2017年2月9日木曜日

熊本市・やまとラーメン・ラーメン

やまとラーメンのチャーシューメン = やまとラーメン =

 「ラーメン」
  600円


 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★★

 以前「埼陽軒」を訪問した日に、熊本駅方面に戻って行く途中で、新都心合同庁舎とJRの線路の間に見覚えのないラーメン店の存在に気づき、せっかくの機会なので「もう一軒」のつもりでお店の前まで行ったことがあったのですが、運悪くお店が開いていなかったので未訪問のままに終わり、いつしか月日が過ぎてしまいましたが、ふと思い出し、平日火曜が歯医者の定期チェックのため休日になったついでに、出直すことにしました。

熊本駅南にある、やまとラーメンのお店はこんな感じです 熊本駅周辺では、駅構内のお店と二本木の超有名店『黒亭』と近くの『埼陽軒』、これまた近くの『黒龍江』、駅をはさんで反対の方角にある『大雅ラーメン』しか入らず、『やまとラーメン』はノーチェック。事前にネットで調べると11時半開店とのことでしたが、歯医者は9時半には終わってしまうはずなので、開店時刻を目がけ、距離にして8キロほどの道のりをのんびり歩いて訪問することにしました。

 歯科医のある黒髪から子飼商店街を経由して熊本城方面へ向かい、辛島町から西唐人町周辺の古い町並みの被災・復旧の状況も見ながら、坪井川沿いの狭い道を経由して熊本駅を目指し、駅前広場を通り過ぎてお店の前に着いたのは、開店5分ほど前。もちろんお店はまだ開いていませんが、ドアには「定休日」の札が下がっていたので一瞬ドッキリ!しかしすぐ、前日の月曜が定休日だったことを思い出したので、恐らく月曜モードのままになっているのだろうと判断し、近くにドラッグストアでついでの買い物をして時間調整。

やまとラーメンの玄関から見た店内の様子 11時半を少し過ぎたところでお店に戻ると、まだ暖簾が出ていない??しかし札は「営業中」に変わりました。それならもうやっているだろうと引き戸を引いてみたところ、開きません。鍵がかかっているようです。しかし、引き戸の内側に入ったままの暖簾の隙間から見える店内には、明かりも見えています。『もう少し、遅れるのかな?』と判断して、お店の前で暖簾が出るのを待つことにしました。快晴とはいえ道路をはさんだ向かいは日陰、風は冷たいので日なたに出て、待つこと5分ほど。それでも一向に暖簾が出される気配はありません。なんで??と思いつつお店に目を向けると、さきほど開けようとした右の引き戸ではなく左側の引き戸に、玄関マットが敷かれているではありませんか。

 『もしや・・・』と思いながら道路を渡って、左の引き戸に手をかけると・・開きました(^^;。中にはスタッフの姿もあったので、「もういいですか?」と尋ねると「どうぞ」とのこと。営業中の札が出ているんだから当然といえば当然なのですが、なんで暖簾は出さないの??

やまとラーメンのランチメニュー もちろん本日第一号の客なので店内に他のお客さんの姿はなく、これから混雑するかもわからないのですが、かなりの席数がありそうなので、厨房と向き合ったカウンター席ではなく、4人掛けのテーブルに一人陣取って、まずはメニュー拝見。お昼のメニューは、ラーメン、大盛り、チャーシューメン、コーンラーメンと、ラーメン+惣菜のセットメニューで、いずれもご飯1杯が無料サービス・・おっと、カレーセットだけは、ご飯のサービスはありません。

 初めてのお店ながら、しっかりしたトンコツ風スープらしいので、普通のラーメンではなく『チャーシューメン』を注文することにしました。待つうち、客がやってきて賑わい始めたころにようやく、オーナーの息子らしき?比較的若い男性スタッフが暖簾を外に出しました。もう少し早めに出せばいいのになぁ・・・と思っているうち『チャーシューメン』登場です。

 ただ、どっさりの青ネギと焼き海苔に隠れてチャーシューが見えず、ラーメンの間違いでは??と思って食べ始めると、やや小ぶりのチャーシューがスープの中に隠れていました。まず麺はオーソドックスな熊本のストレート系、茹で加減をリクエストしなくても柔らか過ぎず、コシもしっかりしています。熊本ラーメンの麺としてはとてもよい出来栄えの★4つです。

やまとラーメンのカウンター席 スープは豚骨のしっかりした味ながら、まろやかさと口当たりの柔らかさがあって、唸らせてくれました。このスープいいですね。★5つ。強いて言えばスープの塩分が少々強めかもしれませんが。6枚並らぶチャーシューも味付けが濃すぎず味の方向性も変わらず、スープとの相性はとても良かったです。看板には「カリカリ餃子」も大書されているので、ギョウザも食べてみたかったのですが、ご飯つきなのでパスしてしまいました。もちろんご飯なしでお願いすることはできますが、無料サービスのご飯ですから、ご飯なしでもお値段は変わりません。

 全体としても、ハイレベルなラーメン。お店の前の垂れ幕に「創業以来50年」とあるのは伊達ではなく、これまでノーチェックで存在すら知らなかった、訪問しなかったとは何たる不覚!というほど、正統派の熊本ラーメンのお店でした。総合は★5つです。

所在地住所:熊本市西区春日2-13-1
電話 番号:096-325-9434
営業 時間:11:30~14:00,17:00~23:30
店 休 日:月曜
サ イ ト:なし

2016年11月8日火曜日

八代市・ラーメン角萬・かどまんラーメン

[八代市]ラーメン角萬・麺 = ラーメン角萬 =

 「かどまんラーメン(大盛)」
  490円+100円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 八代市立博物館に写真展を見に行くことを決めたある日、せっかくの機会なので近くにラーメン店があれば、この機会に訪問してみたいと探したところ、博物館からほぼ南へ数分歩いたところに、『角萬』というラーメン店があるのを発見しました。口コミ情報によればなかなかの人気店らしいので、これはぜひ足を運ばねば・・というわけで、JR八代駅に到着してすぐ歩いて訪問しました。

[八代市]角萬ラーメン・お店の外観 とはいえ、八代駅から松江城址のある中心部までは少し距離があって、駅前の駐輪場の先にある自転車預かり所の多い古い商店街から年金事務所やハローワークなどがあるミニ官庁街を経由して行きますが、実に人通りが少なく、ほとんど人が歩く姿を見かけません。中心部の松江城趾近くまで来ても人通りはまばら、熊本県第二の都市とはいえ、これではなぁ・・・という感じがします。賑わっていたのはマックスバリュだけですから。

