2013年1月25日金曜日

熊本市中央区・赤組・よくばりラーメン

赤組・よくばりラーメン = 赤組 =

 「よくばりラーメン」 680円

 価格の満足度:★★★★★
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★☆☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 熊本市の中心部で若手オーナーの飲食店が競い合うエリアになっている、上通りと国道3号線の間に2012年5月5日にオープンしたお店で、山鹿市の旧・鹿本製糸の古い土蔵を移設・改装したビアホール『壱之倉庫』の大成功をキッカケに、土蔵・古民家リノベーション店舗を展開している企業グループがやっていた居酒屋『さくらさくら』を、ラーメン店にリニューアルしたようです。

赤組・土蔵風の店舗 もともとの戸口をそのまま利用していた『さくらさくら』の奥まった玄関ではなく、通りに面して広々とした入り口が作られて、開放的な雰囲気になった感じがします。内装にはかなり手を入れた様子ですが、骨格の黒ずんだ古い梁や柱は、引き続き活用されています。暖簾をくぐって新設の引き戸から店内に入ると、若い店員さんたちが元気に迎えてくれました。

赤組・メニュー このお店のウリはラーメン390円という低価格。好立地のテナントゆえ賃借料はかなり高いと思うのですが、にもかかわらず低価格を実現・継続するのは、かなりの来客数が前提になるはず。店内にはカウンターが10席ほどとテーブルが5卓ほどあるでしょうか。キャパシティはかなりありますが、平日昼の2時を過ぎていたということもあり、誰もお客さんがおらず、店員さんたちの『まかない』タイムのようでした。

 新メニュー『よくばりラーメン』680円を500円に割引してくれる、2013年2月末まで有効のクーポンが地元タウン紙についていたので、今回は、それなら!と出かけたわけですが、もしかすると来店者数が思ったほどではないのかな・・・と、少々心配しながらもクーポンはありがたく使わせていただきました。

赤組・店内 店内を見上げると太く曲がった梁などの骨組みが見えていたり、欄間のような透かし彫りがあったり、古い土蔵らしい趣を感じられるのですが、いかんせん、カウンター席などの什器類などいくぶんは民芸調に仕立ててありつつも、明るい朱色がベースの内装には何となく落ち着かないミスマッチ感。建物の魅力をもう少し活かしたらいいのになぁ・・と思います。

 とはいえお値段で勝負の『赤組』さん、『よくばりラーメン』680円はやってくれます!スープがほとんど見えないくらいのトッピングは、チャーシューが丼半周に5枚、2つ切り半熟卵が2個、太いメンマが数本と刻みキクラゲ、刻みネギもどっさり。その下にはモヤシも隠れていました。このお値段にして圧倒的なトッピングのボリューム感でコストパフォーマンスは文句なく★5つ。

赤組・カウンター席 かといって麺が少ないなんてこともなく、それなりの分量があって、ゆで方も少し固めでいい感じです。縮れが少しだけ入った感じの標準的な太さの丸麺ですが、ちょっとだけパサつき感がするのは、熊本ラーメンゆえかもしれません。欲を言えば粘りっ気も欲しいかな~・・・の★4つ。さて、ボリューム感満点のトッピングと麺を口に運ぶうち、気になり始めたのは、トッピングの多さと季節ゆえに具材の冷たさを感じてしまうこと。

 それゆえ、具材が麺とスープのせっかくの熱さに馴染まず、麺は麺、具は具・・という“てんでバラバラ”感を生んでしまう結果、『よくばりラーメン』という一つの料理ではなく、あれもこれも寄せ集めただけに感じられてしまうのです。さらにチャーシューの肉質も固めで、味はスープとの親和性がもう少し欲しいところに、モヤシとメンマの水っぽさもスープに馴染みきれません。トッピングは質に課題ありということで、量には大満足ながら★3つ。

赤組・外観 スープは、一口めには「これはこれでいいのかな」と感じた豚骨ベースでしたが、食べていくうちに次第に重い感じになってきました。こってりというタイプではなく、むしろあっさり系と言ってもいいはずですが、後に残る甘ったいような感覚が次第に口と胸にジワジワと浸透してゆく感じ。食べ終わった後もずいぶん長い時間、その感じが口中に残ってしまいました。午前中に『大将軍』で絶品チャーシューの『焼き豚ラーメン』を食べていたということはありますが、腹にもたれる感じではない口に残る感じですから、その影響ではないと思います。

