2008年7月14日月曜日

熊本市中央区・ちりめん亭 熊本下通1丁目店・中華そば

= ちりめん亭・熊本下通1丁目店 =
ちりめん亭 熊本下通1丁目店・中華そば(玉子乗せ)
 中華そば
(玉子乗せ) 600円


 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★☆

 関東方面が本拠の『ちりめん亭』の熊本のお店です。下通りのダイエー角から西に曲がって少し進んだ飲食店街の並びにあります。中心部のラーメン屋さんの中としては異色の、醤油ベースの『中華そば』にほぼ特化したお店です。

ちりめん亭 熊本下通1丁目店・外観 全国チェーン店のフランチャイズ店としてやっているわけですから、熊本ラーメンのお店でないのは当然と言えば当然かもしれませんが、トンコツスープのメニューもあります。

 11時半の開店直後で、まだお客さんは誰もいません。カウンターのオーナーに写真撮影のお許しをいただいたのをきっかけに、食事中もずっとおしゃべりを楽しむことができました。

 沖縄仕立てのかりゆしウェアを着てリュック姿だったので、旅行者だと思ったらしく、「どこがスタートですか?」と尋ねられ、ついつい沖縄そばの話まで入り込んでしまいました(^^;。

ちりめん亭 熊本下通1丁目店・店内 かつて公正取引委員会から、『そば粉が含まれていないのに“そば”と名乗るのは、消費者に誤解を与える』と、沖縄そばが『そば』の文字を使うことにクレームがつき、伝統的で定着している名称であると請願して、ようやく認められた歴史があるのですが、『中華そば』にはそんな苦難の歴史がないわけで、同じ『そば』なのにどうしてなんだろうと、中華そばの由来を聞いてみたのですが、「東京で醤油ラーメンのことを中華そばと呼ぶみたいですね。」ということでした。

 『そば』の文字の扱いひとつを取っても、東京で定着した呼び方はOK、地方のはダメっていう、やっぱり東京中心の考え方なんだろうか…と、ふと思ったりしたのでしたが。

ちりめん亭 熊本下通1丁目店・壁面の写真入りメニュー 写真入りのメニューには、その『中華そば』が味の原点である由が書かれていたので、原点に敬意を表して『中華そば』に半熟玉子が乗った一品を注文すると、まだ客が一人だけということもあって、アッという間に出来上がりました。

 さて、原点の醤油味のスープは、鶏ガラのダシがベースで、魚系のダシは入らないようです。『ちりめん亭』は『モスバーガー』が子会社を作ってチェーン展開をしており、スープもどこかの工場で一括して製造されるのだそうです。ただ、こちら熊本の『ちりめん亭』のオーナーは、東京の本部標準(?)よりも薄めのスープにしているそうです。

ちりめん亭 熊本下通1丁目店・店内カウンター席 これには私も同意(^^)。特に若い調理人が厨房にいると塩分が濃過ぎたり、味が濃過ぎたりする傾向があると感じる…と話すと、東京の醤油ラーメンのスープは色が黒っぽく、塩分が強めで飲み干せない…と、嘆いていました。

 さてそのスープは、塩分ほどほどの濃さでバッチリ、とても懐かしい風味です。ただ、本部工場一括製造なだけに、個性的というタイプではなく無難にまとまったものでした。お話しでは、ラーメンのチェーン店でもお店によって味が違うということは、普通にあるようです。そういう事例では有名な沖縄そばの『我部祖河食堂』を、つい思い出しました(^^;。スープが食後口にまとわりついて感じはなく、スッキリと切れてゆきます。本当はそれで十分なんですが、どうしても醤油ベースの味はもう少し深みが欲しいな、と感じてしまうのでした。

ちりめん亭 熊本下通1丁目店・入口の立看板メニュー 麺は透明感があって縮れが入った(だから『ちりめん亭』なんでしょうね)、かなり細めの麺です。φ1.5ミリくらいでしょうか。ツルツルっとしつつもシコシコとして、食感はいいです。もう少し太かったら、幸せな麺満点★5つだったんですが(^^;、細身の分だけ点数もやせ細って、麺は★4つ。