 目指す角萬は、その中心部を素通りしたさらに先の住宅街のような場所にありました。外観はごく普通の食堂といった感じですが、「かどまんラーメン」という看板を出しているところに、ラーメンにかけるお店の意気込みを見る気がします。時間は12時を少し過ぎたお昼時、引き戸を開くと、カウンター席だけの小ぢんまりとしたお店は、ほぼ満席・・といっても全8席しかないうちの2席が空いていたのでラッキーな感じです。

[八代市]かどまんラーメン・カウンター席だけの店内 訪れたのが平日だったこともあり、近くの事務所からやってきたらしいスーツ・ネクタイ姿の四人連れが賑やかに話をしていました。私の後にすぐ女性客が一人でやってきて、こちらも常連さんらしくオーナー夫妻と親しそうに話をしているところから察するに、どうやら固定客が多いお店なのでしょう。

[八代市]角萬ラーメン・カウンター席上のメニュー(左) [八代市]角萬ラーメン・カウンター席上のメニュー(右)
 メニューはカウンター席上の壁に張り出されていて、ラーメン類のメニューは豊富です。最もシンプルな基本メニューの『かどまんラーメン』は490円。これはうれしい。大盛りがブラス100円とのことなので、迷わず大盛り『かどまんラーメン』を注文しました。そして数分後に登場した『かどまんラーメン』は、オーソドックスな豚骨スープに、半割ゆで卵とチャーシュー2片に、刻みキクラゲと青ネギに1/8サイズの焼き海苔トッピングという、熊本のラーメンの王道スタイル。

 まずスープ。まろやかな感じのスープはとても丁寧に作られている感じがします。熊本駅近くの『埼陽軒』のスープをふと思い出しましたが、『角萬』の方が少し力がある気がします。麺は少しカールがかかったストレート系の麺で、特にゆで方を指定しなくとも、しっかりとコシのある茹で加減になってしました。トッピングのチャーシューは小さめが二片で、やや物足りなさを感じますが、お値段を考えればやむをえないでしょう。

[八代市]角萬ラーメン・店内の様子 食べた後に口にまとわりついて残るものは少なく、スッキリとした切れ味で、最近流行のコテコテの濃い味付けとは一線を画した上品な味わいは、きっと食べ飽きない味なのでしょう。総合では★4つの上等なお味でした。ほかにチャンポンや、パリソバというたぶんフライ麺の一品も人気メニューのようです。

所在地住所:八代市塩屋町6-26
電話 番号:0965-34-8740
営業 時間:11:00~20:00 (オーダーストップ 19:00)
店 休 日:月曜
サ イ ト:なし

2016年10月11日火曜日

菊池市・幸亭・ラーメン(大盛)

菊池市 幸亭のラーメン大盛り = 幸帝 =

 「ラーメン(大盛)」
  650円+100円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★★☆

 比較的近くの熊本ラーメン系らしきお店には大体足を運び、熊本市内に新規開店するお店は、非・熊本ラーメンの店が非常に多くなった昨今、なかなか熊本ラーメンらしいお店を見つけることができないのですが、菊池に出かけることになったので、その周辺をリサーチしてみると、『幸帝』というお店の存在に目が止まりました。元来、熊本ラーメンといってもルーツは久留米ラーメン系統から入ってきていて、県北地域は久留米に近いこともあり、例えば玉名のラーメンは独特の文化圏をもっているらしいです。

菊池市 幸亭の外観 その玉名から菊池川を溯上すると菊池にたどりつくから・・というわけではありませんが、熊本市内の熊本ラーメン店とは違った雰囲気のような印象を受けたので、訪問することにしました。熊本電鉄バスで国道387号線を一路菊池へ向かい、菊池の市街地に入り口あたりになる大琳時バス停に到着したのは、午前11時15分頃。お店までは山鹿方面に続く県道を少し歩くことになります。

 菊池の中心部である隈府周辺とは違い、まだ新しい町並みにはさまざまな業種のロードサイド大型店が軒を並べて、昨今は全国どこにでもある同じような風景は作り出しているのはいささか興醒めですが、10分ほど歩いてお店の前に到着しても、11時半の開店には数分の時間があり、「準備中」の札がかけられていたので、向かいのホームセンターで時間をつぶして11時31分頃に戻ってみると「営業中」になっていました。

菊池市・幸亭・カウンター席の向こうの厨房 二階建ての箱型の店はまだ新しそうで、店舗兼住宅のようですが、ホームセンター側の暖簾がかかっているドアを開くと、すでに先客がカウンターに一人。店内は4人テーブル席が4卓と、厨房に向き合う位置のカウンターに4席。それなりの収容人数はありそうです。一人なのでカウンター席端の先客とは反対の端に陣取り、目の前のメニューを確認します。麺類は普通のラーメンに加えて、「もやしラーメン」と「あまからラーメン」という品がありますが、まずはオーソドックスな「ラーメン」です。メニューには「替玉はございません!!」の注意書きから矢印が引かれ「大盛りは100円プラス」と書かれていたので、大盛りにしました。

菊池市・幸亭・店内のテーブル席 本日二人目の客ということもあり、数分のうちにカウンター上に「ラーメン」が運ばれました。まず目を引いたのは、トッピング。チャーシューというよりはハムのような色合いをした薄切りの肉が4枚載っているのですが、その薄さはある意味“芸術的”。厚さは1ミリほどしかない印象を受けます。麺を邪魔しないように、という主旨かもしれませんが、チャーシューとしては実に物足りない感じです。そこに10枚切りサイズほどの焼海苔1枚と焦がしニンニクに刻み青ネギ。熊本ラーメンというよりも久留米ラーメンに近い外観でした。

菊池市・幸亭・店内の旧店舗看板 麺も熊本のラーメンとしては標準よりも細め寄りですが、硬めの茹で上げを標準にしているのかもしれず、最後までヘタることなく食感も良く、細麺には厳しい傾向がある私でも満足できるもので、敬意を表して麺は満点★5つ。スープは最近主流になりつつあるネトッとコラーゲンたっぷり感を出す方向のタイプで、味はしっかりしていますが、何度も口に運ぶとくどく感じて飽きてしまいそうなので、★3つ。若い人たちにはこれでいいのかもしれませんが、年配客にはあっさり系豚骨スープも選べるとうれしいかも。

