウンターに置かれて食べ放題ですが、即席の味がしたので一口だけにしておきました。

 『北熊』は熊本県内だけではなく、なぜか遠く三重県の松阪にも出店しているようです。総本店を名乗る店が熊本市内にあるので、広い意味では熊本ラーメンなのかもしれませんが、麺は札幌のものに近いオリジナルの熊本ラーメンということでしょう。にもかかわらず『支那そば』と名乗る理由はよくわかりません。

 そういえば1972年の沖縄返還後、「沖縄そば」に対して公正取引委員会が「そば粉を含まないのに、そばと呼ぶことはまかりならぬ」と禁止を意図したことに反対が起こり、特例的に「沖縄そば」と呼ぶことが“認められた”わけですが、その時に「それなら、『中華そば』や『支那そば』も禁止しましょうね。」と反論したら、公正取引委員会はどう答えたかな・・・と、いつも想像するのでした。

所在地住所:熊本市東区長嶺南3丁目1-102
電話 番号:096-383-1003
営業 時間:11:30~15:00、18:00~22:00
店 休 日:不明(「水曜か木曜」としているネット情報あり)
サ イ ト:なし

2013年5月24日金曜日

【閉店】 熊本市中央区・ごえんや・もやしラーメン

2017/2/20追記 2016年4月の震災で店舗が損壊した後、お店は閉鎖されたままなので、閉店したようです。

ごえんや・もやしラーメン = ごえんや =

 もやしラーメン 580円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★☆☆☆

 新メニューを次々開発したり、激戦地で修行した後に地元で開業する若いオーナーのラーメン店やつけ麺店を支持する世代がどんどん増えてゆく中、昔ながらのラーメンを昔からのお店で提供しつづけているお店の存在は、とても貴重だと思いますが、この『ごえんや』も、そんなお店かもしれません。

ごえんや・外観 例によって歩いての訪問で、明午橋交差点から白川を越え、通称『産業道路』を渡って消防局と白川中学、コンビニエンスストアを過ぎれば、『ごえんや』です。木造モルタル二階建てのお店は昭和30年代~40年代の建築でしょうか、いまの時代には、往時の文化住宅風木造モルタル建築でさえも、時代の流れゆえに風情を感じさせてくれます。

 産業道路沿いのすぐ近くには、博多ラーメン系のお店『一蓮』ができていますが、昨年訪問した『東天』とともに大江の地で昔ながらの味を提供している『ごえんや』は、夏日の暑さに玄関戸を開け放って暖簾を出していて、泰然自若とした雰囲気が感じられます。

ごえんや・店内 その暖簾をくぐってお店に入ると、奥座敷の居間に主らしき足だけが見えていて、女将さんがカウンターで新聞を読んでいました。カウンター上にメニューが置かれているのに気づいたので、着席する前に注文は『もやしラーメン』と決めて注文してから、7席ほどのカウンターの一角に陣取りました。

 少々薄暗い店内は、どこか水前寺の『味乃文化城』とも共通する雰囲気。年季が入ったカウンターや眼前の厨房は、歴史を感じさせてくれます、が・・・厨房のコンロ周辺はかなり油がこびり付いたりして、少々ご年配のオーナー夫妻にとって、お店の隅々までのお手入れは難儀になってきている雰囲気が、ヒシヒシと伝わってきます。『ごえんや』はオーナー夫妻の代限りかもしれません。

ごえんや・調理風景 少々くたびれた風情のペットボトルに入って冷蔵庫で冷やしてあったらしいお茶を、湯のみ茶碗に注いだあと、女将さんは調理にかかりました。平日のお昼時ながら13時に近くなっていて、近隣の行政機関のお昼休みは終わる頃だったこともあり、他にお客さんはいなかったので、お店前の道路を行き来する車の響きとは裏腹に、のんびりした雰囲気が漂います。