 トッピングはやや小さめのチャーシュー2片に、メンマが4本に、焼き海苔1枚と刻み白ネギ、が500円中華そばの標準で。ここに+100円のオプションで、半身の半熟玉子が2つつまり玉子1個分が乗ります。トッピングはお値打ち感があります。

 コッテリ系トンコツラーメンの牙城である熊本に乗り込んで、なかなか見事な味は、総合で★4つになりました。

所在地住所:熊本市中央区下通1丁目4-5
電話 番号:096-324-8868
営業 時間:11:30~14:00、18:00~翌 2:00
店 休 日:なし
サ イ ト:http://www.tomos.co.jp/shop/2219.html

2008年7月9日水曜日

熊本市西区・黒亭・もやしラーメン

= 黒亭 =
黒亭・もやしラーメン
 もやしラーメン 590円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本ラーメンのお店としてはかなり有名な老舗で、熊本駅から市電の停留所1つだけ南の『二本木』から、東の白川堤防の方に入ったエリアにあるラーメン屋です。JR熊本駅から徒歩で行ってもあまり気にならない(感じ方に個人差はありますが)距離かもしれません。

黒亭・外観 久しぶりにお店に行って驚いたのは、以前の古い店舗がすっかり新しく立て替えられていたことでした。平日でもひっきりなしにお客さんがやってきて順番待ちになるくらいですから、お店が大きくなるのは自然な成り行きでしょう。

黒亭・厨房 しかし、お店に入ってうれしかったのは、厨房は昔からの姿そのままに保たれ、主人が奥でゆっくりとチャーシューを仕込み、厨房とテーブルは5人の女性が切り回している、以前のお店と変わらない雰囲気だったことでした。

 こってり系トンコツダシのお店ですから、ラーメンではなく値頃感がある『もやしラーメン』を注文するすることにしました。こちらのお店でも、ラーメン屋のトラッドなスタイルで、茹で上げる麺は木蓋の上に乗せて分量を調整し、蓋の上を滑らせるように熱湯に投入していますが、一人前ずつ水切りザルに入れるのではなく、茹で上がった麺を目分量で均等に分けています。

 1杯分の分量を取り分ける長年の勘にそう狂いはないだろうと思いますが、4杯分の麺を一度に茹でて丼に取り分けたあと、最後の1杯分に不足が生じて、麺を数本ずつ丼から丼に移しているのを見ると、ほんとに分量は均等なんだろうかと、ちょっと心配になりました(^^;。

 店内の壁には、なぜかドイツの哲学者ニーチェの言葉が額に入って掲示されています。

黒亭・ニーチェの言葉 『鋭くて柔和、粗野で繊細/慣れていて珍らか、汚れて純潔/愚者と賢者の密会。/ぼくはこうしたすべてであり、/そうありたい。/鳩であって同時に蛇であり/豚でありたい』

 うーーむ・・・。熊本ラーメンと哲学。どういう関係なのでしょう。(お店のサイトに、由来が記載されています。)

黒亭・壁面のメニュー札 さてさて哲学の麺は熊本ラーメンらしく、白っぽいストレート系の中太麺。シコッとしたコシがあってモソモソした感じはありません。よく『打ち込んだ』麺なのでしょう。いい麺です。…が(^^;個人的にはやっぱり、粘りっ気のあるモチッとした麺が好きだなぁ…(^^;

 スープはこってりとしたトンコツ系、コラーゲン的なベタッというか粘りっこい感じがあって、それだけではなく僅かに食後の口に残って後を引く感じがあります。これが熊本トンコツの特徴といえば特徴なのですが、調味料の影響もあるように感じます。炒めて焦がした刻みニンニクと色がついた油が浮いて、風味がいいです。

黒亭・店内カウンター席 トッピングは大きめのチャーシューが3枚。今まで食べた熊本ラーメンでは一番の迫力でしょう(^^)。それから茹でモヤシと定番の刻みキクラゲ、刻み青ネギ、焼き海苔が1枚で、このお値段なら非常にボリューム感がありますね。

 麺が個人的好みで★1つ減、スープも後の残りで★1つ減になったものの、総合では★5つの満点でした。

所在地住所:熊本市西区二本木2丁目1-23
電話 番号:096-352-1648
営業 時間:10:30~20:30
店 休 日:第1・3木曜
サ イ ト:http://kokutei.com/