 全体として、熊本ラーメンと呼ぶには少し違うタイプなのかなと感じましたが、麺の完成度は高く、お値段も頑張っているようなので、総合では★4つにしました。ちなみに屋号を『幸亭』ではなく『幸帝』としているのは、いつか熊本のラーメン界に君臨したいという願いを込めてなのでしょうか、聞きそびれてしまいましたが、オーナーの意気込みは感じました。

所在地住所:菊池市西寺1751-8
電話 番号:0968-23-6005
営業 時間:11:30~15:00,17:00~20:00
店 休 日:木曜
サ イ ト:なし

2016年2月2日火曜日

合志市・でんすけ・豚骨ラーメン

こうしし でんすけ とんこつラーメン= でんすけ =

 「豚骨ラーメン」
  600円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★★☆☆

 合志市の須屋で国道387号線から分岐して旧・七城町(現・菊池市)方面へ続く県道、通称「七城線」沿いに、昨夏に四角い箱のような建物が建ち、何かの店ができるんだろうと思っていたところ、秋になってもそろそろ冬を迎える頃になっても、一向に看板が出ないのでどうなっているんだろうと思っていたところ、昨年12月、ついに『ラーメン でんすけ』という看板と、1月2日オープンの予告が出ました。

でんすけ おみせのがいかん 正月2日に開店とは、また大胆な・・と思っていたところ、いつの間にやら1月17日オープンと予告看板が衣替えをしていたのですが、ラーメン屋の新規開店と知ったからには、どうしても一度は足を運ばねば・・ということで、いよいよ訪問を果たしました。平日12時を少し過ぎた時間帯なので、混雑しているのか気にしながらの訪問でしたが、案の定、駐車場にはかなりの台数の車。

 しかし、このお店の隣にはハンバーグ系のレストランが昨年春にオープンし、こちらはいつも繁盛しているため、共同利用らしき駐車場が混雑していただけで、隣のお店は玄関のベンチで待つ人の姿が見えたのに対して、広めの『でんすけ』の店内に客の姿はまばらでした。お店の内部は玄関を入った正面にガラス張りの厨房があり、厨房と向かい合わせで玄関に背を向ける感じのカウンター席が並び、左右のウィングにテーブル席がある構造になっています。

でんすけ てんないの ちゅうぼうがわ カウンター席横の厨房との出入り口付近にいたスタッフと目が合ったのですが、特にどこの席へと案内する風ではないので、「どこでもいいんですか」と訪ねると、「どうぞ」とのこと。開店からまだ半月、どこかまだ不慣れな感じがしました。テーブル席には、真ん中の衝立で対面した客が見えない構造のものがあり、知らずにファミリーで利用すると少々戸惑うかもしれません。

 さて、テーブルについても、一向に注文を取りにも来ない水も出てこない、もしやスタッフに見落とされてしまってたか・・と、厨房の方に様子を窺いに行っても、厨房のスタッフは全く気づかず。で、よく見れば、居酒屋チェーンにあるような店員呼び出しボタンが、それぞれのテーブルにあるのでした。だったら「ご注文がお決まりの方は、このボタンを押すとスタッフが伺います」くらいの表示はしておいて欲しいもの。でも、普通はすぐ、人数分の水くらい運んで来るでしょ??

 ボタンを押しました。凄まじい呼び出し音が店内の響いてギョッとしましたが、これくらい大きな音なら聞き漏らす心配はないのでしょう。スタッフに注文を伝えて待ちますが、相変わらず水は出てきません。他の客に目をやるとグラスは置いてあるし、テーブル上に水差しも置かれているので、いつまでも「水なし」のはずはないのですが、注文を聞きに来たスタッフは、グラスなし状態にあることが全く把握できなかった、ということなのでしょう。

でんすけ てんないの まどがわ 注文はオーソドックスな『豚骨ラーメン』で、運ばれてくるまでの時間は短めでしたが、案の定、グラスはなかったので「グラス、ないんですけど」と伝えると、「あ」と言いながら厨房の方に戻り、タイミングよくその時隣のテーブルにグループが来店したので、私の分も含めて一度に5つのグラスをトレイに乗せたスタッフ一人が戻ってきました。『ほら、やっぱり忘れてた!』

 さて、『豚骨ラーメン』の盛り付けは、かなり深めの丼の半ばから少し上あたりのところまで。盛り付け方の見た目の印象って美味しさの重要な要素だと思いますが、ラーメンがこの大きさの器にこの量だと少々貧相な印象を与えそうです。スープの量をあと少し減らして麺がもう少し表面に露出した方が、おいしそうに見えそうな気がしました。

 トッピングは、載せかたが不規則な薄めのチャーシュー3枚に、まばらなキクラゲ。縁に立っているはずの焼き海苔は丼の中の、しかも手前側にあって倒れてよく見えず、これではせっかくの海苔が泣くというものです。海苔を立てる位置すら、まだスタッフで標準化・共有化できておらず、トッピングの仕方だけで、おいしくなさそうに見えてしまいます。

でんすけ えいぎょうの りねんをかいた がく 麺は熊本のラーメンとしては細めで、むしろ博多ラーメンに近いもの。さりとて替玉はできず(メニューには載っていませんでした)、玄関には、熊本ラーメンを称えた営業理念のような情緒的な言葉が並ぶ大きな額が掲げられていたので、熊本ラーメンに属するのでしょう。それなりにコシはしっかりとしているようなので、茹で方の指定ができれば、さらにありがたいなと思います。麺はなかなかのデキで★4つとしました。

 変わった趣向は、二種類の味変アイテムがスプーン付きで、小皿に載ってついてくることでしょう。一つは辛味噌、もう一つは焦がしニンニクのマー油味噌。もともとのスープもやや味噌っぽい色があるので、よく合います。最初運ばれた際のスープは、どこかインスタントラーメン的な麦臭さが伴っていたのですが、マー油系味噌を溶いたところ定番・熊本ラーメンの香りになりました。

 スープは最近の傾向からすれば、むしろあっさり豚骨系のようで、それほどクセがなくまろやかな感じがします。反面、どこか一押しが足りないようにも感じました。調味料系の味はかなり少なめで、豚骨スープで正面から勝負しようという意気込みは感じられました。全体としてはまだ荒削りな未完成の一品で、これからスタッフも厨房も手馴れて、味も印象もどこまで変わってゆけるのか、楽しみなラーメンなのかもしれません。