 お店のサイトもあるので覗いてみると開店当初のままのようで、メニューの呼び方が変わったり新しい品が増えたりしているのですが、一番の違いはチャーシュー。サイトのものは沖縄そばに載る三枚肉のような感じだったのですが、盛り付け方も含めて今はずいぶんイメージが違い、いろいろな工夫・改善はされているようです。

赤組・登場ではなく登上とは? ところで、今回食した新メニュー『よくばりラーメン』の写真つきPOPが店内あちこちに貼られていましたが、なぜか『新登場』と書くのが普通のところ『新登上』と書かれています。さらに上級の品が登場したという意味を込めあえてそう表記したんでしょうか、それともただの勘違い誤字(^^;??屋号『赤組』の由来は尋ねるのを忘れてしまいました。紅白歌合戦とは無関係だと思いますが(^^;。お店のサイトにも屋号の由来については何も書かれていないので、わかりませんでした。残念!

所在地住所:熊本市中央区上通町7-29
電話 番号:096-325-8766
営業 時間:11:30~23:30
店 休 日:無休
サ イ ト:http://www.akagumi.jp/

2013年1月16日水曜日

熊本市中央区・葦善・らーめん

葦善・らーめん = 葦善 =

 「らーめん」 600円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★☆☆☆
 総合    :★★☆☆☆

 市電との乗り換えを便利にするため100メートルほど東へ移動した、JR新水前寺駅前の通称『電車通り』に面しているお店です。ツタが鬱蒼と茂る3階建ての外観はかなりディープですが、お店の側の歩道よりも反対側の歩道から見た方がそれとわかりやすいでしょう。ラーメン店というよりも居酒屋の雰囲気が強いのですが、赤提灯にも幟にも「らーめん」と書かれています。

葦善・外観 お店の入り口に『半額』の文字が見えたので何だろうと見入ると、どうやらコンビニで販売される地元タウン誌のクーポンを持参すると半額になるらしいのですが、もちろんクーポンは持っていないので諦めて店内へ。昼間でも薄暗い雰囲気はまさに居酒屋そのもの。文教・商業地域に立地しているためか、平日の昼休み時間帯ながら先客は誰もいません。カウンター前に掲げられたメニューには『おでん』から始まり炭火焼と串焼の品々にまぎれてラーメン類が載っていたので、奥の女将さんに『らーめん』を注文しました。

 さて、カウンター席で待っていると別のお客さんがご来店。何やら女将さんに紙切れを差し出しています。「はい、○○○○らーめんね」と、件の地元タウン誌の名前つきで復唱。どうやらその半額クーポン持参でのご来店のようです。あ~あ、やっぱり何だか損した感じ・・・。

 カウンター席に男性客が二人だけの店内には、やけにTVの音だけが大きく響きますが、きっと夜は酔客で賑わうことでしょう。どんな酒が置かれているのかと周囲を見回して観察しているところに、『らーめん』が運ばれてきました。スープは少し濁っていますが、こってりした感じには見えません。例によってスープを真っ先に口へ運ぶと、豚骨ベースながらサラッとしてアッサリタイプの合わせダシのようですが、もう少し奥行きが欲しいような。それから後に残る感じが少々あり★2つ

葦善・昼の定食メニュー 麺は熊本ラーメンとしては標準より気持ち細め?のストレート系丸麺。茹で加減は、固麺好きの私には少し柔らかめに感じました。量は過不足ありませんが、もう少し粘りが欲しく麺も★2つ。メニューには『当店では最高においしい状態でお召し上がりいただきたい為、替玉はしておりません。』と大書されており、量を食べたい場合は大盛りが+150円です。細めの麺にコシを求めるのは難しいのかもしれませんが、時間をかけて大盛を食べる間に麺が軟化してゆくよりも、替玉で茹でたての硬さを再度味わえた方が『最高においしい状態で』の主旨には合致うような気もしますが、替玉でスープが薄まらないようにとの配慮を優先させているのでしょう。

