2012年11月21日水曜日

熊本市中央区・すいほう(酔虎)・ラーメン

すいほう(酔虎)・ラーメン = すいほう(酔虎) =

 「ラーメン」 530円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 スープ満足度:★★★☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 熊本市街地の交通センターから熊本駅にかけて、かつて古町と称された城下町エリアは、地場の事業所や個人商店がありながら、普段はあまり訪れる人もなくいつもどこか寂しそうな風情が漂うのですが、古くからの町名が残され歴史を感じさせてくれる町並みの一角で、ご夫妻で息長く続けているのがこのお店です。

すいほう(酔虎)・外観 オーナー夫妻のお話では、長年、横紺屋町の熊本商工会議所の近くでお店を営んでいたとのことですが、十数年前から現在の地に移って営業を続けているとのこと。昔ながらのラーメン屋さんの雰囲気が色濃く残る懐かしい雰囲気のお店は、厨房がすぐ目の前のカウンター5席だけ。どんなお客さんとも親しく会話を楽しんでおられる、オーナーご夫妻のポリシーを感じさせてくれます。

すいほう(酔虎)・壁のメニュー札 メニューは豊富。暖簾は『味自慢 ラーメン』になっていますが、食堂と呼ぶ方がいいかもしれません。ラーメン各種の他、焼きソバ、チャーハン、中華丼に天津丼、熊本名物『太平燕』(タイピーエン)などが壁に貼られたメニュー札にズラリと。昼下がりの時間帯なので、基本メニューのラーメンを注文しました。

すいほう(酔虎)・壁のメニュー札続き 先客がお一人おられて、ご主人は私の眼前の大きな中華鍋で注文のチャーハンを「タッタッカタカタ、タッタッカタカタ・・」とリズミカルに炒めつつ、ヤマメとアマゴの違いは・・など、釣り談義をしているところでしたが、そのお話が一段落したところで、私がお店のことを尋ね始めると、今度は奥さんがお話に応じてくれました。

 そのお話の途中で登場した『ラーメン』、トッピングのゆで卵半分の上には、コショウが振りかけられる・・というより黄身がほとんど見えないほど盛られたかのように乗っていて、今にもスープにこぼれ落ち風味を損ねそうなので、慌ててそのまま卵半分を一気に口に放り込み目を白黒。ああ、しかしこぼれたコショウはやはりスープに溶け込み、味を変えてしまいました。

 コショウかけ卵の味がようやく消えたところで、いよいよラーメンを味わうことに。奥さんのお話は佳境に入って、この界隈の町並みや個人商店の消長、後継者不在の廃業続きなどに及ぶに至り、しばし手と口を休めてはお話をしながら食することになりました。

すいほう(酔虎)・店内 トッピングは卵の他に、小ぶりのチャーシュー2片と刻みキクラゲ、刻みネギ、少々のマー油と、熊本ラーメンの王道です。麺は熊本ラーメンとしてはやや細めのストレート系で少し黄色がかっています。ただ、茹で加減は少々柔らかめで、食感はやや物足りなさを感じ、麺は★2つ。

 スープは豚の頭を使っているそうで、柔らかさはある感じなのですが、惜しむらくは調味料的な味が後に尾を引くことでしょうか。また、もう少し味の深みが欲しい気がしたのですが、お話では、早い時間帯はスープ仕込み時間の関係でどうしても「あっさり」になるので、ラーメンにいつも同じ味を求めるのは無理、こってりした感じが好きなら、夜遅く食べるのがいいとの由。ともあれ、後の残りを感じつつもう少し深みが欲しいので、スープは★3つ。その一方で、お値段の530円はうれしい設定で★4つ。総合では★3つとしました。

「酔虎(すいほう)」近くの「ばんざい饅頭本舗」[2008年7月撮影] この界隈には古い商店や建物がまだ比較的残っているので、最近よく足を運んでいます。近所には『ばんざい饅頭』を売っている『萬歳堂本舗』という和菓子屋さんや『富重写真所』という熊本市で一番古い写真店があったりと、歩いて探訪するのがとてもワクワクするエリアです。ただ、『すいほう』の奥さんのお話では、古くからの地元個人商店はいずこも後継者がおらず、いずれ全て姿を消すはずという、とても寂しいお話でした。

「酔虎(すいほう)」近くの「富重写真所」[2008年7月撮影] そうなると、主を失った古くからの貴重な建物はどんどん取り壊され、マンションや駐車場に変わってゆくことになり(現にかなり進行しています)、非常に残念ですが、新幹線の開業で遅まきながら熊本市がその観光資源としての可能性に、やっと気づいたようなので、古い町並みがこれからも残ってゆくといいのですが。

所在地住所:熊本市中央区船場町下1丁目19
電話 番号:096-324-3412
営業 時間:11:00~15:00,17:00~23:00
店 休 日:日曜
サ イ ト:なし

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