でんすけ かべにはりだされたメニュー すいせんしゃ やくしょくめいいり 余計なお世話で一言付け加えると、屋号もお店の外観もいかにも居酒屋っぽい感じで、何だか間違えられそうな気がします。屋号は、別の感覚で選べなかったのかなぁ・・。ちなみに隣のハンバーグ系のお店は、親会社名そのままの読み方の『華乃屋』(かのや)ですが、こちらのラーメン店も同じ『かのや』という肉屋さんが経営しているお店のようで、壁に貼り出された写真入りメニューには、実名?と役職名付きで、オーナー会社の人物らしい方のお薦めの品であることが書かれていました(シャレだとは思いますが)。

 なお、所在地の番地がいろいろなネット情報に「5620-5」と掲載されているのですが、メニューの末尾に下記の住所番地が印字されていたので、こちらの「5620-3」が正解と思っています。お尋ねしたところ、定休日はまだ決まっていない、2016年2月中は休まず営業する予定、とのことでした。

所在地住所:合志市野々島5620-3
電話 番号:096-242-2400
営業 時間:11:00~24:00
店 休 日:未定
サ イ ト:なし

2015年12月29日火曜日

熊本市中央区・味千ラーメン(水前寺観光センター店)・味千ラーメン

味千ラーメン水前寺観光センター店・味千ラーメン大盛 = 味千ラーメン・水前寺観光センター店 =

 「味千ラーメン」
  600円
  写真は大盛り

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★★☆

 最近、毎月22日の味千ラーメン感謝デーにはよく足を運んでいるお店です。12月22日は都合がつかずに訪店できなかったので、年末最後の出勤になった29日に足を運びました。多数のお店を国内外に展開するチェーンなので、店舗ごとに味の違いがないようコントロールされているはずながら、やはり調理するのは人なので多少の違いは生ずることでしょう。味千系のお店3軒めのレポートになります。

味千ラーメン水前寺観光センター店・二階はレトロなボウリング場 通称「水前寺公園」こと水前寺成趣園の入口がある出水神社参道に面して、入口のすぐ脇に「水前寺観光センター」の大きな建物があり、二階は水前寺スターレーンというボウリング場で、一階が大型バスの観光客向けの土産物店とレストランになっています。味千ラーメンの公式サイトによれば、数年前ここにテナントとして入居してオープンしたようです。

 その水前寺観光センター、いかにも昭和の観光センター然として、正直なところ、神社や日本庭園の雰囲気には全く似合わない印象があります。全国の観光地にこういう施設が建設されたのは1960~70年代頃だろうと思いますが、その時代感覚のまま、場違いで老朽化した施設をそのまま放置した観光地は、いずれ飽きられてゆくだろうなぁと、個人的には思います。ついでにいえば、参道の土産物店にも、ゴチャゴチャと派手な色彩の看板やPOP、「著名人監修」であることが大書されたブランド頼みの商品が並んで雰囲気を著しく損ね、急速に国際化する観光客の肥えた目には、とても耐えうるものではない気がします。

味千ラーメン水前寺観光センター店・店内 とはいえラーメンが目的の訪店ですから、雰囲気には目をつぶることにしましょう。ドアを押して味千ラーメンの店舗に入ると、改装されたそのスペースだけは新しさがまだ残っているようでした。年末押し迫った日ということもあり、お昼時ながら客は少なめで、厨房に向き合うカウンターに一人、あとは大小のテーブル席に数名のみです。店舗スペースには20数席ありますが、団体などで混雑する時は、店舗スペースの外にある観光センターのホールに誘導することがあります。

味千ラーメン水前寺観光センター店・メニューと感謝デー案内 注文はオーソドックスに『味千ラーメン』。前回訪店した時にもらったサービスクーポン1枚で、大盛が無料になるというので、大盛りにしてもらいました。また麺の茹で加減もリクエストできるので、「硬め」で注文です。客数が少なく茹で時間が短めなこともあり、注文からラーメンが運ばれるまでは3分もかかりませんでした。

 トッピングは大きめのチャーシュー2片、半分に切った味玉子が2つ(=1個分)に、定番の刻みキクラゲ、刻みネギで、さすが大盛りのボリューム感が感じられます。テーブルには、好みで入れられる焦がしニンニクも置かれています。スープはもちろん豚骨ベースですが、味千ラーメン系(経営統合した、桂花ラーメンも同様)は全般に塩分が強めだと感じることがあり、今回もそうでした。あと少し延ばすトンコツダシの量を増やすか、調味液の量を減らす方がいいのではないかと思います。もちろん調味液には調味料系の味が混じります。スープは★3つ。

味千拉麺水前寺観光センター店・外観 麺はしっかり硬めに茹であげられ、中細でストレートな熊本ラーメンならではの食感を味わうことができました。価格は普通盛りが600円で頑張っていて、無料大盛りサービスのクーポンを考慮外としても★4つ。トータルでは、スープの減点を麺と価格でカバーして★4つです。

 ちなみに、2015年11月にBSジャパンで放映された番組が取材でこのお店を訪れ、松山千春の曲が得意という店長が登場して「私が水前寺千春です」と名乗っておられましたが、支払時にその店長と視線が合ったので「見ましたよ」と話しかけたところ、ニコッと笑って同じように「水前寺千春です」と答えてくれました。面白そうな方です。

所在地住所:熊本市中央区水前寺公園6-8 水前寺観光センター内
電話 番号:096-381-3741
営業 時間:11:00~19:00
店 休 日:無休
サ イ ト:http://www.aji1000.co.jp/

2015年12月15日火曜日

熊本市東区・あづまラーメン・あづまラーメン

あづまラーメン・「あづまラーメン」 = あづまラーメン =

 「あづまラーメン」
  450円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 国道57号線東パイパスの熊本インターチェンジ出入口近くにある、ドライブイン的な雰囲気があるお店です。『太一商店』を後にして、せっかくこのエリアまで来たついでにもう一軒、トラッドな豚骨ラーメンを看板に掲げているこのお店にも足を運んでみました。

 トラックが出入りする倉庫風の建物前の敷地にあるという、ロケーションのせいかもしれませんが、玄関を入ると、作業服姿の皆さんが食事をしている姿がチラホチ見えます。厨房に面したカウンター席と、ビニールクロス張りの向かい合った長椅子の間にテーブル、さらには畳敷きの小上りというレイアウトも、壁に張り出された色紙や照明器具も、昭和の時代を感じさせてくれるレトロな雰囲気。