 替玉に醤油を垂らして供して薄まる塩分を補給したり、替玉のタレを置いたりするお店もありますが、スープの濃さと麺のコシのどちらを優先するかは、好みが分かれるところでしょう。いずれにしろ、熊本ラーメンにはもともと存在しなかった替玉を、他地域の方法を取り入れメニューに載せるお店が増える中で、『替玉なし!』の判断を貫くのは一つの信念かも。

葦善・店内 トッピングはチャーシュー2枚と刻みキクラゲ、刻みネギ、焼き海苔1/8サイズ1枚。お値段比では少し寂しいかなという気がします。チャーシューは大きさや厚みはまずまずでしたが、『大将軍』の絶品に遭遇した直後だからでしょうか、肉質が硬めでスープとのなじみがいま一つ。そんなこんなでトッピングもまた★2つでした。

 全体として、お値段は標準的な価格帯でバランスよくまとまった一杯ですが、ラーメンとしての要素には、それぞれもう少し何かが欲しい感じがしました。しかし、夜の居酒屋モードで締めの一杯として味わうラーメンなら、こういうあっさりとバランスのようタイプの方が、個性的なラーメンよりも好まれるかも。

 このお店の圧巻はとても話好きで気さくな女将さん。営業時間を尋ねただけで3分間ほどお話ししていただけました(^^;何でもこの地で56年になるお店は、居酒屋風にしてはいるもののメインは誰が何と言おうとラーメンだそうで、刺身を切らしても店は閉めないが、麺を切らしたらその時点で営業時間内でも閉めるのだそうです。居酒屋モードでの営業時間、本当は午前1時までにしたいところ、息子さんが張り切って午前2時頃まで開けると言うので、それで続けているとのことでした。

所在地住所:熊本市中央区国府1丁目11-4
電話 番号:096-362-6904
営業 時間:11:30~14:00、17:30~翌2:00頃
店 休 日:無休
サ イ ト:なし

2013年1月10日木曜日

熊本市中央区・大将軍・ラーメン

大将軍・ラーメン = 大将軍 =
  2013/1/10訪店
 「ラーメン」 600円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :☆☆☆☆☆
 スープ満足度:★★★★☆
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

大将軍・ラーメン   2013/1/25訪店
 「焼き豚ラーメン」 900円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 スープ満足度:★★★★★
 具の満足度 :★★★★★
 総合    :★★★★★

 先日訪問した行列店『呑龍』の裏手を流れる川沿いの気持ちのいい散歩道を産業道路から南下して、熊本大学医学部の南側まで足を伸ばすと、交差点近くに一軒のラーメン店を発見。居酒屋のような民芸風看板には『大将軍』と大書されています。交差点をそちらに渡ってお店に行ってみると幅の狭い扉が2つ並らび、左扉が大きな看板のすぐ右隣だったので、一瞬そちらが入り口かと思えば、暖簾は右扉にかかっていました。暖簾には「ちゃんぽん」「ラーメン」の文字が染め抜かれています。

大将軍・店舗正面 周囲は商店街というわけでもなく、主に民家やアパートなどが並んぶ道路沿いのアパート一階にテナントとして入っているのが『大将軍』。繁華街の有名店とは違って、こちらも細く長く愛され続けているお店のようです。右隣は「テナント募集」の看板が出されていました(2013年1月時点)。扉を開けると大変間口が狭く、しかも先客が一人入り口に一番近いカウンター席に陣取り、背後はトイレらしいスペースが張り出し、店に入るのにも苦労するほどで、二人すれ違うのがやっとくらいの幅の店内には、厨房対面カウンターが6席、背中合わせになる壁側のカウンター5席が設けられており、混雑時に席を詰めて使うのか予備椅子が2つ置かれていました。

 厨房対面のカウンター席上に貼られたメニューには、『ラーメン』の他に7種類のラーメン・バリエーションと『ちゃんぽん』があり、選択の幅は広いようですが、ここはまず『ラーメン』を注文。もともと車の通行もさほど多くない道路に面していることもありお店はとても静かな環境にあるのですが、“お約束”どおり流されている一番奥に置かれたTV音声は賑やかです。