 やがて登場した『もやしラーメン』は、オーソドックスな豚骨スープに、かなり強めのニンニクの香りが漂います。トッピングはやや薄めのチャーシュー2枚と刻みキクラゲ、1/8サイズの焼き海苔一枚に、もちろん茹でモヤシ。昨今のラーメン物価からすれば、このお値段なら価格相当でわりと健闘しているのではないかと思います。トッピング★3つではありますが、気持ちは★3.5くらいです。

ごえんや・メニュー スープそのものはまろやかながら、ややニンニクの香りと味の角があって、ニンニクのカラーが出すぎているような。このスープなら、むしろニンニクは抑え目にして、柔らかい感じの味を前面に出した方がいいのでは・・という気がしました。後に残る感じは少なく、ベースのスープそのものは、そこそこいい感じだと思いました。スープは★3つ。ニンニク控えめなら4つでもいいのかも。

 麺は標準的な中細麺のストレート系で、茹で上がりも柔らか過ぎず固過ぎずほどほどの食感を楽しめて★3つですが、如何せん、眼前の厨房の光景が視野に入ってくると、どうしても食欲に良からぬ影響が。この環境で調理されたラーメンということを知らずに味わえれば幸せなのですが。その要素があるので本来的には総合★3つなのですが、視覚(逆)効果で★1つ減の★2つでした。

所在地住所:熊本市中央区大江4丁目12-5
電話 番号:096-364-9847
営業 時間:11:00~20:30(日・祝 11:00~15:00)
店 休 日:無休
サ イ ト:なし

熊本市中央区・魚雷・魚雷まぜそば

魚雷・魚雷まぜそば = 魚雷 =

 魚雷まぜそば  680円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:評価対象外
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :☆☆☆☆☆

 熊本電鉄藤崎宮駅から藤崎宮方面へ1分も歩かないところに、見慣れない黒い看板があることに気がついたのは、比較的最近のことでした。看板には「激辛つけ麺」と書かれ、つけ麺が好きではない私は敬遠していたのですが、窓の貼紙には「つけ麺」「らーめん」が並んでいて普通のラーメンもありそうなので、玄関のドアを押しました。

魚雷・券売機 店内はカウンター席だけで、入り口右側に置かれた券売機の上に写真つきのメニューが掲げられています。そこには確かに『魚雷らぁめん』というつけ麺ではない品があって、「辛うまらぁめん、やみつき間違いなし!!」とコメントが添えられていました。辛い味は嫌いでも苦手でもないので、これにしようと思って券売機のボタンを探すと、ボタンには「売り切れ」の張り紙。

 他につけ麺ではない品は・・・メニューを探すと、よく意味がわからない?『ジョロキァ魚魚』なる品があり、「ギネスブック認定 世界一辛い唐辛子ジョロキアを使用 ハンパなく辛いです」とのコメント。しかし『ジョロキァ魚魚』のボタンにも「売り切れ」の表示(怒)。ときに時刻は12時20分。店内の貼紙には営業時間は11:30~23:35(ラストオーダー)と表示されているので、開店から50分ですでに売り切れ?

魚雷・券売機上の写真入りメニュー 「つけ麺」と看板に大書されているからには、つけ麺目当ての客が多いとは思うのですが、まさかラーメン系はハナからやる気がない、引っかけられた・・と思いたくなる対応に、すでに頭は激辛状態。しょうがない、本意ではありませんが『魚雷まぜそば』という、つけ麺ではないボタンを押して食券を購入し、カウンター席へ。カウンターは、お昼時の勤め人らしい人たちで混雑していたので、実際に開店早々に人気殺到で品切れかもしれないので、『魚雷らぁめん』の早い品切れについては何も尋ねずに、食券を厨房に渡して『魚雷まぜそば』を待ちます。