あづまラーメン・メニュー メニューも負けじと、ラーメン類とチャンポンに、カレーと中華丼、焼き飯、ホルモン、餃子と並らび、大衆食堂の雰囲気は申し分ありません。しかも屋号を冠した『あづまラーメン』は450円という安さ。350円の『半ラーメン』もあり、極太麺200グラム+野菜増量の太一商店の後、まだ胃袋が消化中のところだったので半ラーメンかな?とは思いつつも、『あづまラーメン』にしました。

あづまラーメン・壁に貼られた色紙 壁の色紙をよく見ると、かのマラソンランナー増田明美選手のものもあり、インター近くということもあって立ち寄る客層は幅広いのかもしれませんが、普段はトラック運転手やタクシードライバーが好んで立ち寄りそうな感じがします。テーブルごとにティッシュボックスが備え付けられ、ドリンク・バーもあり、サービス精神はなかなかの様子です。

 数分後に『あづまラーメン』が登場。マー油が黒々と浮いたスープは、イカスミか、はたまは富山ブラックか・・・と思わせてくれますが、ここはれっきとした豚骨ラーメン。味玉子半分に刻みキクラゲ、チャーシューに刻みネギ、焼き海苔1/8サイズというトッピング構成は熊本ラーメンの王道をゆきます。

あづまラーメン・店内 さて、スープは調味料系の平板・無難な味がして、いささか期待はずれ。よく言えばあっさりとした感じですが、まろやかというのではなく、物足りなさが先に来ました。麺はしっかりコシもある、色白でストレート系中細の熊本ラーメン。茹で加減が柔らか過ぎることはなくいい感じなので、スープがますます残念です。チャーシューには若干パサつき感がありますが、お値段を考えれば贅沢は申しません(^^;。やや小さめの一切れですが、存在感はありました。

 全体として、何といってもお値段の安さはうれしいラーメン。『赤組』の390円には及びないものの、700円超えが当たり前になりつつある昨今の“こだわり”系ラーメン店の価格設定に比べると、大衆食堂の面目躍如といったところでしょうか。スープの残念さを価格でカバーして、総合は平均的なところで★3つですが、気持ちは★3つ半くらいです。

所在地住所:熊本市東区御領8丁目10-97
電話 番号:096-380-2828
営業 時間:10:30~21:30(材料なくなり次第閉店)
店 休 日:不定休(年末年始休み)
サ イ ト:http://www.adumara-men.com/

熊本市東区・太一商店・味玉子ラーメン

太一商店・「味玉子ラーメン」(野菜多め) = 太一商店 =

 「味玉子ラーメン」
  780円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本市内に居住していても東区に行くことはほとんどないのですが、珍しく用事ができて出かけることになったので、このエリアのラーメン店を訪問することにしました。熊本市は、東区・南区には新しいオシャレなお店や元気なお店がどんどんできるので県外から進出してきたラーメン店が多いのです。訪問した『太一商店』は、大分県が本拠地の企業が運営しているそうですが、ミニコミ紙で何度か広告を目にしたことがあり、なかなか面白そうなお店らしいのでターゲットにしました。

太一商店・外観 運動公園と市内を結ぶ県道沿いにあるお店は、市街中心部からかなり離れているにもかかわらず、平日昼のピーク時間帯は過ぎたはずの13時過ぎ、小雨の中を到着してドアをあけてびっくり!何ですかぃ?この行列??玄関から右側の券売機前にかけて7~8名が順番を待っていました。しかも、数分過ぎても一向に列は動きません。退却しようかと思ったものの、よく見ると、店員が少ないため、空いたテーブルの片付けと整備が追いつかず案内ができないだけだと気づいたので、少々気長に待つことにしました。

 案の定、店員の片付け作業が追いついてくると行列は動き始め、いよいよ券売機の前まで進んだところで、ズラリと並んだメニューボタンをあれこれさまよった末に、「味玉子ラーメン」780円を購入しました。順番待ちのベンチに座ったところで待ち時間は約10分。と、座ったところで目の高さにある表示に初めて気づきました。なんでも、食券裏側に印刷された、スープの濃さ・トッピング野菜の量・ニンニクの量・背脂の量を、多め・普通・少なめの選択肢のいずれかに備え付けの赤ペンで丸をつけることで、あらかじめ好みを店員に知らせてくださいとのこと。初見参ゆえ「普通」とはどの程度かわからないので、野菜の量を多めにした以外は、すべて普通にしてみました。

太一商店・厨房カウンター上の看板 さて、ようやく順番が来て案内されたのは、フロア中央にあるカウンター風のテーブル。横に並んだ座席がテーブルを挟んで向き合っていますが、中央に仕切板が立ちはだかり、向かい席の客とは視線を合わせずに済む構造になっています。視線を上に向けると、厨房カウンター上に「厚盛太麺 創業平成貮拾年」の看板が掲げられていました。太麺好きにとっては、たまらなく期待を膨らませてくれるじゃありませんか!

 待つこと約10分、ついに登場した野菜多めの「味玉子ラーメン」、なるほど、かの『波布食堂・野菜そば』の盛りには及ばないとしても、結構なボリューム感の山盛りで、野菜の山の脇に押し込んだ感じで、味付けされた卵と厚切りチャーシューが載っています。そのチャーシューは厚揚げと見紛うばかりの大きさで、厚さ15ミリはあるでしょうか。チャーシューというより、皮なしのラフテーに近い感じすらします。

 いよいよいただきます・・ところが、トッピング野菜の山がここで災い。下から麺を掘り出そうとすると野菜の山が崩れてこぼれそうになるので、野菜から先に食することになりますが、これが茹で上げて湯切りしてありますが、もともと水分が多いモヤシとキャベツなので、スープに浸さないと味がつかず、しかも浸したスープが普通の濃さでは、野菜と茹でた湯の水分に薄められて水っぽい味になってしまいます。野菜の量を多めにするなら、スープの濃さも濃くしておくべきでした。

 何とか野菜を減らしてから取り掛かることができた麺は、素晴らしい出来栄えでコシが強く粘りのある、文句なしの満点麺です。これがたっぷり200g食べられるとはうれしい限り。チャーシューも看板どおりトロトロ感が出て、厚切りであることをあまり意識させません。味玉子は二つ切りにせず丸ごと1個なのですが、野菜と太麺を口に運ぶと、どこか付け足し的存在になってしまう感じはありましたが、味付けはスープとよく調和しています。