大将軍・厨房 カウンター越しに厨房の様子を窺うと、年季が入った厨房のステンレス壁や什器類には磨き上げられた清潔感があり、整理整頓も隅々まで行き届き、オーナーの真摯な気持ちが窺えます。そうするうち、焼豚が何本も載ったトレイが2枚どこからか取り出され、厨房向こう側の調理台に置かれました。トレイ1枚に8本整然と並らぶ、同じ太さと長さにきちんと整形された焼豚を縛っているのは、糸というより縄。厨房に背を向ける反対のカウンター席上の本棚に並んだ『鬼平犯科帳』や『藤枝梅安』のコミック本も巻数昇順にキチッと並んで整頓されています。お店の隅々までオーナーの目が行き届く様には感服、実に几帳面で妥協を許さないオーナーとお見受けして、このことだけでも『大将軍』、大好きになりました。

大将軍・トレイに並んだ焼豚 さて、先客お一人は入店時にすでに食事中だったので、私が注文したラーメンの調理にはすぐ取り掛かったはずなのですが、「お待たせしました」と、にこやかな女性店員がお盆に載ったラーメンをカウンター越しに手渡してくれるまでには、注文から6~7分ほどが経過していました。ここに、私にとっては大きな落とし穴が・・・。

 それから、手渡される直前かの女性店員さん出来上がったラーメンを置き、私の正面、視線の先にちょうど見えるコショウの缶を取り上げた!思わず絶叫、「あ、コショウかけないで!すいませんっ!」 これをされては、豚骨スープの芳香も麺の香りも瞬時に台無し!店員さん、ビクッとしたようにこちらを振り向き手を止めてくれたので、どうにか事なきをえました。危ない危ない・・。

 出来上がった『ラーメン』には大きく厚い焼豚が2枚。当地では珍しく(沖縄では普通だけれど)豚肉の皮がついたまま調理されているようで、久しぶりの三枚肉風の焼豚は涙が出るほどうれしいものでした。スープは白い濁りが強くポタージュと呼んでもいいほどで、マー油があしらわれています。まずスープから・・・

 『!』 まろやかでコクがあって雑味がなく、見た目の濁りとは対極的な澄んだ味。後に残る感じもごく僅かでスッキリとしています。惜しいことには塩味がいくぶん強めで、少し塩分控えめの方がスープの味はより生きると思うのですが。その一点を除けば何と完成度の高いスープでしょう。塩分で★1つ減の★4つですが、気持ちは4.5という感じです。

大将軍・店内 さて麺です・・・。私の感覚では茹で過ぎです。もともと細めのストレート系で、長浜ラーメンの太さより少し太いくらいなのですが、もう完全に煮えて伸びてコシ抜け状態になりフニャフニャ、まるでカップ麺の柔らかさです。待つ間、麺を茹でる男性店員さんの仕事ぶりを見て気が気ではなかったのは、湯切りザルの中でボイルされている麺を何度も箸で持ち上げほぐしては、また湯に戻す、その麺の状態が遠目に見ても十分火が通っていて『あ、そんな茹でてほんとに大丈夫?早く出して』と思ったのに、さらに2分ほど茹で続けていることでした。しかもその麺の量が少ない。普通で大盛りクラスの『呑龍』の後だからではなく、ごく普通量を4回口へ運んだら、もう麺がほとんど残っていない・・・くらいの感じでした。こと麺に関しては、質・量ともに非常に不満足で★付かずの0個。

大将軍・お店の外観 『なんじゃ、この腰抜け麺・・・(-_-)』 少々穏やかならぬ心境になっていたその時、大逆転劇が起こりました。焼豚を口に運ぶと再び『!!』 トロッととろける食感は、周囲の皮がコラーゲン状態になっていることもあってさらに感覚倍加!しかもその至上の香りと味。こんなにおいしい焼豚・チャーシュー、これまでお目(口?)にかかったことがあったでしょうか。西辛島町電停前の『秀ちゃんラーメン』のチャーシューも良かったですが、さらにその上を行く味です。ちなみにお店の周囲には熊本市の食肉センターがあったり畜肉関係メーカーが多かったりで、もしやいい豚肉が入手しやすい環境・・・なのでしょうか?