魚雷・「おいしい食べ方」指南 カウンターには「おいしい食べ方」と題された紙片が立てられていて、いわく「魚雷つけ麺・らぁめんの最後は魚雷めしで魚雷ぞうすいにして食べるべし! つけ麺の最後はインドめしでしめるべし!!」 もちろん『魚雷めし』も『インドめし』も150円の有料メニュー。『・・べし!』と、押し付けがましくのたまう紙切れを眺めると、イライラ感が募ってきました。

 さて初体験のまぜ麺です。極太の麺には、茹でたキャベツとモヤシ、チャーシューとメンマがトッピングされ、その頂上には何と生卵。この価格としてはトッピングがなかなか充実していたので、価格満足度は★4つにしました。トッピングの脇にはマヨネーズが一盛添えられ、全体には粉末鰹節?が振られています。丼の底には少量のタレが見えているので、これを一気にかき混ぜてください、ということなのでしょう。にゅぢゃぁ・・・ぐゅちゅぅ・・・(--;)・・・混ぜましたよ、大将。

魚雷・店内  麺はしっかりコシがある好みの太麺。これはいい。素晴らしい麺です。麺に限っては満点の★5つ。ですが・・・この得体の知れない味つけは何?刺激の辛さだけでなく塩辛いうえに、もともと卵配合のマヨネーズにさらに生卵が加わって、ネチッこくも濃厚でしっかり口内にまとわりついて離れない食感は、確かに若人好みではあるのでしょう。でもオヂさんは、『ああ、食うんじゃなかった・・・』

魚雷・外観 スープのある普通のラーメンが食べたくてお昼時に入った店で、ラーメン系メニュー既に総品切れの肩透かしを食らい、居丈高な『べし!』を目にして、濃いタレとマヨネーズと粉末鰹節を混ぜただけの味で食えというなら、総合では、★はありません。こういう味にはファンがきっと多数いるのだろうと思いますが、私は『魚雷』とはソリが合わなかった、ということでしょう。それにしてもこの麺だったら、丁寧に作られた辛くない豚骨スープでしっかり味わってみたい・・・というのは贅沢ですかな『魚雷』さん。

 最近参入してくるラーメン店にありがちな、奇をてらった創作メニューは、うまくツボにはまればいいのですが、外れだった場合は、濃すぎる味付け同様に、客の魚雷・・じゃなくて、地雷を踏む結果になることを、特に若くて自信満々タイプのカリスマ系飲食店の皆さん、もう少し意識してくれていいんじゃないでしょうか。

所在地住所:熊本市中央区坪井2丁目-3-37
電話 番号:096-346-8140
営業 時間:11:30~23:35 だが、麺・スープ切れで夜営業休止の場合あり
店 休 日:月曜(祝祭日を除く)
サ イ ト:https://www.facebook.com/gyorai.tsukemen

2013年5月2日木曜日

熊本市中央区・なごみや・味噌麺(白味噌)

なごみや・味噌麺(白味噌) = なごみや =

 味噌麺(白味噌) 650円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:☆☆☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :☆☆☆☆☆

 熊本市の中心繁華街でランチタイム営業をしているラーメン店は、チェーン店を除いてほぼすべて足を運んだつもりでいたところ、熊本市役所の西側に一軒、足を運んだことがないお店があることに気づいたのは比較的最近でした。実は2005年から営業しているとのことなので、迂闊にも気づかなかったわけです。しかし、気づいて以降も「つけ麺」の暖簾が出ていたので足を運ばずにいたところ、ラーメンをやっていることがわかったので、訪問することに。

なごみや・店内のTVリポーター色紙 場所は市役所裏玄関のような西側の出入り口階段を下りたら、もう目の前・・・と言っていいくらいの近さにある有料駐車場の入ったビルの地下1階です。木材を多用した内装のお店には、カウンター7席と4人テーブル3卓、2人テーブル1卓が置かれて、思ったよりもキャパシティがありました。壁には地元TV局が番組取材に来た時のものらしきサイン色紙があちこちに飾られていて、注目店であることがわかります。