 スープは野菜の水分で少し薄めに感じてしまいます。スープの濃さを補うためのタレがテーブルに置かれていましたが、調味料で味を濃くするのは気が向かずに使わずじまい。もともと調味料系の味が付加されている感じもあり★1つ減。麺好きが太麺の味をしっかり味わおうとするなら、野菜は普通盛りで止めておく方がいいと思いました。トッピングはチャーシューに免じて満点、これで780円なら安いというべきかもしれませんが、野菜量を普通とした価格比では★4つです。

所在地住所:熊本市東区小山3丁目4-18
電話 番号:096-388-4155
営業 時間:11:00~23:00
店 休 日:不定
サ イ ト:https://www.facebook.com/taichi.syouten

2015年10月21日水曜日

熊本市中央区・たんたんの郷・太肉八角麺

たんたんの郷・太肉八角麺 = たんたんの郷 =

 「太肉八角麺」
  1000円

 価格の満足度:★★☆☆☆
 麺の満足度 :★☆☆☆☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★☆☆

 新しいラーメンのお店が九品寺の『てしお』の近くで開店1年を迎えたと、地元版のタウン紙に割引クーポン付きで紹介されていたので、熊本ラーメンではなさそうですが、足を運んでみることに。割引クーポンの記事に定休日不定と書かれていたので、平日で仕事が休みの火曜日を狙い往復3時間の遠足つきで挑みました。

 10月下旬というのに、強烈な日差しに加えてこの日の最高気温は28.4度。まるで夏のような気候で、市街地に入る頃には汗びっしょりで、熱々のラーメンを食べるどころではなくなってしまったので、白川沿いの遊歩道の木陰に石のベンチを見つけてクールダウンすること20分。客が多いはずの昼休み時間帯の終わり近い頃、ちょうど汗がひいたところで川沿いの遊歩道を進み、通称『電車通り』の大甲橋下をくぐって岸を上がると、そこは九品寺ラブホテル街の一角。電車通りに面したエリアはNTT関連会社の大きなビルですが、一歩路地を入るとどこか妖しい雰囲気のビルが並びます。

たんたんの郷・お店の外観 その一角にある電柱には『たんたんの郷』への案内広告看板があちこちに出されていたので、「三回食べたら癖になる」などと染め抜かれた日除け暖簾が出ているアパート1階のお店には、迷わず到着できました。ちょうど目の前を三人組が店に入るところで、店内テーブル席にも人影が見えていて、どうやら流行っている雰囲気です。

 ドアを開けた店内は、まだ開店1年余りなので真新しい感じが残っています。券売機はなさそうなので、7席とも空いていたカウンター席へ。テーブルは12席あるようで、先客三人組と二人組に、目の前でお店に入った三人組がそれぞれグループに分かれても空席がありました。そのうち、先客の2グループは食べ終えたばかりだったようで、間もなくお店を出て行きました。

たんたんの郷・お店のこだわり さて、カウンター上のメニューを拡げてみると、薬膳的な材料に辛さがついたスープが売りのようで、熊本ラーメンではなく豚骨でもない四川料理の坦坦麺とのこと。それで屋号が『たんたんの郷』で、ベルギー生まれのTintin君が登場するわけではありませんでした。メニューの基本パターンは「八角麺」「酸紅麺」「しょうゆ麺」三種類のスープと、「太肉」「拝骨」「口水鶏」「榨菜」のトッピング四種類の組み合わせ。『当店の一押』と書かれていた八角麺に『採算度外視』らしい太肉を組み合わせた「太肉八角麺」を注文しました。

たんたんの郷・八角麺系のメニュー お値段は全体にかなり高いです。「全部乗せ」など特別なメニューではない通常品が900円~1000円、最も安い「榨菜しょうゆ麺」でも800円というのは、気軽にお昼に食べるには少々抵抗がありそう。ちなみに今回は、タウン紙についていた200円割引クーポン券を切り取って持参したので、注文時にクーポンを使う旨伝えたので、定価1000円の『太肉八角麺』を800円で食することになりました。

 注文の時に辛さを指定します。マイルドから大辛まで4段階あって、普段は辛めの方をお願いするところですが、スープの味をしっかり確かめたいので、マイルドにしました。それに、この暑い日に必要以上に汗をかきたくありません。

たんたんの郷・カウンター席 カウンター越しに見える厨房には、三人の男性スタッフ。手際よく分担して調理や片付けをしていましたが、一人に声をかけて撮影していいかを尋ねると、麺茹での男性に聞きに行きました。この方が店長なのでしょう、ずいぶん若い感じです。調理台には、ランチタイム11:30から14:30は食べ放題のライスもセットされた角盆が三枚並び、まずはタッチの差で先客になった三人分からの調理のようです・・・というわけで、待ち時間10分弱で『太肉八角麺』が運ばれてきました。

 赤褐色のスープはどこか赤味味噌的な色合いですが、やはり八角の独特の香りが漂ってきます。まず一口。ほほう、なかなかいい味わい。エキス系の濃縮ダシ調味料を使っている感じはせず、魚介系のあっさり感に近いような気がしました。辛さは確かに少ないのでじっくりスープを味わうと八角の香りがほのかに残ります。豚骨系とは違ったタイプなので、少々物足りない感じはありますが完成度は高く、★4つ(5つでもいいかな・・)

たんたんの郷・テーブル席 麺は・・・箸で赤褐色のスープから麺を持ち上げると・・・キターッ・・・極細ふにゃふにゃ食感の麺。細い麺類は、キリッと冷えた素麺(もちろん固ゆでの)を唯一の例外とする以外、全部苦手。だってもともと食感が良くないのに、食べているうちふやけてコシがなくなってくるので、急いで食べろと急かされる感じになり、落ち着いて食べることが到底無理だからです。そういうわけで、長浜・博多・久留米系の細いラーメンはどうにも苦手なんですが、ここの麺はさらに細い感じで冷麦レベル。これとわかっていれば「麺、バリカタ」と注文したのにと思ったものの、後の祭。坦坦麺とはこういうものと言われれば「すんません」としか言えないのですが、好みと正反対の麺には★1つ。

