2012年12月21日金曜日

熊本市中央区・味乃文化城・文化ラーメン

味乃文化城・文化ラーメン = 味乃文化城 =

 「文化ラーメン」 380円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★☆☆☆☆
 具の満足度 :★★★★☆
 総合    :★★★★☆

 水前寺駅前の『竜保』に立ち寄った日、その斜め向かいに何と380円でラーメンを出している、いにしえの雅が漂うその名も『味乃文化城』というお店があることに気づき、以来ぜひ訪問したいと機会を窺っていましたが、ようやく訪問することになりました。

味乃文化城・外観 『味乃文化城』!頑として、時代に迎合せず流されず信念を貫く矜恃を秘めた“文化の城”は、ホテル駐車場の目隠しテントと見まごう?ばかりの赤いビニール暖簾を掲げ、我ここにあり!と自己主張をしているのです。そのビニール暖簾をくぐり、いざ突入・・と思っても瞬時ためらう文様入りガラス戸越しの店内の暗さ。いや、確かに蛍光灯の明かりらしきものが灯されているので、ガラス戸を開けて店内へ。

味乃文化城・店内 ガランとしたお店の奥に年配の女性が一人立ち、私の姿を認めるや、そそくさと厨房へ入り準備を始めました。店内はカウンター席が7つほどに、小上がりのテーブルが1卓、奥は住まいの茶の間のような感じの部屋で、やかんが載ったトラッドな石油ストーブが燃えていますが、その部屋もひょっとするとお客さんが上がるのかもしれません。

 先客が誰もいない店内は何だか寒々とした風情ですが、お昼時をかなり過ぎた時間帯のせいもあるのでしょう。ともあれ、目的の380円『文化ラーメン』を注文し、カウンター席向こうの厨房を見ていると、何やらラード風の脂を容器からすくって丼に投入している模様。もちろんスープは大きな鍋から入るのですが、コッテリ感を増すための添加?なんでしょうか。

味乃文化城・メニュー 他のお客さんがいないので、『文化ラーメン』は超スピーディに登場しました。スープは少し褐色寄りで味噌ラーメン的な色合いにも見えますが、まずは一口。いささかの塩気のトゲトゲしさと脂がまとわりつくような感じに加えて、甘みのようなネチッと尾を引く感じもあります。ベースの豚骨ダシそのもののはかなり丁寧に取られているようなので、仕上げ方に課題があるのかも。ちょっと残念です。

 麺はストレートの中太麺で、茹で加減はほどほどの柔らかさ。私はもう少し茹で時間短めが好きなのですが、標準的な★3つというところでしょうか。トッピングはお値段から想像していたクォリティをはるかに超えて、他店と比較しても遜色ないどころか、チャーシュー2片の厚みが半端ではなく3~4ミリありそうです。惜しいことにはこの厚みが裏目に出て、食べる際にまだ冷たさが残っているうえ、硬めの肉質ゆえスープと馴染んでいません。その他、トッピングにはゆで卵半分と刻みキクラゲ、刻みネギ。焦がしニンニクも散らされています。

味乃文化城・壁のメニュー けれど、何と言おうが380円というお値段はインパクト十分。食べながら、オーナーの女性に値段の安さについて尋ねたところ、話がすっかりはずんでいろいろなお話を聞くことができました。この場所でお店を続けて35年、その前は、熊本市の東にある大津町でラーメン店をされていたそうです。

 ネット検索をかけると、菊池郡大津町には『文化ラーメン』が今も二軒あって、うち一軒は他の一軒と無関係とアピールし、その「無関係」の方には、熊本市水前寺の本店からのれん分けしたと付記している情報があって何だか複雑な事情があるみたいです。どこが本家やら分家やら・・・いずれにしても『文化ラーメン』が大津町に関りを持つのは確かなようです。

味乃文化城・店頭のメニュー看板 お値段の380円は、7~8年前に亡くなられたご主人が『値段は上げるな』と言い残されたがゆえ、ずっと変えずに続けているのだとか。また、夫婦でお店をやっていた頃からずっと、お正月は10日過ぎに店を開けることにしていたので、それを踏襲し続けているそうで、さらに最近は一人でお店にずっといるのとは違う世界の楽しさに気づいて町内会の行事に参加するため、そのような日はお店を休むことにしたのだとか。それから夜の営業時間は遅くまでやっている方がお客さんが多いのはわかっているものの、自分が飲めないためお客さんのお相手ができず、女性一人ゆえ悪い酔客に手こずる心配もあるため、18時には店を閉めているそうです。

 すっかり話込んで楽しいひと時を過ごせたオーナーのお人柄はうれしく、安いお値段のいきさつも伺って敬服したこともあり、スープに課題は感じたものの総合は★4つとしました。お店をあとにしてから、うかつにも屋号の由来をお聞きかるのを失念していたことに気づきましたが、また次の訪店時の課題としましょう。

所在地住所:熊本市中央区水前寺1丁目10-8
電話 番号:096-383-4926
営業 時間:12:00頃~18:00頃(変動する場合あり)
店 休 日:月曜、12月26日頃~1月上旬、用事がある日は不定休
サ イ ト:なし

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