なごみや・店内 カウンター席の上方の壁にメニューが書き並べられています。醤油麺、味噌麺、つけ麺の三種類が基本で、味噌については白味噌と赤味噌、合わせ味噌が選べるようなので、白味噌の『味噌麺』を注文しました。待つ間店内を見回すと、カウンター脇のレジのところにスタンプカードの説明が掲げられていました。1回600円以上の食事でスタンプが1個、それを10個集めると『麺ber's CARD』(メンバーズカード)がもらえて、以降このカードを提示すればいつでも、1回600円以上なら50円割引だとか。

なごみや・こだわり 壁の大きな看板には、スープの説明が詳しく書かれていて、どうやらスープは豚骨と鶏ガラがベース。醤油麺なら魚介系のいろいろな素材から作るエキスを加えた醤油ダレを、味噌麺なら信州味噌とさまざまな素材を加えた味噌ダレを、このスープで伸ばして使っているようです。読んでいるだけでおいしそうな感じがして、期待が高まります。

 数分後、いよいよ味噌麺が到着。味噌ラーメンらしいスープには、背脂が浮いたところにマー油もあしらわれ、コッテリ感がありそうな感じがします。トッピングには薄手ながら大きめのチャーシューと茹でモヤシ、半熟玉子1/2に刻んだ小松菜、1/8サイズの焼き海苔1枚で、見栄えや色合いもよく考えられています。ラーメンのトッピングに小松菜は珍しいですが、小松菜は麺類とほんとによく合う食材だと思います。ではまず、スープを一口・・・

 『塩辛っ!』

 なんという塩辛さでしょう、塩分濃度が強すぎます。慌ててコップの水を飲んでから麺を食すと、これは実にしっかりコシがある中細の縮れ麺。食感もしっかり弾力があって一番好みのタイプです・・・が・・・あまりの塩辛さに、味わうなんてものじゃありません。我慢して水を飲みながらひたすら口に放り込むだけ。これじゃあ、あんまりです。スープももう一回口に運んでみましたが、口の中がヒリヒリして乾くほどの塩辛さ。もうスープを口にするのは断念しました。とにかく麺とトッピングだけ、できるだけスープを切って味わうだけにしたのですが、ここに至って我慢も限界。コップ半分の水を丼に注いで塩分を薄めました。

 水で希釈したスープに麺をくぐらせて味わってみると、ああもったいない、何と素晴らしい麺なのでしょう。それなのに麺の味も風味も、スープが台無しにしてしまっているのです。『ばんから』に続いて・・というより輪をかけて、耐え難く塩辛いだけのラーメン。調理している方々には申し訳ないですが、スープには全く手をつけずに残し、味噌のモヤに隠れて底に沈んでいる麺とチャーシューを救い上げて食べ、水で口をすすぎました。

なごみや・スタンプカードの説明 21世紀に入って開業したような新しいラーメン店は、既存店との競争に勝ち残ってリピーターを獲得しようと意欲的に新メニューを開発したり、さまざまな創意工夫にはとても熱心なのが常。そこには若いクリエイターやカリスマ的な人物がいたりすることも多いようで、若い人たちから熱烈な支持を受けているのには、それなりの理由はあるんだと思います。壁の看板に書かれたものを読む限り、このお店も素材へのこだわりなどオーナーの姿勢や熱意は強く感じられました。

 けれど、味づくりの一番の基本であるはずの塩加減が、近年どんどん濃くなっているように感じます。それではせっかくの素材の味が活かされずもったいない。極論すればダシのうまみと僅かの塩気があれば味わえるはずです。味覚や嗜好の変化の動向にひとり抗うことはできないとしても、子どもの頃からファーストフード、コンビニ弁当などで濃い味に親しんだ世代が調理人になって、その塩分濃度を標準にしてしまうのは、仕方がないのかもしれませんが、手ごろな価格の外食では、素材の味を味わう楽しみが本当になくなってしまいました。