 一枚が30~35gあるとメニューに書かれた太肉は三枚・・というより三片。なるほど、厚みが1センチ以上ありますが、箸で簡単にほぐれるまで調理されています。こちらは絶品レベル。ランチタイム食べ放題のライスは、これだけでお代わりができそうです。うまい!!満点★5つ。

 要素ごとに大きく点数がばらつきましたが、お値段は絶対値として高め(1000円として評価)、スープとトッピングは美味しく麺は外した感じで、結局、総合は平均レベルで★3つくらいになってしまいます。麺が柔らかくても細くても大丈夫という方なら、とても美味しく味わえることでしょう。お値段がネックかなぁ、やっぱり。

所在地住所:熊本市中央区九品寺1丁目7-6 エンゼルハイム1F
電話 番号:096-363-8000
営業 時間:11:30~14:30、17:30~22:30(オーダーストップ)
店 休 日:不定
サ イ ト:なし

2015年2月6日金曜日

熊本市西区・埼陽軒・大盛ラーメン

埼陽軒・大盛ラーメン = 埼陽軒 =

 「大盛ラーメン」
  730円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 熊本駅は、かつて『九州一の大都会 人口五万四千あり』と明治期の鉄道唱歌にうたわれた熊本市の表玄関口だったこともあり、周辺の二本木には古い商店や旅館などが立ち並び、かつては遊郭もあった風情が残る地区でしたが、再開発でかなりのエリアの景観が変わってしまい、いずこも同じ新幹線駅前の街並みになりつつあります。

埼陽軒・外観 けれども坪井川を東に渡ればかつての雰囲気はまだ残り、この『埼陽軒』のように昭和の時代を感じさせてくれる懐かしいお店がそこここに。午前11時半近く、市電「二本木口」電停近くの橋を渡って東進すると、平日にもかかわらず数名が店外で行列しているのは、熊本ラーメン界に君臨する繁盛店の『黒亭』。横目に見ながら角を南へ曲がれば、目の前に『埼陽軒』の大きな赤いテント看板が見えていました。

埼陽軒・店内 見るからに大衆食堂然とした古びた平屋の佇まいは、繁盛の結果改装した『黒亭』とは対照的ながら、お店に入ると懐かしい温かさのオーラを放つような雰囲気が漂っています。カウンターでTVを見ていたらしい年配のオーナー男性と厨房の女性が、にこやかに「いらっしゃい!」と声をかけてくれました。行列をなす『黒亭』とは対照的に先客が誰もいません。

埼陽軒・店内と壁のメニュー 入口の正面がカウンターになっているほか、左側とその奥には小上りと座敷のテーブル席もあるようでしたが、厨房に対面したカウンター席の真ん中に陣取りました。左手の壁に貼られた“おしながき”と書かれたメニューを眺めると、麺類が中心でバリエーションはなかなか豊富なようです。『王様ラーメン』という一品は気になったものの、まずは基本メニューのラーメンを大盛で注文することにしました。それにしても手作り餃子が一皿10個で450円とは、ガッツリ食べたい系の方にはうれしいですし、「其の他トッピングは御申付下さい」とのことですから、モヤシ増量とか、チャーシュー増量とか、ゆで玉子乗せとか・・可能なのでしょうか?

 カウンター席の上には、これまた年季が入って色が変わった色紙が並んでいます。「星の王子さま」「ヘレン・ケラー」など、かなり場違い感のある文字が書かれた色紙が並んでいたので、何だろうと思えば、東京の劇団の方々が何度かの熊本公演の折に、いつもこのお店を訪問しているらしく、その演題が「星の王子さま」と「ヘレン・ケラー」だったようです。その隣には「アッと驚くタメゴロー」と書かれた、故・ハナ肇氏の色紙。1989年10月17日の日付になっていました。もう25年と少し前のものです。

埼陽軒・ハナ肇さんの色紙 “へーっ!”と感心しながら、厨房のオーナーにいつからお店をやっているのか尋ねると、昭和40年代からなので、もう40年くらいになるかなとの由。「昭和の雰囲気のままで・・」と謙遜されていましたが、こういう雰囲気は大好き。期待感も高まります。もうお一人の女性は年齢的にオーナーよりもずいぶん下で、私と同年代からもう少しお若いような感じもしました。お話好きなようで、待ち時間の間はよもやま話。

 いよいよ登場の『大盛ラーメン』。見るからに正統派の熊本ラーメンを、どうぞと出したオーナーは、「昔のままのラーメンで」と再び謙遜。昨今の味付けが濃いラーメン、コッテリを主張しすぎるラーメンには辟易としているので、この感じはうれしい!と、久しぶりに熊本のラーメンに遭遇した喜びは、スープを口に運ぶとさらに確信に変わりました。しっかり豚骨のダシを取り、まろやかさとほのかな甘味があり塩味もほどよく、背脂やコッテリは一顧だにしない、王道をゆくぜ!というスープは、極上の出来栄えで大満点の★5つでも足りないくらい。

 麺は煮えたぎる茹で鍋の木蓋の上に一度ほぐしながら並べ、蓋から滑らせるように鍋に投入するスタイルも、いかにも正統派。「気持ち硬めに」とお願いしていたので、中太ストレート系の標準的な麺は歯ごたえがあって茹で加減もほどよく、これも満足です。スープが5つ★でも足りない分も含め、麺も★5つ。

埼陽軒・カウンター上方に並ぶ色紙 トッピングのチャーシューは大きめの二枚。見た目には普通のチャーシューながら深い味わいと香りがあって、『秀ちゃんラーメン』や『大将軍』のチャーシューにもひけを取らないグレードです。その他、茹でモヤシが中央に盛られ、刻みキクラゲが施されたうえ、マー油か焦がしニンニクのいい香りもします。行列繁盛店のすぐ近くに、これほど素晴らしいラーメンがひっそり隠れていたとは!キラ星のような、熊本ラーメンの名店を一つ発見できたうれしさと満足感で、総合も文句なし★5つの満点です。

 機会を作って、次回はどうしても『王様ラーメン』を食べてみようと心に誓いながら、「また必ず来ますから」と厨房のお二人に声をかけ、ホッコリと幸せな気持ちでお店をあとにしました。派手さも個性もないけれど絶品のラーメン。つけ麺やまぜ麺、コッテリにこだわる現代ラーメン界の主流とは全く違う、何世代も前のスタイルのラーメンかもしれませんが、変わらない、否、変えてはいけない味を大切にすることの大切さを、『埼陽軒』のオーナーは40年以上実践し続けているのかもしれません。