 トッピングは、至上の焼豚2枚のほかに焼き海苔1枚と刻みキクラゲ、刻みネギ、ゆで卵片。お値段からは標準的なところでしょうが、焼豚の味わいが麺のゆで方の大きな欠点を補って余りありすぎるくらい、お店の雰囲気やオーナーの几帳面さには敬意を表して、麺★0でありながら総合★5つの満点としました。食べ終えた後、麺とスープ・焼豚のあまりのギャップに釈然としない気持ちを持ちつつ、また食べたいと思わせてくれるのは、やっぱりおいしいからに他なりません。これで麺にコシがあれば、熊本ラーメン最高峰たりうる可能性を十分秘めていると思います。

 ああ、それにしても疑問、疑問、疑問は麺。麺は柔らかいものがいいというポリシーならお店のスタイルで仕方ありませんが、硬麺も選べるようになっている方がうれしいです。次回もし足を運んだら、失礼な客と思われようが開口一番「バリ堅麺、コショウなし、塩控えめ!」と叫んで、チャーシュー麺を味わってみるとしましょうか。

2013/01/25 追記

 あのチャーシューをもう一度味わいたくて、『焼き豚ラーメン』を食べに行きました。もちろん硬麺でオーダーです。チャーシューは5枚入って、もう大満足です。皮付きのチャーシューについてお聞きしたところ、やはり業者にお願いして皮付きの豚肉にしてもらっているそうです。

 スープは実にまろやかで上品。前回よりさらに味わい深く感じたのは空腹だったせいでしょうか。お値段の900円はチャーシュー麺としては高めの部類かもしれませんが、絶品の厚切りチャーシューを5枚食べられる幸せを思えば、そんなに気にはなりませんでした。麺の茹で加減も今回はいい感じで、素晴らしい一品。総合は文句なしの満点★5つでした。

所在地住所:熊本市中央区南熊本1丁目3-6 塚本ビル1F
電話 番号:096-364-6773
営業 時間:11:00~16:00、17:30~20:00
店 休 日:日曜、祝日
サ イ ト:なし

2013年1月7日月曜日

熊本市中央区・呑龍・ラーメン

呑龍・ラーメン = 呑龍 =

 「ラーメン」 700円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 スープ満足度:★★☆☆☆
 具の満足度 :★★★☆☆
 総合    :★★★☆☆

 熊本市の中心繁華街から少し南、白川のほとりにある熊本大学病院の近くにあるお店です。うかつにもこれまで知らなかったのですが、実は知る人ぞ知る有名店のようです。歩いて到着したのはお昼時を少し過ぎた午後1時近くだったにもかかわらず、店内には順番待ちの立ち姿が何人も見えるだけではなく、お店の外にも待つ人がいてびっくり!

呑龍・外観 食事のため行列するのは苦手というより嫌いなんですが、人気店で味わうための前提条件なら仕方ない、並んで待つことにしました。ガラス戸から店内の様子を窺うと、カウンター11席だけの狭いお店のようです。厨房では若い男性が一人踊るように調理中。女性2人は立ってそれを見ているだけのように見えましたが、よく見ると、配膳と食器洗いを分業で担当しているようです。

 しかし、着席11名のうち食べているのは3名だけ。あとの8名は手待ち状態のうえに立って順番待ちが店内6名と外に1名。厨房をよく見ていると、オーナーらしき男性は、丼の配列から濃縮ダシとスープの調合、麺の茹であげにチャーシュー切り、仕上げトッピングに至るまでほとんどすべてを行いつつ、一度に調理するのは3人前だけ。その所要時間が約5分といったところでしょうか。3人前1サイクルが終わる頃には、前サイクルのお客さんはほぼ食べ終える頃、というようなペースになっているのです。

呑龍・カウンター席と厨房 オーナーが麺茹で以降の作業に入ったら、手待ちで立っている店員さんは、なぜ次の丼を配列して濃縮ダシ入れや麺の準備までしておかないのでしょう?これで待ち時間は3~4割は短縮できると思うのに。さらに言えば、茹で上がった麺のトッピングを、どうしてもう一人手待ちの店員さんが担当しないのでしょう。3人で工程を分担すれば、待ち時間はさらに短く6~7割は短縮できると思うのですが・・・?わざわざ待ち時間を長くしているように思えてなりませんでした。