なごみや・外観 これからのラーメン店は、麺の硬さの指定だけではなく、スープの塩気も「ごく薄め」「薄め」「普通」とリクエストできるようなシステムにして欲しいと思います。というわけで、麺は満点★5つ、スープは論外の★なし。トッピングのチャーシューは面積のわりに厚さが2ミリほどしかないので、食べようと箸でつまむと崩れてしまい、探し出すのに苦労しました。見た目のバランスはよく小松菜とモヤシがうれしいですが、チャーシューが物足りず、トッピングは標準クラスの★3つ。コストパフォーマンスも標準的なところでしょうか。総合はスープの塩辛さゆえに★なし。

 お店を出てからも、ただでさえラーメンの後は喉が渇くところ、ナトリウム・イオン濃度が上がった身体は、拮抗するカリウム・イオンを欲し始めたようで、無性に果物系かスイーツ系を口にしたくなり、下通に昨年オープンしたイタリア系ジェラートのお店に駆け込んで“中和”しました。

所在地住所:熊本市中央区手取本町3-11 花花ビルB1F
電話 番号:096-323-7538
営業 時間:11:30~15:00,18:00~翌 2:00(祝日18:00~22:00 )
店 休 日:日曜
サ イ ト:http://www.nagomiya.biz/

2013年5月1日水曜日

【閉店】 熊本市北区・ばんから・ばんから

2016/1/3 追記

2015年12月16日以降は、店舗建物はそのまま、うどん店「○○うどん」(まるまるうどん)として営業しています。
しかし、「東京豚骨拉麺ばんから公式サイト」の店舗情報には、「清水パイパス店」として掲載されたまま、更新されていませんのでご注意を!

ばんから・ばんから = ばんから =

 ばんから 580円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★☆☆☆

 麺類激戦区、3号線清水バイパスと387号線飛田バイパスの山室交差点周辺で、最後の訪問となったお店です。熊本ラーメンではなく、『東京豚骨拉麺』を名乗る、東京を本拠地とする全国チェーンの支店ゆえ訪問するつもりはなかったのですが、やはりそこは豚骨ラーメン。熊本のトンコツと比較したくなっての訪問です。

ばんから・メニュー 熊本市街地から3号線を北進して、山室交差点の右折レーンが始まるあたりの道の西側に巨大な看板が立っていてとても目立つので、場所を探すのには苦労しないでしょう。すぐ北には『らしん』があります。入口ドアは手動なので、自動と勘違いして開けっ放しにしないように注意が必要です。その入口を入るとすぐ左に券売機があり、横には写真つきのメニューがスタンドに立てられています。

ばんから・券売機 メニューの品数が多いうえに、セットメニューもあったりトッピングが選べたりするので、7列×7段=49個の券売機ボタンがほぼ使い尽くされており、慎重に選んでも間違えそうです。基本的には、醤油トンコツ系、味噌トンコツ系、つけ麺の3系列ですが、券売機には「押し間違えにご注意ください」と貼紙が添えられていました。屋号を冠した品は基本メニューでしょうから、何はともあれ“濃厚豚骨醤油”系の『ばんから』に、トッピングとして80円の味玉子を追加しました。

 店内は民芸調の造りでかなり広く、カウンター席に十数名とテーブル席に30名~40名は入れるでしょうか。平日お昼前の開店直後ながらすでに先客が何名か入っていましたが、カウンター席の一方のウィングが全部空席だったので、そちらに陣取りました。食券をホール係の女性に渡してから店内撮影に問題ないか確認したところ、「ここではわかんないので、聞いてみます」と、厨房の男性に確認してくれました。画像の使用目的を問われたので、個人の食べ歩きブログに掲載する旨を伝えると、撮影を許可していただけました。