 熊本一のラーメンと言いたくなるほど、素晴らしいお店でした。

所在地住所:熊本市西区二本木2丁目1-19
電話 番号:096-353-5609
営業 時間:11:00~23:00頃
店 休 日:月曜(ネット情報)
サ イ ト:なし

2015年1月8日木曜日

熊本市東区・九龍・ラーメン

九龍・「ラーメン」 = 九龍 =

 「ラーメン」
  640円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★☆☆☆

 新年最初の週は、いつもと違う場所で仕事をすることになったので、ふだんはなかなか通えないエリアのラーメンを狙うことにしました。熊本市東区から南区にはあちこち未訪問店がありながら、5年近く前にしばらく東町方面に通勤していた当時を最後に、このエリアで平日のお昼時にラーメン店に足を運べなくなっていたので。

九龍・お店の外観 事前リサーチでは、県庁前から第二空港線へ向かう県道沿いの東パイパス近くにラーメン店が二軒。一方は京都白川発祥の超有名全国チェーン店なのでパスして、もう一軒の方が今回訪問した『九龍』です。昼休みの時間帯ですが晴天ながら寒風が吹きすさび、寒くてたまりません。それでも仕事場から歩いて10分ほどで到着。お昼時で混雑しているか心配だったのですが、ちょうどお店の前まで到着した頃、店内から6名のグループが出てきたのでどうやら席の心配はなさそうです。

九龍・券売機 お店は黒と白の外壁を基調にアクセントとして赤を配した、結構目立つ外観です。最近開店するラーメン店って、こういう色使いがわりと多い気がしますが、気のせいでしょうか。外壁には「濃厚豚骨」「こってりは好きですか?」と看板が出されていて、興味をそそられす。さて、と・・・入店。店内には、テーブル3卓8席と厨房側カウンター3席+窓側カウンター5席、それほど収容人員は多くありません。先客は6人。陣取る席を探していると、「そちらでチケットをどうぞ」と、店員さんが声をかけてくれました。振り向けば入口横に券売機。

 押しボタンにセットされた品名をスキャニングすると、ここのお店も最近の定番『つけ麺』もウリにしているらしいのですが、正攻法でシンプルな『ラーメン』のボタンを押しました。ラーメンには、プラス180円の『肉増しラーメン』とプラス160円の『野菜増しラーメン』が別メニューになってます。その他に『つけ麺』4種と『油そば』。トッピングのオプションでチャーシュー、煮卵、ネギをそれぞれ別料金で追加できるようですが、追加しませんでした。ご飯か炒飯と餃子を組み合わせてセットにもできるようですが炭水化物多過ぎ(^^;なのでパス。・・とか言いつつ、しっかり替玉(100円)しましたが・・。

九龍・店内 窓際カウンター端の席に陣取ってチケットを店員さんに渡すと、「こってりとあっさり、どちらにされますか?」と問われたので、ここは絶対にウリの濃厚豚骨を試すというものでしょう。「こってりで。」とお願いしました。店内を見回すと、壁には夥しい数の色紙が貼られています。よく見るとその大半は、『激辛つけ麺』を完食したチャレンジャーたちのもの。地元民放TV局情報番組のレポーターたちの色紙とは別の区画に貼り出され、その数42枚(2015年1月8日12時20分現在)。

九龍・ 激辛つけ麺挑戦者求む! 『激辛つけ麺』は(辛さ)熊本No1を謳い、完食者には次回の来店時に一品サービスだそうですが、その旨を知らせるポスターと並んで「体に異常が出ても当店では一切責任を負いかねます」と注意書きが・・。これは心して自己責任で食べねばならない・・のでしょう。カウンター席の並びにいる男性3人連れがどうやら『つけ麺』を食べている様子ですが、辛さに耐えながら    “なじり食い”の様相、かなり汗も流している様子なので、辛さは不明ながらも実に辛そうです。メニューを見ると、辛くない『つけ麺』から始まり『ちょい辛つけ麺』『大辛つけ麺』『激辛つけ麺』まで、辛さが4段階でエスカレートしてゆく(?)ようでした。

 少し待ち時間があってラーメンが運ばれてきました。これまた最近のお約束のようにステンレスの盆に載っています。まず驚いたのは、スープの粘り気。葛湯か何かのようなトロッとした外観です。レンゲで一掬いして口へ運ぶと、「うわっ・・」。濃厚を自負するだけあってコラーゲン感たっぷり。これだけで濃厚感は十分過ぎるくらいです。塩分はそれほど濃くありません。麺はかなり細麺ながらもコシはシャキッとして、なかなかの出来栄え。ただ、この濃厚すぎるスープは、3口ほど食べたところでクドさを感じ始め、替玉をする頃には“もたれ”感発生。

九龍・窓に貼られたメニュー それでも、皿で供された替玉の茹で湯がスープを少し薄めてくれただけでなく、ラーメンらしい麺の香り(これが大好き!)も“味変”効果の救いの手を差し伸べてくれました。毎度ながら、細麺ではなく隣席で苦戦中の『つけ麺』のまるでうどんのように見える太麺を味わいたいなぁ・・と思いつつ、麺はやや苦手の細麺としてはいい感じの★4つです。一方で、ストライクゾーンがあっさり系にシフトしたオジさんの味覚には、このスープはエイリアン・・★2つ。ノーマル系熊本豚骨ラーメンの白いスープが懐かしか~・・。ただ、通常の倍量の豚骨を3日間煮込んだというスープには、必ずやハマる若者たちが多数いると思います。これぞ好み!という方がいてもおかしくない、手間のかかったスープであることは確か。

 トッピングのチャーシューは、ハッキリ言って物足りません。市販の薄切りベーコンくらいのボリュームが1枚だけ。厚み2ミリくらいでしょうか。炙りが入って香ばしいのはいいですが、替玉投入まで食べずに温存するとは、なんだか寂しい(;_;)です。その他、刻みキクラゲと刻みネギ。煮卵はデフォルトでは入ってません。トッピングも★2つ。麺の良さはいいと思いますが、濃厚が過ぎるスープは好みがはっきり分かれそうで、私の胃袋は久々に悲鳴を上げてしまい、総合は★2つになりました。

所在地住所:熊本市東区健軍1丁目28-1
電話 番号:096-285-4030
営業 時間:平日11:30~14:45、18:00~22:30 日・祝日11:30~22:30
店 休 日:火曜
サ イ ト:なし