 ・・・ということはあと5サイクルの調理が終わらないと順番が回って来ない・・・三々五々席を立った先客の後に前の待ち行列の皆さんが座り、ようやく調理する男性の前に空いた席が回ってきた頃には、お店に到着してから20分以上が経過。平日の昼下がりにこの待ち時間だと、気が短い方には少々辛いかもしれません。席についた13時10分頃になっても立ち待ち姿が相変わらず数名、着席して待つのが6名でした。

呑龍・店内壁のメニュー それはともかく、基本メニューは『ラーメン』『ワンタンメン』『ワンタン』の三種類のみ。950円にもかかわらず『ワンタンメン』を注文する方が多いようですが、少々財布にやさしくないのと、目指すはラーメンなので『ラーメン』を注文しました。相変わらず一定のリズムを刻んで踊るように、頑なに3人前ずつ全工程の調理を一人で続ける寡黙で難しそうな表情の男性は、さして急ぐ風もなくマイペース。

 あと何サイクルで自分の番か・・と待ちながら、目の前で仕上がる『ワンタンメン』を見ていると、麺をゆで上げた後の釜にワンタンを投入し、茹であがるまで間にチャーシューを切り、トッピングを施しています。『あ~、それじゃ麺がのびてしまうじゃない・・』と思うのですが、これがこのお店のペースです。

 ただ、麺のゆで方は実に丁寧。麺をしっかりほぐし、ゆで方にムラがないように細心の注意を払い、茹で上がった麺は平らな湯切りザルから滑らせるようにスープに入れ、三人前が均等な量になるように調整しています。麺やトッピング扱った箸はその都度ゆで釜の熱湯に先端をくぐらせて洗い、味が移らないように気遣っています。その仕草がまるで踊っているように見えるのです。丼には、濃縮ダシのような液体を少量の他、黄色いオリーブオイルのようなものも加えているようです。

呑龍・6名同時に食べる時間は短い ようやくステンレス皿に載った『ラーメン』が目の前に現れたのは、お店に到着後40分近くも経過してからになりました。まずはスープ、豚骨味とは明らかに違った醤油系の香りが最初にやってきました。むしろトラディショナルな中華そばの香りに近いかも。色合いは醤油ラーメンと塩ラーメンの間くらいで寄せ鍋かちゃんこ鍋のダシのような感じですが、かといって澄んでもいないので、魚介ベースを主にして豚骨も合わたダシかもしれません。あっさり・スッキリとして、残る感じもコラーゲン的なこってり感もないので、個人的にはかなり物足りない感じで★2つでした。

 圧巻は麺の量。他店の大盛りかそれ以上かもしれません。それでありながら+250円の『ラーメン(大)』があるので、これは想像を絶するメガ盛り級?麺そのものは太めの丸ストレート麺。食感は桂花ラーメンの麺と似た感じです。最初の硬さはいい感じだったのですが、食べているうちに軟化してモソモソ感が出てきました。コシの粘りが足りない気がして★3つ。桂花の麺だと、同じようなモソモソ感を僅かに感じることがあるものの、しっかりとしたコシを食べ終えるまで感じられるのですが・・。

 トッピングは、3~4ミリはあろうかという厚手のチャーシューが三枚と、同じくらいの厚みにスライスされたゆで卵2枚、刻み青ねぎに、トッピングとしては初体験のヒジキ。これは変わってます。チャーシューのボリュウム感には満足。ただ、肉質が硬めなのでスープと馴染みきれない感じです。周囲のお客さんからは注文時に「ニンニクも」の声がかかって気づいたのは、はリクエストするとニンニクをトッピングしてくれること。しかし、ニンニクのトッピングについて、店内のどこにも表示がありませんでした。"Shooting is OK" と写真撮影OKの表示は出されていましたが。全体としてお値段対ボリューム感のコストパフォーマンスは標準以上で★4つクラスだと思います。

呑龍・店内で立って待つ人の姿 お店にはいつも順番待ちの行列ができているのですが、それはひとえに厨房の段取りと店員さんの役割分担がボトルネックになっているがゆえと、私は感じました。営業時間を尋ねると、15時くらいには売り切れで閉店するとのことでした。

所在地住所:熊本市中央区九品寺4丁目11-2
電話 番号:096-364-3693
営業 時間:11:20頃~売り切れ次第閉店(15時前後)
店 休 日:水曜、日曜、祝日
サ イ ト:なし