ばんから・店内 この時間帯はまだ厨房一人とホール係一人で切り回しているようでしたが、3分ほどで『ばんから』が登場しました。スープには、揚げ玉が入ってるんじゃないかと思うほど、粒状の何かがたくさん浮かんでいます。これが背脂というやつなんでしょうか?バラ肉の脂身の部分はかなり煮込んだ時に半透明状態になりますが、そんな感じです。すくって口に運んでみると、どうやらそのようでした。

 そのスープ、表面にかなりの脂が浮かんで見た目にもコッテリとした感じで、醤油と豚肉の香りがほどよく調和したいい感じに思えました。しかしそのスープはかなり塩分が強く、濃厚というだけあってネットリした脂が塩分の味覚をマスクしたところに麺が入ってゆく、そんな感じがしました。スープの調味そのものは、ラフテー(沖縄の三枚肉料理)を煮込んだ汁によく似たものになっているな、という印象でしたが、そこまでの味の深みはありません。とにかく、塩気が強すぎ、味も濃すぎです。スープは★2つ以下という感じです。

ばんから・カウンター席 麺は少し縮れが入って黄色が強く、熊本ラーメンの麺とは明らかに異なるタイプです。東京のラーメンだったらごく普通のタイプと言っていいのかもしれませんが。コシはあって大きな欠点もありませんが、残念ながらスープの主張が強すぎて、せっかくの麺の持ち味を感じることが難しいのです。これではラーメンとしてのバランスはあまり良くありません。麺だけみれば★3つクラス。スープに邪魔されなければ、★4つに感じられたかもしれません。

 トッピングは、中サイズの薄手チャーシュー1枚に、1/4サイズの焼き海苔1枚、メンマが数本と刻みネギで、このお値段としては★3つでしょうか。チャーシューは味付けも厚さも薄めですから、しっかりスープの味が浸みて、肉のうまみまで味わうところまではいきませんでした。

ばんから・外観 全体として、麺はいい感じなのですが、スープは私の好みとはかなりかけ離れていました。熊本のおとなしいローカル・トンコツとは違って、東京発のバラエティ番組のような少し賑やか過ぎてハデな『東京豚骨』という感じがしました。こういうタイプのスープが好きな方なら、もっといい評価の一杯に感じられると思いますが、私の舌では★2つ。

 ちなみに、お店のサイトやグルメサイトの情報では、所在地の町名以下が『山室2丁目419-1』となっていますが、住居表示が実施される前の番地と、実施後の街区番号を混同しているのではないかと思います。地図情報サイトで確認したところ、熊本市北区山室2丁目16-18で、お店の建物に目印がつきました。

所在地住所:熊本市北区山室2丁目16-18
電話 番号:096-346-7227
営業 時間:11:00~翌 2:00
店 休 日:無休
サ イ ト:http://ramen-bankara.com/

2013年4月8日月曜日

熊本市中央区・臨機・らぁめん

臨機・らぁめん = 臨機 =

 「らぁめん」 600円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★☆☆

 巨大都市に立地して、膨大な人口の母集団の中で差別化して尖がるか、全国画一のチェーン店の傘下に収まらない限りは、個人商店はシャッターを下ろし消えゆくことを余儀なくされるこの国にあって、ローカルな街で元気な商店街を見かけることは稀有になり、旧・七大都市以外の政令指定都市といえども個人商店がどんどん消えてゆきます。

臨機・外観 熊本も例外ではありえないところ、どっこい踏みとどまっているのが熊本大学に近い子飼商店街。ここにもシャッターを閉めたままの店舗跡が増えているものの、そんな商店街に出店する若い経営者が増えてきたのは頼もしい限りで、この『臨機』もそんなお店らしく、子飼商店街の中ほどに昨年開店しました。facebookによるとオープンは2012年8月31日。

 昨年初めてお店の前を通った時は、ラーメン店らしからぬ店頭のイラスト?を見て、エスニック系の料理店かと思いましたが、そうではなくラーメン店であることに気づいたものの、行列ができていたのと、魚介系スープでしかもつけ麺がメインのようなのでパスし、二度目の通過時は残念ながら定休日の水曜日で立ち寄れなかったため出直そうと思いつつ訪問は年を越し、今回が三度目の正直の訪問です。

臨機・メニュー お昼時の訪問、今回は行列はありませんでしたが、やはり店内にはかなりお客さんの姿があり、ほぼ満席。何とか1つだけ空いていたカウンター席に座ってメニューを確認。つけ麺以外の普通のラーメンにも、いろいろなメニューがあったので一安心。シンプル&オーソドックスな『らぁめん』を注文しました。

 厨房が目の前なので見ていると、麺は超太麺タイプ。太麺好きにとっては『こりゃうれしい(^o^)』と思えばつけ麺限定で、ラーメン系メニューの麺は普通の太さでガッカリ。あのモチモチした感じに見える太麺を、ぜひ普通のラーメンで食べてみたいな~と思ったのでした。厨房のガスコンロにはステーキを焼くような鉄板が空焚きされていて、光熱費がもったいないなぁ(^^;と思ったのですが、しばらく様子を見ているとそこにチャーシューを乗せて焙り、焦げ目をつけるためのもの。

臨機・店内 最近よく見かける、手持ちのボンベ式バーナーで焙って肉に焦げ目と焦げ臭をつけるのは、作為が過ぎて好きではないのですが、これならいいかな~・・・と思いながら、『らぁめん』を待ちますが、混雑して厨房の調理はオーナーだけがやっているため、所要待ち時間は15分。平日で昼休みらしきお勤め人が何人かカウンターにはいましたが、時間が気になってたんじゃないかな~、と思います。

 ともあれその『らぁめん』。まずスープを口に運ぶと、トンコツ系とは全く違って寄せ鍋風の味と香り。かといって澄んだスープはカツオと昆布の濃さだけで勝負するタイプではなく、いろいろな魚介類を使って味わい深く仕上がっています。ただ一点、かなり気になったのは、昆布茶を飲んだ後のごとく口の中に何かがまとわりつく感じがあり、スッキリしないこと。バランスよく仕上がったスープなのに、これはどうしてなのでしょうか。そのためスープは★2つとしたいところながら、味わい深さがカバーして★3つに滑り込みセーフ。

臨機・カウンター席の水 続いて麺。中細でかなり縮れが入っています。それにもかかわらずシコシコとした腰は強く、いつまでもヘタることない強靭さもあって非常に完成度が高い麺だと思います。太さは均一のようなので手打ちではないのでしょうが、この麺は★5つ満点。

 もう一つの残念は、チャーシュー。鉄板で焙って焦げ目をつけ香ばしさを演出しているものの、厚切りハムを焼いただけようなパサパサした感じは、チャーシューと呼ぶにはほど遠い感じです。『大将軍』の極上のチャーシューは、はるか雲の上・・・という感じがしました。トッピングの量としては価格対比で標準的で、水菜のこんもりトッピングもうれしいのですが、トッピングはやはり物足りず★2つです。

臨機・OSIMというメニュー 全体として、まだまだ美味しくなれる可能性がある一杯。OSIMという変わった名前のメニューを開発するなど、研究熱心なオーナーさんのようですから、これからの可能性に期待しつつトータルは★3つにしました。ちなみに『OSIM(オシム)』という味噌ラーメン、サッカーの某・元監督に何か関係しているのかオーナーに尋ねれば、『OSIMを逆から読んでください』とのこと(^^;(^^; はいはい、OSIM ←→ MISO なんですね(^^;ネーミングの妙に感心したのでした。

所在地住所:熊本市中央区西子飼町8-23
電話 番号:096-346-2239
営業 時間:11:30~15:00,17:30~22:00
店 休 日:水曜
サ イ ト:http://www.facebook.com/RaamenLinki